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書楼弔堂 霜夜
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書楼弔堂 霜夜

京極夏彦(著者)

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書楼弔堂 霜夜

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2024/11/26
JAN 9784087718768

書楼弔堂 霜夜

¥2,530

商品レビュー

4.4

49件のお客様レビュー

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2026/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2026年2冊目。 なんだろう。終盤の塔子と甲野の会話でふと、「ああこれは私のために書かれた本なのかもしれない」と思って、なんだか泣いてしまった。京極先生の小説は、“昔”を舞台にしているのにとてつもなく“今”を感じることがままあって、いつも不思議だったのだけど、なんというか、そこに不意に合点がいったような気がしたなぁ。 鶴田の「便利なのはいいけど、そのうち便利が人を追い越しちまうような気がしてね」には、AIが隆盛を誇る今に私自身が感じている据わりの悪さを、言語化してもらえたような気がして安心もしたな。図書館と国策の下りには、つい先日ニュースになった、国立映画アーカイブの補助金削減に伴うクラウドファンディングの件を思い出したりもした。無駄と判じられれば消えてしまう。使われないと消えてしまう。消えたものはもう戻ってこない。この小説は本を主としてそれを語るけど、本に限らず全てにおいてそうだよね。なんかしみじみ響いたな。 実はずっと、京極先生が小説の中で北海道方言の「いいだけ」を普通に使うのが疑問だったんだけど、尾形と甲野の会話でその理由が垣間見えて、ものすごく納得した。道民以外のひとはこれわかるのかな?って思ってたけど、たぶん、なんとなく、伝わってたんだろうな。もしかしたら、私が何となくニュアンスで理解した言葉たちの中には、その地域の人ならアッと気づくような別の方言も混ざってたのかもしれない。面白いなぁ。あと何十回読めば、作品に込められたすべての思いを掬いあげられるんだろう。 それはそうとしかし、そろそろ京極作品の詳細な相関図を誰か作ってくれ。もう繋がりとかぜんぜん覚えていられん。終盤の高遠と巖谷の会話でブワーーーッと出てくる聞いたことがある名前たちに、完全に宇宙猫になってたからね私は。弔堂各巻のメインキャラくらいはなんとなく覚えてるけど、誰のときに誰が出てどうのとかもうまったくわからん…その上他のシリーズとの関わりになってくるとハアアアもう…。 今のところ、弔堂と百鬼夜行の間の物語は出てきてないよね?弔堂が分けた仏典類が巡り巡って「鉄鼠の檻」の蔵に繋がるんかな…つか曉は絶対なにかしらと関係してんじゃん。ええなにこれから誰かと繋がるの?もしくは既に繋がってる?ぜんぜんわからん。規模がデカすぎる。 もはや京極先生の存命中に畳んでもらえるのかすら怪しいけど、むしろ“終わらない”ことこそ“らしい”のかもしれない。“こちら”の向こうには同じだけの“あちら”がありますもんね。広がれるだけ広がるのもまた、当たり前のことかしら。

Posted by ブクログ

2026/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目次 ・活字(夏目漱石) ・複製(岡倉天心) ・蒐集(田中稲城) ・永世(牧野富太郎) ・黎明(金田一京助) ・誕生(甲野賢三の息子甲野昇) 今回は一冊の本を作るための活字から、商品としての本を販売するための流通にまで話が広がり、そして「本のそむりえ」たる弔堂が店を閉めるまで、の話。 活字ができたことにより、本は一気に大量生産が可能なものになった。 複製と模倣の違いを踏まえたうえで、複製(印刷技術のない頃は筆写)が昔の文献を今に伝えてきたのだった。 そして紙。 手漉きの和紙から大量生産が可能な洋紙への移行。 しかし紙とても永遠に残るものではないので、やはりここでも複写して残しておくことが大事という。(余談だが、和紙の修復については国立公文書館のロビーでビデオ上映している) 明治という時代を舞台にしながら、これは確かに現代の読者に向けての本であった。 価格が高い本がいい本というわけではなく、短時間で読むことがよい読書というわけでもない。 読書というのは、コスパやタイパの範疇外のものなのだ。 同じ本を読んでも受け取るものはそれぞれの人によって違い、同じ人が読んでもその時々で感想は変わってくるだろう。 世の中は常に変動していて、本の中身は変わらない。 だから人は本を読んで、己の現在地を確認するのだろう。 ”技術は必要だから改良されるもの。必要は改良に先んじてあるべきもの。そこをはき違えるなら、その文化は滅ぶでしょう。” 本屋の大敵は戦争である、と。 武器の進歩を人間が追いかけるようになっては本末転倒だ、と。 ”真実より村の判断が重視されるものなのだな。真実を知る者も口を拭うのだ。拭うだけでなく口裏を合わせ始める。知っているのに知らぬふりをする。” SNSがない時代から、この国はそうだった。

Posted by ブクログ

2026/01/01

年末のお供に。 そんな訳あるはずもないのに、登場人物と共に足繁く弔堂に通い詰めていれば、いずれ私にも何がしかの一冊、そのヒントだけでも与えてくれそうな気がしていた。まさかこんなさっくり完結してきれいさっぱり更地になっ…たかはわからないけども、そんな気分。 あれも捨てこれも辞め、も...

年末のお供に。 そんな訳あるはずもないのに、登場人物と共に足繁く弔堂に通い詰めていれば、いずれ私にも何がしかの一冊、そのヒントだけでも与えてくれそうな気がしていた。まさかこんなさっくり完結してきれいさっぱり更地になっ…たかはわからないけども、そんな気分。 あれも捨てこれも辞め、もはや読書しか残っていないような気さえしていたのに、年甲斐もなく新しいことを始めて本から離れた1年だった。良かれ悪しかれ私も変わる。皆、変わっていく。

Posted by ブクログ

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