商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2024/10/30 |
| JAN | 9784103319849 |
- 書籍
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うそコンシェルジュ
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うそコンシェルジュ
¥1,980
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商品レビュー
3.7
106件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
理不尽な悪意というものがある。相手からすると理由があるのかもしれないが、だからといって攻撃していいということにはならない。でも、わざわざ絡んできて、的確に痛めつけてくる。あるいは踏みにじってくる。無自覚な場合もあるが、それはつまり相手の人格は尊重しなくてもいいと、初めから思っているということである。 攻撃側が得なのかというと、誰かを犠牲にすることで得られる平安など、心地よい居場所とは思えない。羨ましくもないので、攻撃は避け、反撃はしないのが良いのだろうと思う。 そんな相手とはできる限り距離を取る。自分の居場所を別に作る。簡単ではないかもしれないが、やり過ごそうとすると無理がでる。「続うそコンシェルジュ」の小島部長の妹さんのように過去の呪いが続いてしまうこともある。理不尽な悪意を振りまく側に回ってしまうことすらあるのだ。 本書はそうしたことを、いろいろなパターンで提示してくれているのだった。 「通り過ぎる場所に座って」 子どもを「信頼しようと思った。」とは、なんと素晴らしい親だろう。あれこれ対策を考えて行動する方が、実は楽なのだ。罪悪感から逃れられるし、行動を起こしているという体裁が整い、ごく僅かには安心感もある(もちろん上手くいかないという焦燥感の方が大きいが)。それに比べると子どもを信じて待つというのは、大変に覚悟がいる。匙を投げる、放置するのとは違う。無関心ではいられない相手が、問題を抱えている様子なのに見守るのだ。かなり辛い。しかし、待つしかない、待つことが解決を呼ぶこともまた大いにあるのだった。そんな時の周囲の手出しは、大人の自己満足で邪魔でしかないこともある。 子どもから自分に向けたSOSが聞こえるまでは、信じて見守る。たった5ページの短編だけれど、印象的な物語だった。
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うそをついてほしいな、と相手に期待することがある。正直に断るんじゃなくて、方便としてうそを言ってほしい。 でも、うそを言う方も、何かしらの負担を強いられているのかなと考えさせられた。 見過ごしてしまうような辛さや痛みを掬い上げて物語として提供してくれる著者の凄さを改めて感じる作品...
うそをついてほしいな、と相手に期待することがある。正直に断るんじゃなくて、方便としてうそを言ってほしい。 でも、うそを言う方も、何かしらの負担を強いられているのかなと考えさせられた。 見過ごしてしまうような辛さや痛みを掬い上げて物語として提供してくれる著者の凄さを改めて感じる作品集。 うそシリーズ、もっと読みたいな。
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あれ短編集だっんだ?タイトルにある章だけでも一冊できそうなのに。一話目の取り掛かりに読解力がついていけず、いや想像力か。アプリの説明が唐突でわからなかったけどめげずに読みきって良かった。 タイトルのほかに「レスピロ」がよくて、他の事で頭を満たす感覚がレスピロの訳となっているのもお...
あれ短編集だっんだ?タイトルにある章だけでも一冊できそうなのに。一話目の取り掛かりに読解力がついていけず、いや想像力か。アプリの説明が唐突でわからなかったけどめげずに読みきって良かった。 タイトルのほかに「レスピロ」がよくて、他の事で頭を満たす感覚がレスピロの訳となっているのもお後がよろしかった。 本題のうそコンシェルュはイメージが違った。ホテルのコンシェルジュが嘘で物事を解決していくドタバタストーリーかと思っていた。嘘をアドバイスする人の意味だった。 嘘をつくには、ついた嘘を覚えていてそれに勤勉にならないといけない。そんな芯をもって嘘のアドバイスをするけれど、どんどん嘘が重なり、ついた嘘の関わった人間がまた次の話の嘘をつくサイクルに巻き込まれ嘘の集合体が大きくなる。しかし最後は結局「嘘」は嘘。 主人公の友人関係がことごとく、「それって友達?」と踏んだり蹴ったりなのは、恐らく嘘をつく人間がどんなに芯をもって嘘に向き合っていても知れた事と皮肉めいてるのかもしれない。 主人公の友人以外の登場人物達は聡明でそこに関わる主人公も達観しているのだが 「横取りしたり奪った物を羨ましがせたりするのは自分がない人。だから他人の物を盗らなければ成立できない」や 嘘をつかれて取り繕うとしてくれる方が良い。 正直なのは理解されたいから取り繕うとするリスクをとっていない。 でも嘘をついてもくれないvs嘘であしらわれる程度の人間 人懐っこい事と善人である事は繋がらないなど 考え立ち止まされる事が多くあった。 嘘は方便だともいうけれど、人に嘘をつくことは自分にも嘘をついていることと同じ それが平気なのか苦痛なのか。人が他人に嘘を求めるのはその相手が感じる痛みも無視して、自分には嘘をついてくれと言うおごりが存在する。 など日常にはびこる違和感などが端正に描かれ俯瞰で考えられる良い一冊だった。 このタイトルのうそコンシェルジュは嘘の本当の所まで突き進んでシリーズ化になってくれたらぜひ読みたい
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