商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2024/06/17 |
JAN | 9784103557111 |
- 書籍
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がん征服
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商品レビュー
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私には、ノンフィクションで「この作家の本は必ず手に取る」と決めている著者が何人かいるのですが、本書の著者下山進氏はその一人です。 今回、下山氏がとりあげるのは癌治療。現在、癌の標準治療として国際的に認知されているのは、外科手術、抗癌剤、放射線の3方法です。本書冒頭で紹介されている...
私には、ノンフィクションで「この作家の本は必ず手に取る」と決めている著者が何人かいるのですが、本書の著者下山進氏はその一人です。 今回、下山氏がとりあげるのは癌治療。現在、癌の標準治療として国際的に認知されているのは、外科手術、抗癌剤、放射線の3方法です。本書冒頭で紹介されている「膠芽腫」という癌は”最も難しい癌”と呼ばれ、平均余命はたったの15か月しかありません。発見されて、速やかに外科手術を行っても、みるみる再発し、そして死に至るという経過をたどります。この膠芽腫に、上記の標準治療以外の方法で挑んだ関係者を、丹念に描いたノンフィクションです。 採り上げられる治療法は、ホウ素中性子補足療法、光免疫療法、ウィルス療法の3つです。それぞれの治療法の詳細の説明はレビューでは割愛しますが、本書はそれぞれの治療法の開発の部分よりは、それが厚生労働省の治験を、いかにクリアしようとしているのか、というプロセスに重点を置いています。 癌の治療には様々な民間療法(”○○でみるみる癌が消える”みたいなうたい文句のやつ)が存在します。しかしそれらは厳密な治験を経て効果が確認されておらず、その治験をクリアしたのが冒頭の3療法です。しかし治験の基準は本書を読むと厳密に科学的に進められるだけではなく、時の政権の方針や、研究者の政治力など、科学的な側面以外の部分が大きく寄与していることが分かります。そういう医療の政治的な部分と、現場の関係者が不治の病に向き合って開発に携わる科学的な部分と、非常にバランスよく、また両者を密接に関わりを持って描いているノンフィクションでした。 癌や免疫に関する知識がそれほどなくても、読み通せると思います。光免疫療法では、楽天の三木谷氏が非常に重要なキーパーソンとなるのですが、どういう関わりで登場するのかは、是非本書を手に取って読んでみてください。 今後、これらの3療法が、どのような経過をたどるのか、興味を掻き立てられる医療ノンフィクションで、今回も下山氏の手による本という期待を裏切らない内容でした。
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p149 BNCT ホウ素中性子捕捉療法 2018 関西BNCT共同医療センター 総合南東北病院 郡山市に本部 理事長渡辺一夫 脳外科医 p170 小林久隆 IR700をつけたEGFR抗体 アキャルックス p220 デンカ 五泉事業所新潟工場 G47Δ デリタクト 第一三共...
p149 BNCT ホウ素中性子捕捉療法 2018 関西BNCT共同医療センター 総合南東北病院 郡山市に本部 理事長渡辺一夫 脳外科医 p170 小林久隆 IR700をつけたEGFR抗体 アキャルックス p220 デンカ 五泉事業所新潟工場 G47Δ デリタクト 第一三共 藤堂具紀 東大医科研のみ p223 光免疫療法をやる資格を持った医師 全国で130 (2023末) p240 小林 楽天メディカルとの経済的な利害関係がないようにしている 関西医大に付属光免疫医学研究所 2022/4 大学からの報酬は受け取らない 小林はNIHの研究者であり、国家公務員だから p225 光免疫療法では、照射後の一定期間は120ルクス以上あげていはいけないとされていた。これは商社が終わったとおIR700が反応しないようにといういみがある。120ルクスとは夜道の街灯の下ぐらいの明るさだ。 楽天メディカルはIR700が反応する687ナノメータの波長の光をカットした読書灯を開発して供給を始める p238 局所進行再発頭頚部癌で投与をするアキャルックスと違うのは、アキャルックスが、がんそのっものが発する抗原をターゲットにし、がんそのものを殺していくに対して、こちらの知見では免疫を抑制する細胞を殺そうとしている点だ p245 がん攻略の歴史 2000-2010年代 3つのブレークスルー 1 がんが成長するのに必要な血管を、健康な細胞に作らせる回路を遮断する 血管新生阻害剤 2 がんの発する抗原に対するモノクローナル抗体をつくりそれに抗がん剤などの治療薬にのせて投与する分子標的薬 3 京大の本庶佑の発見により開発された免疫チェックポイント阻害剤。これは免疫を抑える役割を果たしている抗原をブロックすることで、本来T細胞が持っている免疫力を高めてがんを退治する方法
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