商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2024/10/21 |
| JAN | 9784004320364 |
- 書籍
- 新書
論理的思考とは何か
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論理的思考とは何か
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商品レビュー
4.2
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論理的思考といえばアメリカ式エッセイのように結論をまず言って論拠を重ねていく、まさに世界共通で普遍の論理だと思っていた。しかし本書により、何をもって論理的とするかは、文化や時代によって多元的であると実感することができた。ここでは、アメリカ・フランス・イラン・日本の歴史的な背景や教...
論理的思考といえばアメリカ式エッセイのように結論をまず言って論拠を重ねていく、まさに世界共通で普遍の論理だと思っていた。しかし本書により、何をもって論理的とするかは、文化や時代によって多元的であると実感することができた。ここでは、アメリカ・フランス・イラン・日本の歴史的な背景や教育制度を比較することで理解を簡単にさせてくれる。逆に、中国やドイツ、ロシア・・その他様々な国はどのカテゴリーに近いのか気になった。これらの違いは言語によるものではなく、本人の文化がどういった価値観に重点を置いてるか、その社会的な背景の目的の違いによるものであり、多様性を理解することで複合的な論理的思考を選択できるという主張。 論理といえばアリストテレス(紀元前4世紀)、その影響は西洋で絶大で、今でもフランスではその伝統を受け継ぐような教育をしているとのこと。4分野の思考法は演繹的推論の論理学、蓋然的推論で説得を試みるレトリック、結果から原因を推測(アブダクション)する科学、弁証法で形而上的真理を探求する哲学に分類される。古代ギリシアのレトリックといえば、データや経験的事実を理性的に活用するか(ロゴス)、道徳心や共感など感情に訴えるか(パトス)、謙虚さや思慮深さを示して自分が信頼に足ると示して倫理的に説得するか(エトス)。まさに古代ローマの皇帝や元首、元老院や将軍の長い見事な演説に見られる通りの方法だ。また形式合理性、実質合理性のY軸と主観・客観のX軸マトリックスに当てはめた経済、政治、法技術、社会、それぞれの論理が分かりやすく分類されている。 アメリカの入試は13歳からはじまるといわれ、学業・芸術・スポーツ・社会貢献など実績を積み上げて大学の志望動機を説得のエッセイの根拠として築き上げていくスタイル。他社との差別化を論証する教育制度で、目的に向けて無駄がなく要領がよいものが勝ち上がっていく。これは高等教育の大衆化が背景にあり、論文を素早く採点できるまさに工業的な量産(経済重視、コスパ重視、タイムイズマネー)の背景がある。そして競争を勝ち抜いたエリート層は自分には能力があり、得られた地位や膨大な報酬が自分の能力の対価として妥当だと勘違いし、メリトクラシーの副作用としての分断が今アメリカで起きている。ヨーロッパ型のエリート教育から大衆教育への転換、もしかするとアメリカだけの話ではないのかもしれない。熟考が軽んじられ、経済優先で倫理が軽んじられるあたり、まさにアメリカの社会や企業を表していて目から鱗の因果関係に感じられた。 対してフランスは弁証法が重んじられるディセルタシオンの書き方に重きを置く。歴史的な背景はやはりフランス革命にある。法のもとの平等、政治主体としての国民を育成することが目的で、法律を評価し訂正する能力を付与することを求めるもので、近代の学校でよく見られるような国家を支える労働者や兵士を育成する目的とは一線を画する。そしてその探求に終わりはなく、ディセルタシオンの最後は今後の課題を提示する終わり方が理想とのこと。アメリカ方式からすると余計な弁証法の方式は無駄が多く、採点する側のコストが高くつく実害もある。そして引用元として未だに啓蒙時代のルソーなどが出てくるのもある意味衝撃的だった。 イランのエンシャーについては法技術の論理として紹介されているが、イデオロギー最優先(宗教原理主義)文化圏を理解する上で重要だ。結論は神の言葉ですでに提示されている。コーランはもともと暗誦さらることが前提だったため、作文の教育は最近始まったそうだ。これだけ自然や宇宙が調和しているのは神の存在を証明している、万有引力も相対性理論も進化論もそれを後押ししているということになるらしい。暗誦にとくに秀でた一部の特権者が法学者としてコーランを解釈する地位を得る。 そして日本の教育で紹介されるのは感想文だが、これは個人の経験から何を感じ、何を学んだかを内省させ、クラスメート(共同体)で共有して利他に基づく社会領域の道徳形成を担っているという。そこでは決して教師が正答を押し付けるのではなく、相手の立場にたって考える能力の高さを美徳としている。日本人の民度が特別高いとは思わないが、道徳が重んじられる社会的風潮があるのは確かだ。ちなみに起承転結で書くようにと小学校でも習うが、これは古代中国の漢文から来ているとのこと。日本人の曖昧さや決断力の欠如は批判的に見られることが多いが、予測不可能な新時代では大きな間違いを起こさず柔軟に対処できる点と、ゲーム理論にあるように裏切って短期的に最大利益を狙うよりも協力・協調する戦略が優利となる点を肯定的に捉えられている。確かにアメリカの目的と手段を直線的な論理で結ぶ思考法は、世界を単純化しすぎて、政策も失敗の繰り返しだ(まさに現在進行系)
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名著ってこういう本のことを言うんだ、と思いました。 「はじめに」からとても興味深くて引き込まれ、少し分からないかも?と思った文のすぐ後には具体的で理解しやすい説明が入っており、こんなにも難しい題材なのにすんなりと理解できました。 四領域の思考法を読み、なんとなく一般に言われてい...
名著ってこういう本のことを言うんだ、と思いました。 「はじめに」からとても興味深くて引き込まれ、少し分からないかも?と思った文のすぐ後には具体的で理解しやすい説明が入っており、こんなにも難しい題材なのにすんなりと理解できました。 四領域の思考法を読み、なんとなく一般に言われている論理的思考(ロジカル・シンキング)が苦手だと思っていた私は、もう圧倒的に社会の論理が根付いている、完全に日本の教育に染まった人間だと分かりました。汗 本筋とは少しズレるのですが、学生の時、国語の心情問題に対して、周りに「なんでこんな問題出るんだ」「これできて何になるんだ」と言っていた人がいた事を思い出しました。たしかに勉強して解けるようになる問題じゃないな、とは思っていましたが、私は何の疑問もなく解けるタイプで「これができても意味無いのかな」と密かに思っていました。本書を読んで、知らないうちにいろいろな力を動員していたことを知り、初めて解けることを褒められた気がして、少し嬉しく思いました。 この本を読んで、「自分が拠って立つ」領域が見えたので、これから議論や何か意見をする時には、「目的は何か」をはっきりと捉え、その場に必要な思考法という手段を選びとることができるようになりたいと思いました。 と、普段通り書いたらしっかり感想文スタイルになっています。笑
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