商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2024/07/12 |
JAN | 9784309032078 |
- 書籍
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いなくなくならなくならないで
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いなくなくならなくならないで
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商品レビュー
3.3
39件のお客様レビュー
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死んだと知らされていた親友が突然現れて同居生活が始まる。夢のような生活が続くが時子が就職して実家に戻るあたりから雲行きが変わる。時子も朝日も父も母もあの家に住んでいる人は明確に歪んでいて、強引に家を離れた姉だけが比較的うまくやっている。 朝日は仕事につかず家にいて両親もそれを気持ちの悪いぬるさで容認している。時子は17歳の頃の死んだ朝日に執着していてそれは今の朝日とはもう違う。生きているから変わってしまう。出ていってもらおうとするが朝日は出ていこうとしない。 前半のきらめきと後半のぬるい泥のような気持ち悪さの落差がすごかった。泥みたいな家。愛はなくて執着と依存の話だった。 破滅の気配を漂わせたまま進展はしないで終わる。出ていってくれないの怖いなと思ったけど、朝日のような人はいずれ恋人の家に転がり込んで急にいなくなったりするんじゃないかなと思った。でも朝日は男たちより時子に執着している(時子も時子でそれを嫌がっていない)ところがあるので違うかも。 父と母は姉のことばかり愛しているわけではなくて、姉が自分たちの影響力の外に出てしまったのが嫌ですがりついているように思えた。出産をすればさらにその距離は広がるのでどうにかして逃すまいとしている。
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最終的にぜーーーーんぶが超カオスで終わった。 朝日によって感情も、家族も、友達も、全部ぐちゃぐちゃになる。 過去と、現実もぐちゃぐちゃ。 好きだけど嫌い。 いなくなってほしいけどいてほしい。 どうでもいいけど大切。 愛してるけど憎んでる。 そんなカオスな状態がおもしろい。味わい深い。 ぶっちゃけなにがなんだかよくわからないけど、いくつもの感情が渦巻いてて、絶対当事者にはなりたくないけどおもしろかった。 実際問題、人の感情ってぐちゃぐちゃだよね〜 まぁ、ここまでぐちゃぐちゃなことはまれだと思うが。 シンプルに考えると、時子は結局現実の朝日のことはもはやどうでもよくて、過去の朝日の影を追ってるだけなのでは?と思った。 結局一番かわいそうだったのは時子だな… 親は麻央子ラブだし、朝日は天性の人たらしっぽかったし、人付き合い苦手で、特に秀でたものもなくて、死んだ友達を思っていたらなんか自分の居場所を奪われて、なんなら養わないといけなくなって、、 朝日、全部わかっててやってるでしょ。こわ〜
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胸の痛みはすでに凪いで、心臓の感触があった。肉だったからだ、と思った。朝日は肉でできていて、わたしが落としたのも肉だった。だから石はわたしになれない。 人の頭蓋はとても硬く、手のひらはあまりにやわらかい。 (挿画 加藤宗一郎 装丁 佐藤亜沙美)
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