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いま読む『源氏物語』 河出新書074
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いま読む『源氏物語』 河出新書074

角田光代(著者), 山本淳子(著者)

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いま読む『源氏物語』 河出新書074

891

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2024/08/07
JAN 9784309631776

いま読む『源氏物語』

¥891

商品レビュー

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2024/09/05

面白くて、読みかけの他の本をすっ飛ばして先に読んだ。 この本で印象に残ったこといくつか。 藤壺は本気で光源氏を拒否してるということ。 なんとなく、「嫌よいやよも好きのうち」という、気持ち悪い男目線で藤壺を見ていた自分が恥ずかしい。きちんと読めば、本当に光源氏を避けてるのに。そ...

面白くて、読みかけの他の本をすっ飛ばして先に読んだ。 この本で印象に残ったこといくつか。 藤壺は本気で光源氏を拒否してるということ。 なんとなく、「嫌よいやよも好きのうち」という、気持ち悪い男目線で藤壺を見ていた自分が恥ずかしい。きちんと読めば、本当に光源氏を避けてるのに。そういう見方を自分に許していたことに反省。 宇治十帖の浮舟について。 あまり魅力を感じなかった浮舟の印象が変わった!「蜻蛉」において、浮舟が苦しんで姿を消しても、男たちは決して結局何も変わらなかったことを書いていると、山本さんは言う。その一つも変わらなかった男たちの男の愚かさを「蜻蛉」で書いておいて、その後の「手習」で死んだと思われていた浮舟が現れ、歌によって浮舟の内面の変化を表す。それによって「何も変わらなかった男たち」と、「一人になることで変わった女」と言う対比が強く印象付けられると言う。そういう見方もあるのかと目から鱗。 源氏物語は男性が女性を保護するように見せかけて、実は女性の精神性が上回って、男性たちを追い越していく物語だと言う。なるほど! 最後に山本さんが昭和的男性的な見方からの解放と言うことを提案されている。古典研究の大家の萩谷朴氏が、皇子の誕生五十日祝いの祝宴で席を立った倫子について、「更年期も近い女性心理の凄まじさが目に見えるようである」と書いているらしい。そういう古い男性的な見方について、山本さんは、女性の研究者が増えることでそういった思い込みというのが検証されて更新していけばいいと言う。 源氏物語も様々な多様な解釈がなされることで、どんどん紫式部の本質に迫っていけるのだろう。なんせ、紫式部は天才ですもん。昭和的な解釈の枠にはまるわけがない。 非常にスリリングで面白い本だった。 山本淳子さんの「源氏物語の時代」を再読したくなった。(この本のことは本書でも何度も触れられていたが、本当に面白く素晴らしい本なので、何度でも)

Posted by ブクログ

2024/08/31

目から鱗、というけれど、まさにそういう読書体験だった。 源氏物語は丸谷才一、瀬戸内寂聴、田辺聖子など色々な方が口語訳しているが、角田光代は初めて敬語を用いず、現代の小説の語り口で翻訳をした。 平安文学研究者の山本淳子さんは、物語がドラマとして現代に受け入れられやすくなったのは画期...

目から鱗、というけれど、まさにそういう読書体験だった。 源氏物語は丸谷才一、瀬戸内寂聴、田辺聖子など色々な方が口語訳しているが、角田光代は初めて敬語を用いず、現代の小説の語り口で翻訳をした。 平安文学研究者の山本淳子さんは、物語がドラマとして現代に受け入れられやすくなったのは画期的なことだという。 これまでの口語訳では、男性の視点からであったり、恋愛や性愛を基準に解釈されたり、作家によって個性が現れるようだ。 さらに「源氏物語」を現代の女性の立場から読むと、視点や論点が違う解釈も生まれているし、道長からの依頼説など、今のところ否定されていない説も生まれている。 (でもそれが定着するとしたら、ゆうに50年はかかるであろうということ) 「源氏物語」はかくも時代ごとに、色々な形で受け入れられていく物語であったことに、改めて驚かされる。

Posted by ブクログ

2024/08/12

河出書房新社の池澤夏樹個人編集版日本文学全集で「源氏物語」の現代語訳を手掛けた小説家と、紫式部研究の第一人者による対談。大河ドラマ「光る君へ」の副読本として読む一択。 (まずは帰省中の長女が持ち去った) 対談スタイルなのでどんどん読めるし、「源氏物語」の魅力もよく伝わってくる。...

河出書房新社の池澤夏樹個人編集版日本文学全集で「源氏物語」の現代語訳を手掛けた小説家と、紫式部研究の第一人者による対談。大河ドラマ「光る君へ」の副読本として読む一択。 (まずは帰省中の長女が持ち去った) 対談スタイルなのでどんどん読めるし、「源氏物語」の魅力もよく伝わってくる。大河ドラマの脚本家の想像と重なる部分もけっこうあり、ドラマのほうがこの先どう展開していって、そこに「源氏物語」がどう見え隠れしていくのかも含めてますます楽しみになってきた。 藤壺女御に源氏への思いがありや無しやとか六条御息所、花散里、末摘花といった人物をどうみるかなど、時代や個人の考え方によって多様な捉え方ができるのがおもしろく、この本では主に昭和までの男性視点での見方と、女性では性愛を重視した瀬戸内寂聴の見方が話題になっていたが、「源氏物語」の解釈史を系統だててまとめたような研究もあったら読んでみたいなあ。

Posted by ブクログ

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