1,800円以上の注文で送料無料
〈迂回する経済〉の都市論 都市の主役の逆転から生まれるパブリックライフ
  • 新品
  • 書籍
  • 書籍
  • 1212-01-14

〈迂回する経済〉の都市論 都市の主役の逆転から生まれるパブリックライフ

吉江俊(著者)

追加する に追加する

〈迂回する経済〉の都市論 都市の主役の逆転から生まれるパブリックライフ

2,640

獲得ポイント24P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 学芸出版社
発売年月日 2024/09/22
JAN 9784761529123

〈迂回する経済〉の都市論

¥2,640

商品レビュー

3.7

4件のお客様レビュー

レビューを投稿

2025/05/25

2025.05.25 大学の先輩であり、今都市計画を仕事にする人の間で最も熱い本。読了。 人口が減少するなか、21世紀初頭から勢いを増した不動産デベロッパーによる再開発事業は依然として都内各地で行われている。一方で、材料費の高騰と人件費の高騰により工事費が上がり、中野サンプラ...

2025.05.25 大学の先輩であり、今都市計画を仕事にする人の間で最も熱い本。読了。 人口が減少するなか、21世紀初頭から勢いを増した不動産デベロッパーによる再開発事業は依然として都内各地で行われている。一方で、材料費の高騰と人件費の高騰により工事費が上がり、中野サンプラザなどの再開発が白紙となる状況も顕在化してきた。そもそも都市開発の必要性へ疑問を持つ人が増えてきたなかで、これからはまた新たな形での都市開発へ変化していくのではないかと、その渦中にいて感じている。 投じられる多額の税金に見合った、いやそれ以上の様々な貢献が求められる現在、迂回することが一つの共通認識として広まることの価値は大きいと感じる。 コンヴィヴィアリティについては、規模が過大でないことが一つのキーワードになる。下北線路街から学ぶべきことはその規模の小ささにあるのでは、と思ってしまった。 p.s 人間の条件、アースダイバー、アメリカ大都市の死と生、都市のイメージなど、読まなければならない本を再認識した。

Posted by ブクログ

2025/05/21

2025.05.21 なかなか読み応えがあって面白かった。都市計画がこれからどうなるのかとても気になる。都市は様々な葛藤を抱えており本当に難しい。

Posted by ブクログ

2025/02/20

「多様性の時代」と言われ始めて久しい昨今であるが、どうにも民間企業が主導する「街づくり」はかえって画一的で面白みにかける例が多いように思う。 行政ではなく民間企業が都市計画や街づくりの主体となっている現代において、改めて「街づくり」に求められている本質は何かを本書は問う。それは、...

「多様性の時代」と言われ始めて久しい昨今であるが、どうにも民間企業が主導する「街づくり」はかえって画一的で面白みにかける例が多いように思う。 行政ではなく民間企業が都市計画や街づくりの主体となっている現代において、改めて「街づくり」に求められている本質は何かを本書は問う。それは、民間企業が追及する経済的な価値に「直進する経済」ではなく、差しあたっては目に見えた利益を生まないが、人々の居心地の良さや活躍できるフィールドを備え、人が集まるようになる場所や仕掛けを設けることで、回り回って都市や事業者の利益に繋がる「迂回する経済」の観点を持つことで実現されると本書は説く。 都市論どころか社会学的な分野の本を読むのも初めてに近いのであるが、多くの先行研究や社会学的概念を援用しながら、著者自身のフィールドワークに根差した経験を裏打ちとして論旨が進んでいくので、主張は明快で分かりやすい。あと単純に面白い。 第一章では都市の根源的価値を見直す。 そこでは「パブリックライフ」が重要な観点とされる。パブリックライフとは、”人々が互いに出会い交流することで、互いを認知し、多様な人々がともに同じ社会をいきているのだという実感を得るような日々の生活のことである”とまとめるが、これはハンナ・アーレントの議論をベースに行なわれる。また、そのパブリックライフが行なわれる場所については、オルデンバーグの言う「サードプレイス」ですらなく、何かの目的すら具体的に持たない「第四の場所」であると説く。そしてこのような場は、用意されて作られるというより自然発生的に生じるものが、人々が自発的に「ここはこんな場所」と思えるようになる活動を支援するようなかたちで生まれると説く。 第2章では、既に「公共空間の整備」「公共貢献」といった名目で、都市計画に「迂回する経済」を一定程度取り入れる方向で動いているような潮流に対して、どのような要素があれば「迂回する経済」実現に向けた都市計画になるのか、その柱となる3つの概念が示されている。「即時性」「再帰性」「共立性」の3つである。即時性とは、そこで行われるコトが何か明確な一つの目的に向けて行われるのではなく、行われるコト自体を楽しむ姿勢と言えようか。「再帰性」とは、平たく言えば、当たり前を見直し新たな自分に出会い、その自分を認め構築していくこと。と言えそうである。当たり前との齟齬に気づく場、気づいた上で自分を既存の社会に適合させるのではなく、既存の社会に変化をもたらそうと思える場とはどんな場所づくりなのかが事例も踏まえて説かれる。「共立性」とは、全てが分業・専門家してきた現代が取りこぼしてきた「プロ未満」「専門領域の周縁」にある、人々がそれぞれもった”得意な事”を町のため近所の人のために生かせる空間といえようか。資本主義的に用意されたサービスの需要者ではなく、自らが価値の提供者になる、そういった人たち同士の関係で町がつくられるイメージか。 第3章ではこれらの議論を踏まえながら、「迂回する経済」が意識された都市開発の事例をみていく。例えば、立川の「GREEN SPRINGS」、越谷の「はかり屋」「油長内蔵」、下北沢の「下北線路街」、「早稲田大学早稲田キャンパス」等が紹介される。それぞれ、「迂回する経済」を思うと思わざるとに関わらず、その一端を実現している都市開発である。 そして著者は最後に、読者に今後も考え続けるための問いを残して本書を閉じる。 全体を通して主張は分かるが、著者自身にももう少し踏み込んでもらいたいと思ったのは、事例として本書に限らずよく称賛される「下北線路街」。この地区がどのように考えられどう運営され、なぜ上手くいったのかはよく議論される。だが「では何故小田急グループは他の地区で同様の取組みを行わないのか/どのようにすれば取り組みが民間企業に広まるのか」という点の考察は殆どされていない。本書でも紹介されるが、下北線路街ですら担当者の言葉として「自分が担当から外れたら後任者に全て台無しにされるのではないか」という恐れを抱いていることを紹介している。 かように、民間企業で「迂回する経済」を担当者レベルで実現していくことはハードルが高い。そこをどう取り払うか?が大きな問題である。 これを読者それぞれの課題として残していく姿勢は、真っ当でもあるのだが、もう少し踏み込んだ議論も欲しかったところだ。 ただ、いずれにせよ、都市開発に携わる人に考える材料を与えてくれる一冊ではあったと思う。

Posted by ブクログ