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黴の生えた病棟で ルポ・神出病院虐待事件
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黴の生えた病棟で ルポ・神出病院虐待事件

神戸新聞取材班(著者)

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黴の生えた病棟で ルポ・神出病院虐待事件

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日新聞出版
発売年月日 2024/06/24
JAN 9784620328072

黴の生えた病棟で

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商品レビュー

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2026/02/20
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日々、認知症の患者の排泄介助や不穏対応に追われ、夜勤をこなす過酷な医療・介護の現場に身を置く私にとって、同じく閉鎖的な病棟という空間で起きたこの事件は、決して目を背けることのできないテーマだった。ふと手に取った『黴の生えた病棟で―ルポ・神出病院虐待事件』(神戸新聞取材班 著)は、私自身の足元をぐらつかせるほどの衝撃と、深く沈潜するような思考のうねりをもたらした。 本書は、2020年に兵庫県神戸市の精神科病院「神出(かんで)病院」で発覚した、看護師や看護助手ら6名による患者への凄惨な集団虐待事件の深層に迫ったルポルタージュである。事件の発覚は、内部告発でも行政の監査でもなく、ある元看護助手が院外で起こした強制わいせつ事件の証拠品として押収されたスマートフォンの中から、偶然動画が発見されたことだった。そこには、男性患者同士にキスをさせたり、陰部にジャムを塗って舐めさせ合ったりといった、およそ人外としか思えない猟奇的で支配的な虐待行為が記録されていた。 読み始めた当初、私は彼らを「とんでもない悪人たちだ」と他者化し、強い嫌悪感を抱いていた。70〜80年前の暗黒時代の出来事ではなく、現代の2020年にこれほど非人道的な行為が行われていたことに、ただ驚愕したからだ。 病院側も隠蔽体質で口を閉ざすなか、彼らは最初から救いようのないモンスターなのだと信じて疑わなかった。しかし、読み進めるうちにその怒りは、背筋が凍るような恐怖へと変質していく。裁判で親や家族、そして本人が涙ながらに語った事実の蓋を開けてみると、主犯格の青年たちは最初、どこにでもいる「大人しくて優しい、普通の子」だったのだ。 彼らはなぜ狂気に染まったのか。それは、常に多忙を極める病棟、逆らえないトップダウンの怖い院長、そして意思疎通が困難で「物言えぬ患者」に対する終わりのないケアという極限のストレス環境が引き金だった。鬱屈とした閉鎖空間のなかで、ストレス発散を兼ねて先輩たちが面白半分で行う悪ふざけの風習を真似るうちに、徐々に感覚が麻痺し、エスカレートしていく。気がつけば自らが「やる側」へと絡め取られていたのだ。この構図に触れたとき、私は思わず息を呑んだ。私自身、夜勤の疲労のなかで、意思疎通の図れない患者の対応に追われ、ふと感情が削り取られる瞬間を知っているからだ。「彼らは、運の悪かった私かもしれない」。そう思わせるほど、この事件のルポルタージュは痛いほど身につまされるものだった。 この組織的腐敗の構造は、絶対的な権力が君臨し、誰もが開けてはならない箱を黙認し続けたジャニーズ問題や、ナチス・ドイツのホロコーストにおける思考停止した人々の姿と見事に重なる。 最初は「英雄」と持て囃されたり、「真面目な歯車」としてただボタンを押していただけの人間が、環境と同調圧力というシステムの中で、確たるロジックを持たないまま加害者にも被害者にもなり得るという恐ろしい普遍性。いくつかの悪条件が合致したとき、狂気の扉はいとも簡単に開いてしまう。彼らを変節させたのは、個人の生来の異常性ではなく、まさに病棟に繁殖した「黴」のような組織の病理であった。日本の精神科医療が抱える「精神科特例(一般病棟より少ない人員配置が合法とされる制度)」が現場の余裕を奪っていたという背景を鑑みれば、これは単なる一病院の不祥事では片付けられない。 複雑に絡み合う人間社会において、集団の狂気に個人が抗うことの難しさを突きつけられた。その密室の中で1人声を上げることの困難さを知った今、私は「個人の弱さを自覚すること」の重要性を深く胸に刻んでいる。閉鎖性に飲み込まれないためには、広い世界を知り、外部の客観的な視点を持ち込むこと。誰かに頼り、オープンに語り合える心理的安全性を職場で保つこと。そして、多様な価値観を知り、許容していくことだ。 『黴の生えた病棟で』は、遠い狂気の世界を描いた猟奇事件の記録ではなく、極限状態における人間の脆さと、私自身の日常のすぐ足元に口を開けている深淵を鋭く突きつけてくる、底知れぬ引力を持った鏡のような一冊である。

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2026/02/05

 精神病院で集団的虐待が行われ続け、6人の看護師が逮捕された事件についてのルポルタージュである。衝撃的なのは虐待の内容である。患者の下半身にジャムを塗って、その逸物を別の患者に舐めさせたり、糞を食べさせたりとか人格を否定した虐待行為が10年以上前から繰り返されていたというのだ。精...

 精神病院で集団的虐待が行われ続け、6人の看護師が逮捕された事件についてのルポルタージュである。衝撃的なのは虐待の内容である。患者の下半身にジャムを塗って、その逸物を別の患者に舐めさせたり、糞を食べさせたりとか人格を否定した虐待行為が10年以上前から繰り返されていたというのだ。精神病院というのは、身体拘束は当たり前で、人権を無視した扱いを受けるというのは、昔から言われていたことなので、この事件は氷山の一角なのかもしれない。それにしても、病院とは治療して社会復帰することを目的とすべきなのに平均入院日数が900日以上で、死ぬまで入院させている人が多いというのも酷い話だ。利益を目的とする病院経営が多いので、精神病院に限らず、やたら点滴や大量の薬物投与をしている病院も多いのが現実なのかもしれない。入院しないようにしたいものだ。

Posted by ブクログ

2025/07/06

・ 読書記録25-18 黴の生えた病棟で ルポ神出病院虐待事件 神戸新聞取材班 神戸の精神病院で実際に起きた 看護師による患者への虐待事件を 地元新聞社が追ったルポルタージュ 読むのが辛くなるような場面 怒りに震える場面 家族の気持ちを思うとつらくなり しかし 病院で看て...

・ 読書記録25-18 黴の生えた病棟で ルポ神出病院虐待事件 神戸新聞取材班 神戸の精神病院で実際に起きた 看護師による患者への虐待事件を 地元新聞社が追ったルポルタージュ 読むのが辛くなるような場面 怒りに震える場面 家族の気持ちを思うとつらくなり しかし 病院で看てもらうしかない状況 虐待した介護士達も 初めからそうした人間ではなかったとの事 過酷な介護看護状況や 病院の上層部、経営体質により いつしか患者への対応が歪んでいく 精神看護の問題 社会福祉制度の問題 何か出来ることはあるのだろうかと問うてみるが 問題の大きさに、ただただ心が痛むばかり #黴の生えた病棟で #ルポ神出病院虐待事件 #本好き #読了 #부엌독서실 #本のある暮らし

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