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檜垣澤家の炎上 新潮文庫
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檜垣澤家の炎上 新潮文庫

永嶋恵美(著者)

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檜垣澤家の炎上 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2024/07/29
JAN 9784101054513

檜垣澤家の炎上

¥1,210

商品レビュー

4.2

167件のお客様レビュー

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2026/09/05
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大正時代の横濱の富豪である檜垣澤家。 母の死後、妾の子であるかな子は、脳卒中で倒れた父であり当主の要吉の世話係として檜垣澤家に引き取られる。 当主の倒れた檜垣澤家では妻のスヱが貿易商「檜垣澤商店」のすべての舵取りを行い、娘の花と共に会社を大企業へと押し上げていた。 かな子は妾の子として疎まれ蔑ろにされながらも、母の教えと知恵と情報を駆使し、檜垣澤家での地位を得ようと野心を燃やす。 大正時代の華やかな社交の場。裏で糸引く聡く決断力のある女たち。そしてそのネットワーク。 女中たちから嫌がらせをされながらも強かに自分を居場所を作り立ち回るかな子。 本当にドラマを見ているようでした。 かな子の強さもですが、それを覆い隠すほどの賢さと力を持つ、スヱの存在感もまたかっこいい。 それに、郁乃、珠代、雪江の三姉妹も個性的で憎めない。 ミステリーではあるけれど、かな子の成長とそれに関わる人々との駆け引きや友情や淡ーい恋心にのめり込みました。 なんか、性格悪いかもだけど、登場人物の強かさに、私が元気出ますわ。 かな子の母の教えがいい。 「人には三つの色がある。顔色、声色、腹の色。どの色を見るかで、その人の見え方は変わってくる。」 「頭の中の知恵は誰にも奪われない」 今からでも我が子に伝えねば。

Posted by ブクログ

2026/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

檜垣澤要吉(ひがきざわ ようきち)が興した、留守番の小僧一人きりのちっぽけな店は、絹織物の輸出商「檜垣澤商店」としてのし上がった。いわゆる成金である。 高木かな子は、その檜垣澤要吉の妾の子。母の高木ひさは売れっ子の関内芸者だった。要吉は元町のはずれに気の利いた家を買い与え、かな子の世話をするばあやと、下働きのおチヨねえやがいた。父の来訪はせいぜい月に一度か二度。母はただ養われるのを嫌って元町の旦那衆に長唄などを教えていた。 かな子は幼い頃から、母に「人」の見方を教え込まれた。 『人には三つの色がある。顔色、声色(こわいろ)、腹の色。どの色を見るかで、その人の見え方は変わってくる』と。 母が火事に巻き込まれて亡くなると、かな子は7歳で檜垣澤家に引き取られた。居候扱いであるが、卒中で寝たきりになった要吉の世話ができるのは要吉を「おとうちゃん」と呼んで慕っていたかな子にとってささやかな幸せだった。また、上州出身の要吉は資産家になった後も「おとうちゃん」と呼ばれることを喜ぶ素朴なところがあった。 長女・花の婿・辰市が焼けた蔵の中から焼死体で見つかり、要吉も亡くなると、かな子の立場は微妙。 檜垣澤の家は、要吉の妻・スヱが実権を握っていた。 かな子は、スヱがなぜ自分を引き取ったのか、その理由を考える。男子ならたとえ外腹であっても経営に加わることができたかもしれない。しかし、女子は、政略結婚に利用するくらいしか使い道がない。それは、かな子の望むところではなかった。 檜垣澤の家に男は要らない、と言われるほど、女系が実権を握り、婿たちの影は薄い。 かな子も、檜垣澤の女として、自分の取り分は手に入れたいと思う。 これは、妾の子の本家乗っ取り物語なのか。 かな子にとって越えるべき壁はスヱだった。 このスヱが、また大人物、女傑である。かな子の敵ではない。いろんな意味で。 一つは単純に、かな子のかなう相手ではないという事。 そして、「妾の子として目の敵にする」という態度を一切見せないのが底知れない。 大きな流れで見れば、かな子の師であったかも知れない。 昼ドラみたいなドラマでもあるが、お決まりのヒロインいびりは女中たちの仕事である。 スヱの長女の三人の娘たちのうち、次女の珠代と三女の雪江は、かな子を妹と言って可愛がった。 (続柄上は、叔母である) スヱの複雑な心のうちは憶測するしかないが、頭の良いかな子を自分の後継の一人の親族として認める方向にはあったのだと思う。 そう考えれば「妾の子の本家乗っ取り」ではなく、正当に引く継ぐ事になった、それがたまたま創業者の妾の子だったという事になる。 解説では、「本書への影響は『華麗なる一族』『細雪』、ミステリ部分では『犬神家の一族』」と述べられているが、ブロンテ姉妹の小説のような味もあると思う。

Posted by ブクログ

2026/06/30

大正の横浜を舞台に富豪一族の中で妾の子であるかな子が地位を得るために奮闘する物語。 とにかくボリュームのある一冊。女系一族で知略を尽くしてのし上がろうとするかな子と、一族を支配する本妻スヱとの静かな戦いが面白く読み応えがあった。 本妻の『大奥様』スヱは要吉が興した商店を一代で横...

大正の横浜を舞台に富豪一族の中で妾の子であるかな子が地位を得るために奮闘する物語。 とにかくボリュームのある一冊。女系一族で知略を尽くしてのし上がろうとするかな子と、一族を支配する本妻スヱとの静かな戦いが面白く読み応えがあった。 本妻の『大奥様』スヱは要吉が興した商店を一代で横浜一の大店に育て上げたやり手で要吉が寝たきりになってからは商店の経営を取り仕切っている。その補佐役を担う娘の『奥様』花、さらに花の3人の娘たち。 『檜垣澤に男はいらない』とまで言われる女系一族で使用人と同じような待遇を受けていたかな子だが、自分も要吉の娘であるというプライドと持ち前の知恵と容量の良さで檜垣澤家での地位を確立するため立ち回る。 蔵で不審死を遂げた花の婿、スヱの片腕として暗躍する書生、軍との密談などのミステリー要素もあるが、子供ながらに知恵と度胸のあるかな子と、常に先を読み周囲をうまく操るスヱの腹の探り合いにワクワクした。 成長とともに考え方、立ち回り方がスヱに似てきている部分もあって、かな子にとって大きな壁であったスヱだけど、女の戦いにおける手本でもあったんだよなぁ…

Posted by ブクログ

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