商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2024/07/11 |
| JAN | 9784163918723 |
- 書籍
- 書籍
OSO18を追え “怪物ヒグマ"との闘い560日
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
OSO18を追え “怪物ヒグマ"との闘い560日
¥1,870
在庫あり
商品レビュー
4.1
31件のお客様レビュー
. 近年、野生のクマによる被害の報道を、よく見聞きするようになりました。 特に、北海道で発生したヒグマによる被害は、"OSO18"と呼ばれる特定の個体が繰り返し起こしていると、センセーショナルに報道されていました。 野生動物と人間との関わりについて、以前から...
. 近年、野生のクマによる被害の報道を、よく見聞きするようになりました。 特に、北海道で発生したヒグマによる被害は、"OSO18"と呼ばれる特定の個体が繰り返し起こしていると、センセーショナルに報道されていました。 野生動物と人間との関わりについて、以前から興味を持っていたので、この事件について詳しく知りたいと思っていました。 報道がひと段落した後に書店巡りをしていたところ、題名に"OSO18"とあるこの本が置かれていたので、読むことにしました。 著者は、事件が起きた北海道東部で、ヒグマに関するNPO法人の理事長をされているとのこと(執筆当時)。 OSO18による被害は当初、担当外の近隣の町で起こっていましたが、協力の依頼を受けて関わるようになったそうです。 被害が続いたため、著者達は地域のハンターらを集め、特別対策班を編成します。 OSOを捕獲すべく、捜索を開始した対策班。 しかしその対象は、東京23区の3倍という広大な範囲に及びます。 過去にOSOが事件を起こした場所を中心に捜索しますが、少ないと言われていたこの地域に数多くのヒグマがいることもわかって・・・という始まり。 本書は、最初の被害から四年がかりとなった、著者と対策班の活動の日々が、時系列でまとめられています。 複数の牛を襲って怪我を負わせていながら、その中でも一部の牛のみを食べるOSO。 「普通のクマ」という想定で捜索を始めた著者たちですが、上記をはじめとする複数の謎が浮かび上がります。 その謎解きも、本書の読みどころの一つです。 そしてOSOの特徴として、繰り返し書かれているのが、並外れて「用心深い」ということ。 最初は半信半疑だったのですが、読み進めるにつれて、OSOが自らに迫る人間の動きを察知して行動しているということを、驚きをもって理解しました。 自分自身、不思議に思っていたのが、哺乳類の肉を食べることが少ない野生のヒグマがなぜ、自らの意思で牛を襲うようになったのかということ。 この点は本書のメインテーマの一つでもあるのですが、自分なりに以下のように理解しました。 (1) ヒグマがエゾシカの肉に容易にありつける環境が、人為的な理由により増えてきた (2) エゾシカの個体数そのものが増え、牛がいる牧場の周囲にも出没するようになった(⇒牧場の近くに、ヒグマが来る場所が出来てしまう) そして、マスコミの報道ではわからない部分が多かった、OSOの最期について。 著者の推測で補われた部分もありますが、おおよそこういうことだったのだろうと、納得しました。 今回の経験を踏まえて著者は、OSOのようなクマは再び、出現してしまうだろうと書いています。 エゾシカをめぐる問題については、改善に向けた取り組みも始められているようですが、地方の過疎化が進む今後は、危険性がさらに増すのではないかと、自分も心配になりました。 野生動物が減りすぎたり絶滅してしまうのはかわいそう、でも、自分たちに危害や被害が及ぶのは困る。 多くなりすぎた動物は間引きが必要、でも、その処理能力が足りない。 経験やノウハウを持った人が減っていく中で、野生動物とどう向き合っていくのか? 地方行政の一つの課題として全国で取り組み、良い事例を広めていくなど、工夫していく必要があるように思えました。 本書を読んで、この問題への理解が深まった部分がある反面、知らないことがまだたくさんあることも認識しました。 今後も関連書籍を読んで、自分なりに考えを整理していきたいと思います。 .
Posted by 
出版社の宣伝文句が「究極のクマ本 緊迫の実録ノンフィクション! 羆(ヤツ)は、必ず戻ってくる。」というゴシップ誌みたいな煽り文になっているが手に取ってみると「驚愕の手記」というよりは560日間、対策チームが地道にOSO18という羆(ヒグマ)を追うことになった経緯、事の顛末が連ねて...
出版社の宣伝文句が「究極のクマ本 緊迫の実録ノンフィクション! 羆(ヤツ)は、必ず戻ってくる。」というゴシップ誌みたいな煽り文になっているが手に取ってみると「驚愕の手記」というよりは560日間、対策チームが地道にOSO18という羆(ヒグマ)を追うことになった経緯、事の顛末が連ねてある至極真面目なノンフィクションだった。 著者の藤本靖氏は対策チームのリーダーなのだが、書いてある内容如何だけではなく、文体から、「この人は様々な事に気を配っている人で、いつも皆から頼られる人なのだろうなぁ」と人物像が自然と想像できた。 例えば、対策チームは藤本靖氏が普段一緒に狩りをしているハンターたちで構成されるのだが、彼ら一人一人の強みや人となりについ書いてある部分はとても詳細に書かれていて、「なんて頼りになるメンバーたちを集めたんだろう」と読んでいる方は深く感心してしまった。 過熱するマスコミに対しての苦労話、OSO18というたった一頭の熊を北海道という広大な土地で探すという気の遠くなるような仕事について、そして熊の習性など少し固く専門的な話が書かれる中、著者は折に触れて対策チームが食事を楽しむ場面などを挟んでくれる。内容に緩急をつけて専門外の読者の事を気遣ってくれる。北海道中を車で探索する中、メンバーはセイコーマートという北海道にしかないコンビニでしょっちゅう食べ物を補給するのだが、「ホットシェフ」という店内調理による大きなおにぎりが特に美味しそうで、読んでいてぜひ食べてみたいと思った。 常に現場に出ている人が書くので、OSO18という熊が現れてしまった説明は「理論」じゃなくて「この場所が」という具体的な場所の描写で現れる。一冊の本として実に実直で、本当に面白い本だと思った。 ちょっと過激な宣伝文句で売り出そうとするのもある意味納得。広く読まれると良いのになぁ。
Posted by 
なぜOSO18と名付けられたヒグマは牛やエゾシカを襲い食べるようになったのか 自然界での突然変異!なんてことはない 結局のところ動物が絶滅したり行き場を失ってしまったり、、何かしらで人間が関わっているのだと思うとやるせない もちろん直接は関係ないんだけど、今後クマのニュースを...
なぜOSO18と名付けられたヒグマは牛やエゾシカを襲い食べるようになったのか 自然界での突然変異!なんてことはない 結局のところ動物が絶滅したり行き場を失ってしまったり、、何かしらで人間が関わっているのだと思うとやるせない もちろん直接は関係ないんだけど、今後クマのニュースを見たときにOSO18が頭をよぎる気がする
Posted by 
