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ガザ日記 ジェノサイドの記録
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ガザ日記 ジェノサイドの記録

アーティフ・アブー・サイフ(著者), 中野真紀子(訳者)

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ガザ日記 ジェノサイドの記録

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 地平社
発売年月日 2024/05/31
JAN 9784911256060

ガザ日記

¥3,080

商品レビュー

4.3

11件のお客様レビュー

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2024/11/05

”ガザの人がみんな学ぶことだ。自分がロケットの標的になった時は、飛んでくる音は聞こえない。死だけが来る。いきなり死ぬのだ。”(P.115,DAY17,2023年10月23日) ”最も幸せな瞬間は、目を覚ました時、自分の身体をつかみ、ちゃんと揃っていることを確認し、それからへ部屋...

”ガザの人がみんな学ぶことだ。自分がロケットの標的になった時は、飛んでくる音は聞こえない。死だけが来る。いきなり死ぬのだ。”(P.115,DAY17,2023年10月23日) ”最も幸せな瞬間は、目を覚ました時、自分の身体をつかみ、ちゃんと揃っていることを確認し、それからへ部屋を見渡したときだ。”(P.120,DAY18,2023年10月24日) 著者はガザ地区の難民キャンプ生まれの作家であり、パレスチナ自治政府の文化大臣を務めている。たまたま帰省した実家で10月7日を迎え、エジプトに脱出する85日後までイスラエルからの攻撃に巻き込まれてしまった。 生をあきらめ、死に触り続ける毎日は、私には堪えられないだろう。それでも著者はエジプトに脱する時、ガザに残った親族に対する思いから、脱出したことを後悔する。 "泣きながら一気に読みました"とは、私がティーンの頃大ヒットした『世界の中心で愛を叫ぶ』の帯に、柴咲コウが寄せた一言である。あまりにインパクトが強く、内容もさることながらこの言葉も鮮明に記憶に残っている。しかし人間は、ある一定程度の悲しみや不条理を突き付けられたとき、泣くこともできないし、一気に読むこともできないことを、この本を読んで理解させられた。

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2024/10/15

「彼らは統計報告の数字ではない。彼らは人間であり、人間の形をしたたくさんの物語の束なのだ。そこには愛と希望、痛みと失望、奪われた未来などの、限りなく複雑な物語がある。これらの物語こそ、ニュースが伝えるべき本当の話題のはずだ。それなのに、私たちが見せられるのは、政治的ジェスチャーの...

「彼らは統計報告の数字ではない。彼らは人間であり、人間の形をしたたくさんの物語の束なのだ。そこには愛と希望、痛みと失望、奪われた未来などの、限りなく複雑な物語がある。これらの物語こそ、ニュースが伝えるべき本当の話題のはずだ。それなのに、私たちが見せられるのは、政治的ジェスチャーのグロテスクな茶番劇だけであり、道徳がただの空虚なパフォーマンスとして現実の出来事から切り離された世界なのだ。」

Posted by ブクログ

2024/10/10

ガザでの戦争の記録。著者は15歳の息子とともにガザを訪れ、その後の避難生活を命がけで書き綴る。ガザの人々が直面する日常的な暴力や破壊、そしてその中での生き抜くための苦闘。但し、戦争の理由については、イスラエルとパレスチナの長年にわたる対立という、諦観にも似た解釈であり、そこへの掘...

ガザでの戦争の記録。著者は15歳の息子とともにガザを訪れ、その後の避難生活を命がけで書き綴る。ガザの人々が直面する日常的な暴力や破壊、そしてその中での生き抜くための苦闘。但し、戦争の理由については、イスラエルとパレスチナの長年にわたる対立という、諦観にも似た解釈であり、そこへの掘り下げは深くない。つまり、戦争を考える本ではなく、ガザでの戦場のリアルな状況や日常生活の苦難を描写することに重点を置く。作者自身の体験を通じて、戦争の悲惨さやその影響を生々しく伝えるというコンセプトの本だ。 これぞまさに、市民目線であり、理由など関係なく、彼らは巻き込まれたのだ。無力さと悲惨さを同時に感じ、一方でそうした「リアルな戦場」を伝えることで、読者の感情を揺さぶるような、出版社にはある種のカモフラージュも見え隠れする。戦争とは悲惨なものである。だから、それを起こしているものは悪者だ。確かにその通りだが、短絡的な決めつけは危険である。それとこれは本来単純には繋がらない。戦争は悲惨である。まずはそれを理解することが大事だ。 ー イギリスの出版社に命がけで届けた戦場と喪失の圧倒的記録 イギリスは第一次世界大戦後、パレスチナを委任統治。この期間中、イギリスはバルフォア宣言(1917年)を発表し、パレスチナにユダヤ人の「国家的郷土」を設立することを支持している。1947年、国連はパレスチナ分割案を採択し、ユダヤ人国家とアラブ人国家を設立することを提案し、アラブ側はこれを拒否。1948年にイギリスがパレスチナから撤退し、イスラエルが独立を宣言した後、第一次中東戦争が勃発し、多くのパレスチナ人が追放された。イギリスの政策と行動は、ナクバの発生に大きな影響を与えている。三枚舌外交の首謀者ではないか。ただ、それと今回の問題の関係を強引に繋げて、だからイスラエルも被害者だというつもりはないが。 ー 暗く恐ろしい夜だった。昨夜、バプテスト病院[アハリー・アラブ病院]で五〇〇人以上が殺された。五〇〇人だ。彼らはよその場所にいても死んだかもしれない。だが彼らは、生存と未来を求めて病院という聖域に逃げ込んだのだ。病院が国際法によって保護されていることをイスラエル人も知っていると、勘違いしていたのだ。そんなことはお構いなしに彼らは殺され、全滅した。 この病院は一五〇年以上も前、英国によって、というか英国国数会によって建てられた。昔はイギリス病院と呼ばれていた。私は一〇代のころ第一次インティファーダで狙撃され、この病院のイギリス人の外科医によって命を救われた。この場所のことを考えて眠れなかった。教会に面した病院の庭の芝生で寝ていた子どもたちは、ダークブルーの空の下で、身を守ってくれるのは、わずかに散らばる雲だけだった。 ー 消灯された部分にいると、曇り空の暗闇で、何も見えなくなる。 このような明かりは、地上にいる兵士の視界を明瞭にするために、ドローンから照射されていた。イスラエル軍によるガザ地区へのハイテク監視はもう二〇年以上前から続いている。光学、赤外線、無線とありとあらゆるレンジのさまざまな装置を使って、ガザ地区を隅から隅まで監視しているらしい。監視気球が境界壁の上に漂っている。境界線に沿った緩衝地帯には監視カメラがワイヤーにぶら下がっている。水平線からは軍艦が監視しているし、とりわけ重要なドローン監視機は、非常にたくさんの数が、昼夜を問わず上空をパトロールしている。この「デジタル占領」は、そんなに侵略的ではないと思われるかもしれない。しかし、イスラエル軍は境界壁の向こうにいたとしても、彼らの情報収集活動はガザ地区の奥深くまで浸透している。 それとは対照的に、パレスチナ人は何も持っていない。空軍はなく(滑走路さえない)、海軍も、ハイテク機器もない。私たちがこうしたものを持つことは許されていない。そうすると、次の疑問が浮上するーどこまで非対称な関係になれば、その戦闘行為はもはや「戦争」とは呼べなくなるのか?そんなものは、ただの虐殺だ。 被害者は国ではなく市民である。そして、この本は市民の記録である。

Posted by ブクログ

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