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広東語の世界
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広東語の世界
¥990
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商品レビュー
4.2
9件のお客様レビュー
中国語が主専攻だった学生時代、広東語も半年ほど受講したのだが、社会人になって香港へ通うようになり、街では自分が学んだいわゆる北京語な中国語よりも英語の方が通じやすいということに衝撃を受け、もっと真面目に広東語を学んでおきたかった…という思いがこの本を読んで蘇ってきた。法則は似てて...
中国語が主専攻だった学生時代、広東語も半年ほど受講したのだが、社会人になって香港へ通うようになり、街では自分が学んだいわゆる北京語な中国語よりも英語の方が通じやすいということに衝撃を受け、もっと真面目に広東語を学んでおきたかった…という思いがこの本を読んで蘇ってきた。法則は似てても北京語とは全然違う発音も、原文不一致さも、発音も響きも面白い。広東語が共通語になれなかったのは本当に残念だが、香港アイデンティティとも言えるこの言葉は聞いていて楽しく、魅力的である。もっと広く知られて、学ぶ機会が増えるといいのにと思ってる。
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とても興味深く読んだ。チャイナタウンにおける広東語の存在感から、どちらかというととっつきやすい香港映画における広東語のフレーズに触れることで、実はいわゆる中国語とは異なるところがわかってくる。 自分は中国語初級者なのだが、音やアルファベットが意味をなしやすい日本語や英語と違い、...
とても興味深く読んだ。チャイナタウンにおける広東語の存在感から、どちらかというととっつきやすい香港映画における広東語のフレーズに触れることで、実はいわゆる中国語とは異なるところがわかってくる。 自分は中国語初級者なのだが、音やアルファベットが意味をなしやすい日本語や英語と違い、声調で言葉の違いを示す中国語の曲作りはかなり難しいのでは?と思ってた部分の一部が垣間見えた気がして、広東語の方が声調が多いからこそ、中国語よりも更に元の言語をただ訳したカバーを歌うのではなく、声調の合う言葉を歌詞に使用するというのが目から鱗であった。 また、香港の地名(駅名)も漢字表記なのにイギリス様の読みがあるところないところがあるのも興味深かった。 もっと香港映画(に限らず)で吹替デフォルトでなく字幕で観なければと決意した。
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2024年最後に読み終わった一冊。 自分にとって、新しい世界が開けた気にさせられた。 広東語は、「中国語」なのか? この問いが、知れば知るほど答えにくいものになっていく。 広東語は、広州・香港周辺で使われている言葉。 ところが、周辺にいくつもの地方方言がある。 例えば珠江デル...
2024年最後に読み終わった一冊。 自分にとって、新しい世界が開けた気にさせられた。 広東語は、「中国語」なのか? この問いが、知れば知るほど答えにくいものになっていく。 広東語は、広州・香港周辺で使われている言葉。 ところが、周辺にいくつもの地方方言がある。 例えば珠江デルタ地域西部の四つの県(四邑)である、台山・開平・新会・恩平で話されている「台山語」。 これらをまとめて「粤(えつ)語」というらしい。 では、広義の広東語を、広いとはいえ一地方の言語と言えるかというと、そうでもない。 十九世紀後半から二十世紀前半、この地域の人々がアメリカを中心に各地にわたり、チャイナタウンを形成した。 例えばアメリカでは、広東語さえできれば暮らしていけるような状態だったという。 つまり、世界的に見るとかなりプレゼンスの高い言語だったということだ。 私は中国語を学生時代少し学んでいたが、広東語の声調が六つあると聞いて、恐れをなし、近づかないでいた。 が、それは何とももったいないことだったと思い知った。 面白いと思ったのは、現在も続く広東語の「原文不一致」状態。 広東語は書くこともできる言語なのに、文章語としては官話を使うというのだ。 映画で日本でも有名になった「沒問題」の「沒」は、広東語では「有」という字の「月」の横二本の棒がない、独特の字を書く。 ところが、映画でも字幕にするとき、字こそ繁体字だけれど、大陸でも流通する「沒問題」となってしまうのだそうだ。 そして、広東語圏で育った人は、特別に普通話の教育を受けない限り、広東語の発音で漢字を読む。 いわば日本人が漢文を日本語の音読みで、直読するような状態。 言語の状況でいえば、香港はイギリスの統治下にあった時期があるので、英語との地位関係も面白い。 高等教育は英語でされるため、普通話ができることより、英語を使うことの方がプライオリティがある。 こういったこみいった話だが、映画や広東料理、ポップソングなど、身近な事例がふんだんに出てきて、楽しく読み進められる。 一度香港に行ってみたいなあ、という気にさせられた。
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