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妖怪を名づける 鬼魅の名は 歴史文化ライブラリー607
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妖怪を名づける 鬼魅の名は 歴史文化ライブラリー607

香川雅信(著者)

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妖怪を名づける 鬼魅の名は 歴史文化ライブラリー607

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 吉川弘文館
発売年月日 2024/08/21
JAN 9784642306072

妖怪を名づける

¥1,980

商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2025/03/27

中世までは鬼とか神とかで一括りにされていたものが近世で爆発的に妖怪らしい名前をつけられていったことを指摘し、俳諧がそれに与えた影響を考察する。和歌と違って俗語を取り入れるために言葉を収集したことが実質的に百科事典のようになっていくという話や妖怪を解釈する機能の失われが自分で名乗っ...

中世までは鬼とか神とかで一括りにされていたものが近世で爆発的に妖怪らしい名前をつけられていったことを指摘し、俳諧がそれに与えた影響を考察する。和歌と違って俗語を取り入れるために言葉を収集したことが実質的に百科事典のようになっていくという話や妖怪を解釈する機能の失われが自分で名乗って自分で語る予言獣の誕生につながったのではないかという話がおもしろかった。

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2024/12/21

古代・中世の頃は名づけの無い怪異だったのが、 江戸時代になってから妖怪として名づけられ、姿も描かれ、 その種類は膨大なものになり、妖怪図鑑まで世に出された。 妖怪を創造し発展させたのは、俳諧ネットワークの存在に有り。 ・妖怪の「カンブリア」爆発―プロローグ ・古代・中世の妖怪の名...

古代・中世の頃は名づけの無い怪異だったのが、 江戸時代になってから妖怪として名づけられ、姿も描かれ、 その種類は膨大なものになり、妖怪図鑑まで世に出された。 妖怪を創造し発展させたのは、俳諧ネットワークの存在に有り。 ・妖怪の「カンブリア」爆発―プロローグ ・古代・中世の妖怪の名づけ ・鬼魅の名は 妖怪と俳諧ネットワーク ・増殖する妖怪 ・「怪異」のゆくえ ・忘れられたデータベースーエピローグ ・あとがき 参考文献有り。 古代は、名づけの無い、荒ぶる神や祟り神、鬼など。 中世。実体不明の怪異は、国家の危機管理での凶兆として記録。 室町時代、内乱からの「怪異」による危機管理システムの形骸化。 そして江戸時代。幕府は「怪異」による危機管理システムを放棄。 世間では「髪切り」の流言から、名前と画像が発生し、妖怪に。 17世紀、突如現れた妖怪の名前は、俳人・文人のネットワークから。 名づけによる妖怪名称の、俳諧での「俳言」としての価値。 地方の俳人・文人の収集した伝承にある怪異が知られるように。 各地を巡った松尾芭蕉の影響と妖怪趣味。蕉風復興運動も。 俳諧ブームからの俳諧の手引書が博物学ブームに。 『諸国里人説』の記事が『画面百鬼夜行』に。 作者の鳥山石燕は俳人だった。更に彼の創作妖怪の本が登場。 朝廷での「怪異」にも変化が。 そして19世紀、自ら名乗る予言獣が登場する。 俳人・文人のネットワークが妖怪の名づけに影響してたと いうのが面白かったです。しかも松尾芭蕉がキーパーソン。 更に、井原西鶴や恋川春町も俳人だったのね。 地方の様々な伝承が収集され、俳諧ネットワークで共有され、 江戸に至り、黄表紙などに登場するようになったのかと考えると、 なかなか興味深い内容でした。かつては恐れられていた 怪異すら日常化して、名づけられてしまう面白さ。 「鬼魅の名は」という副題も良かったです。 最後の予言獣が何とも言えず、アマビエについてはちょっと 笑ってしまいました。

Posted by ブクログ

2024/10/03

妖怪の銘々の由来を調べる本ではなく、それまで狸や狐、神や霊と怪異の正体・分類・命名が限定的だったのに対し、江戸時代に様々な妖怪として爆発的に命名・分類されていったのはなぜかを紐解く本。詳しくは本書に当たって頂くとして、そこに江戸幕府の怪異に対する施政方針と俳諧のネットワークがあっ...

妖怪の銘々の由来を調べる本ではなく、それまで狸や狐、神や霊と怪異の正体・分類・命名が限定的だったのに対し、江戸時代に様々な妖怪として爆発的に命名・分類されていったのはなぜかを紐解く本。詳しくは本書に当たって頂くとして、そこに江戸幕府の怪異に対する施政方針と俳諧のネットワークがあったという話は今までに出会ったことのない視点で非常に面白かった。妖怪の本と言うよりは日本文化史の本という印象だった。

Posted by ブクログ