うそコンシェルジュ の商品レビュー
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表題の『うそコンシェルジュ』のほか、10篇の短編集。 津村記久子さんの本を読むと、日常のモヤっと感を見逃さずにキャッチして、丁寧にユーモラスに書く方だなぁ〜と毎度思う。 短編集だしおおきな話の展開はあまりないから、脇目もふらずに読む!という感じにはならないけど、お昼休みや、お風呂上がりにほわ〜っと読みたい感じの雰囲気の良さを持った本だった。 読んだ後には、自分をもうちょっと大事にしようかなとか、自分を大事にする方法は意外とたくさんあるのかもって思えた。この本にあったエピソードのように、何か夢中になるものをみつけてみたり。誰にもあまり迷惑のかからない方法で物に当たってみたりね。 あと、『うそコンシェルジュ』の話では、自分のためにうそをつかれない(思いやりがあるのなら上手いこと言ってくれればいいのに、軽視されているからか無遠慮で不躾な真実の伝え方をされる)ことへの苛立ちや寂しさを丁寧に書いていて、あぁ〜〜わかるぅ〜〜〜てなった。誰かのために嘘をつくことに、けっこう多大なエネルギーを使うこともね。 なんだか、自分の子どもが少し大きくなったら、『嘘』についてどうやって話そうかな?配偶者にも今度話してみようかな?と思ったりもしました。
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作品を作ることを優先させるよりも、お金はあった方がいいということで私はパートを辞めず、そのことに気力や体力を費やし、でも少しは稼げているから仕方ないと自分に言い訳をしている。そうやって私は何もできないでいた。
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好きな話がたくさん詰まった一冊だった。 最後の2作品が個人的にはお気に入り。 . 第三の悪癖 中山さんのストレス発散方法が母親の皿を割るということ。 岩崎さん(主人公)が中山さんの母親の皿を割るようになってから今まで抱えていたストレス(麻奈美のこと)とお別れでき、二人がボーリング...
好きな話がたくさん詰まった一冊だった。 最後の2作品が個人的にはお気に入り。 . 第三の悪癖 中山さんのストレス発散方法が母親の皿を割るということ。 岩崎さん(主人公)が中山さんの母親の皿を割るようになってから今まで抱えていたストレス(麻奈美のこと)とお別れでき、二人がボーリングしたりしてどんどん仲良くなっていく過程がとても良かった◎ . 誕生日の一日 佐江子さんみたいに自分で自分の誕生日を祝うのもありだなと思った。 私も今年はデパ地下で惣菜を買ってケーキを買ってみようと思う。 いくつになっても誕生日を楽しみたいな。 . レスピロ パート仲間の二人がお互いをモチベーションに一人は漫画を書くこと、もう一人はスペイン語を覚えることを頑張っている話。 友達と違って少し距離がある関係って時には大切だなと思った。 . うそコンシェルジュ とあることがきっかけで他人の嘘を考える事になったみのり。 姪っ子の佐紀も佐紀と同じ大学の谷岡君も嘘をつきたい気持ちが凄く分かった。 みのりの嘘は無理矢理感があるけど嘘を考えて貰えるのはいいなと思った。 . 続うそコンシェルジュ―うその需要と供給の苦悩篇 今回は、みのりと同じ会社で働く廣野さん、小島部長の妹さんの話。 嘘を考える事は頭を使うし、嘘をつく事は罪悪感を抱くし良い事はないなと思った。 嘘について深く考えた事はなかったけど今回この話を読んで今後は嘘をつく人生を送りたくないなと思った。 . 通り過ぎる場所に座って 職場にいても家にいても落ち着かない。 でも、どんな所だって一つでも自分が落ち着ける場所があるのは素敵だなと思った。 . 我が社の心霊写真 写真に写っている女性(幽霊)の正体とその後の話。 最後が意外と良い話だったかも。 . 食事の文脈 他人が食べた物の写真や食べている動画を観るのが好きな私には興味深い作品だった。 「食べたくなろう」とする為のストーリー、私も作ってみたい! . 買い増しの顛末 おじいちゃんの形見の大量の緑色のペン(168本)の話。 確かに緑色のペンって使い道ない人が多いと思うけど私は使ってる! でも家に置いておくなら5本ぐらいで十分かな笑 . 二千回飲みに行ったあとに 丸岡さんの送別会をするお店を角山君の代わりに探す事になった横井さん。 どんなお店を提案しても丸岡さんは既に行った事があって、お店探しは難航。 選ばれたお店は意外だったし、ほっこりで終わって良かった。 . 居残りの彼女 4年生のさなえが6年生の堀内さんといのこり授業で出会った話。 いのこり授業って実在するのかな? 実在するのなら受けてみたかったな。 2人がまた中学校で再会できたらいいな
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前に読んだやつが 好みに合わなかったので たぶん好きじゃないだろうなー と思いながら読んでた とても時間がかかったけど 表題作以外の短編は すごくよかった 短かっ!てなるやつは どれもすごくよかった 誕生日のやつと 二千回飲みに行ったあとと 食事の文脈 この3つが特にわかるーって...
前に読んだやつが 好みに合わなかったので たぶん好きじゃないだろうなー と思いながら読んでた とても時間がかかったけど 表題作以外の短編は すごくよかった 短かっ!てなるやつは どれもすごくよかった 誕生日のやつと 二千回飲みに行ったあとと 食事の文脈 この3つが特にわかるーってなった 星はフツーの3つ
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津村記久子さんの小説が好きだ。 言葉にしづらい感情の言語化がすごく上手。 本作でも人間のどうしようもなさ、くだらない感情がユーモアのある筆致で綴られていて、日常をこれでいいんだ、と少し肯定できる気がした。
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あまりに日常の些細な出来事なので、登場人物に一瞬共感はするけど、すぐに内容を忘れてしまうほどの短編集で全く残らなかった。
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短編集。 今回も、どれもこれも最高だった! 普通に過ごす、なんてことのない日常(それだけで既に十分すごいことだけれど!)で、少しずつ溜まっていく黒いものを少しでもグレーにできるちょっとしたお助けカード、みたいな前半戦。 普通に過ごす、なんてことのない日常を、誠実に過ごすことで...
短編集。 今回も、どれもこれも最高だった! 普通に過ごす、なんてことのない日常(それだけで既に十分すごいことだけれど!)で、少しずつ溜まっていく黒いものを少しでもグレーにできるちょっとしたお助けカード、みたいな前半戦。 普通に過ごす、なんてことのない日常を、誠実に過ごすことで得られるちょっとしたご褒美、みたいな後半戦。 人と人がささやかに交じりあうところも、津村さんの醍醐味。優しくて好き。
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11編、どれも優劣つけがたく面白かった。 なんか心の中でいつも考えていることが、登場人物に憑依しているようで、クリアになってくる。 あの人もこの人も、そうそうこんな人だったわーと感心しきり。 著者の人間観察にまざまざと魅せられてしまいました。 著者ほど「うそコンシェルジュ」に...
11編、どれも優劣つけがたく面白かった。 なんか心の中でいつも考えていることが、登場人物に憑依しているようで、クリアになってくる。 あの人もこの人も、そうそうこんな人だったわーと感心しきり。 著者の人間観察にまざまざと魅せられてしまいました。 著者ほど「うそコンシェルジュ」にぴったりの人はいないと思うのです(笑)
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こういう人、確かにいるよねっていう人々が主人公の物語11編。 何気ない日常が描かれていて、サラッと読めた。 面白かったのはダントツで「うそコンシェルジュ」と「続うそコンシェルジュ」の2編。 人助けのための優しい嘘。その嘘でどんどん人の輪が広がっていって、気がつけば丸くおさまって…...
こういう人、確かにいるよねっていう人々が主人公の物語11編。 何気ない日常が描かれていて、サラッと読めた。 面白かったのはダントツで「うそコンシェルジュ」と「続うそコンシェルジュ」の2編。 人助けのための優しい嘘。その嘘でどんどん人の輪が広がっていって、気がつけば丸くおさまって… 嘘がテーマなのに、傷つく人がいないっていいなと思った。 嘘をつく時のコツは、ありえそうな嘘をついてしっかり覚えておくこと。嘘をつかざるを得ない時のために覚えておこう。
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津村作品の、何でもない日常のやり取りや些細なこだわり、真面目に地味に生活している登場人物たちが妙に愛おしい。 自分自身を俯瞰してるようなドライな文体も好きかな。
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