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サイバースペースの地政学
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サイバースペースの地政学
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商品レビュー
3.8
10件のお客様レビュー
職場同僚の紹介。 Audibleにて。 サイバースペースは仮想世界のはなしとして、どこかふわふわと世界で唯一のフラットで境界のないものを想像してしまいがちだ。 この本ではサイバースペースを実現するための最重要物理層である、データセンターおよび海底ケーブルに着目し、実際に現地で取材...
職場同僚の紹介。 Audibleにて。 サイバースペースは仮想世界のはなしとして、どこかふわふわと世界で唯一のフラットで境界のないものを想像してしまいがちだ。 この本ではサイバースペースを実現するための最重要物理層である、データセンターおよび海底ケーブルに着目し、実際に現地で取材した内容をもとに、そのようなイメージを払拭し、サイバースペースにおける地政学を講じている。 日頃デジタル技術を利用するときには意識しないが、堅実にその便利さを支えてくれているインフラに気づかせてくれるとともに、その危なっかしさを学ぶこともできる学びの多い本だった。
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それこそハヤカワ文庫から出ていた『100年予測』だっただろうか。 未来の戦争は、宇宙空間とサイバー空間の中が主戦場になる。 あっという間に決着がついてしまうだろう、といった話。 本書を読みながら、そんなことを思い出した。 ただ、自分が思っていた以上に、この問題、「物質」に縛られ...
それこそハヤカワ文庫から出ていた『100年予測』だっただろうか。 未来の戦争は、宇宙空間とサイバー空間の中が主戦場になる。 あっという間に決着がついてしまうだろう、といった話。 本書を読みながら、そんなことを思い出した。 ただ、自分が思っていた以上に、この問題、「物質」に縛られる側面があるようだ。 例えばデータセンター。 大都市から距離があると、通信のタイムラグが生まれるため、大都市近郊に設けられることが多いという。 大量の電力を食うため、送電などのインフラが整っている必要もある。 現在は衛星を使った無線通信などの新しい技術も開発されたとはいえ、海底ケーブルも通信には必要なのだとか。 そうすると、大陸に向けケーブルを通しやすく、陸揚げポイントに適した地形にある程度制約があるため、明治大正の頃に敷設された場所が現在でも重要な場所となるとのこと。 海底ケーブルの維持をする「ケーブルシップ」の活動については本書で初めて知った。 ケーブルは船の錨が当たったりすれば簡単に切れる、もろいものなのだそうだ。 ひとたび切れてしまえば、海中ロボットを使い、どこで切れているかを突き止め、つなぎなおすという超高難度なUFOキャッチャーのような作業をして直していく。 すごい技術だと思うし、このケーブルシップが能登の震災などの大災害時に、海から通信を修復すべく活躍しているという話は面白かった。 本の後半は、「地政学」と銘打つ本にあるような話。 具体的には中国が技術力と資金力でシェアを高めていることや、ロシア政府がどのようにネット監視体制を作っていったかなどだった。 本書からは知らなかったことを学ぶことができたのだが、この辺りを読んでいると、どうも気持ちが沈んでくる。
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本書によると、「サイバースペース」という言葉は、SF作家ウィリアム・ギブソンが発明したもので、物理空間との関係性の問題が成立当初から内包していたという。サイバー攻撃で特に注意しなければならないのが海底ケーブルで、これが破壊されてしまうと、インターネットに混乱をもたらす。また本書...
本書によると、「サイバースペース」という言葉は、SF作家ウィリアム・ギブソンが発明したもので、物理空間との関係性の問題が成立当初から内包していたという。サイバー攻撃で特に注意しなければならないのが海底ケーブルで、これが破壊されてしまうと、インターネットに混乱をもたらす。また本書でエストニアについて言及されるが、ソ連崩壊後、エストニアは国家主権を確立するために、ITに力をいれた。
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