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娘が母を殺すには?
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娘が母を殺すには?

三宅香帆(著者)

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娘が母を殺すには?

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 PLANETS/トランスビュー
発売年月日 2024/05/15
JAN 9784911149010

娘が母を殺すには?

¥2,420

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

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2024/06/28

大学生長女のおすすめにて。娘は地元の図書館の新着図書で借りて読んでいるらしいが、当地の市立図書館にはまだ入っていないし、同じ著者でおもしろく読んだ「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」(集英社新書)と裏表の文芸評論なのだと聞けば手元においてもいいかなと思えて入手。

Posted by ブクログ

2024/06/17

「母を殺す」という表現は勿論実際に絶命させるという意味ではなく、「娘が母からの呪縛から解き放たれる」という比喩。本作は、この国の小説や漫画、映像作品が如何にして母殺しを社会に訴えかけてきたかを70年代から現代作品まで追いながら推察しつつ、最終的に著者なりの母殺しハウツーまで提言す...

「母を殺す」という表現は勿論実際に絶命させるという意味ではなく、「娘が母からの呪縛から解き放たれる」という比喩。本作は、この国の小説や漫画、映像作品が如何にして母殺しを社会に訴えかけてきたかを70年代から現代作品まで追いながら推察しつつ、最終的に著者なりの母殺しハウツーまで提言するという社会学モノ。 最近読んだ作品でも『統合失調症の一族』『黄色い家』『くるまの娘』『ひかりのとこにいてね』あたりは全て母娘の関係を示しているし、妻や義理の妹の母親との関係性を見ていると「ソフトな呪縛」とでも言えるような見えない鎖が繋がれていると以前から感じてたので、テーマそのものにとても興味があった。 いきなり核心に触れるが、本作では、母の呪縛がこの国の問題となっている原因が、結局脈々と続く家父長制が根底にあると訴えている。 まず母の視点で言うと、モーレツサラリーマンである夫が普段家庭にいないことから、自ずと娘をパートナーとして位置付ける。 そして娘は娘で同じく夫が家庭にいないことから、出産時に里に帰り母を頼る。あるいは女性の社会進出が進まず給与の良い職に就けないがために、やはり里に帰り母を頼る。 雇用機会の平等を謳いつつ、その実ほぼ進んでない肌感からすると、上記ロジックはとても腑に落ちる。 じゃあ現代における母親殺しを解決するにはどうすればいいかってことやけど、終章で「母と娘以外の第三者を介入させる」とある。第三者は恋人や子どもでもいいし、何なら趣味や仕事といったモノ・コトでもよい。要するに二者にとって無関係な異物を鎖の中に挟むことで、鎖の締め付ける力を緩める、といったイメージ。 これはある程度予想できた。経験上(母/娘に限らず)物事の縛りは別の要素が挟むことによって緩むということはよくある。簡単に言うと「別の事象に興味が映る」というか。 けど第三者の介入って、体力の要る作業。ホントに渦中の渦中にいる人たちは、自らの力でそれを強引に挟ませるのは難しいよなぁ、、とも感じる。そういう時はやっぱり、その人たちを守るシステムが重要。結局は家父長制を壊して制度を充実させる必要があるという、ジェンダーの問題に帰着するんだろう。 知ってることも多かったけど、紹介される作品は(特に90年代以前の漫画とか)どれも興味深くて読んでみたくなった。

Posted by ブクログ

2024/05/16

敢えてのセンセーショナルなタイトルなタイトルと装丁にまず拍手。時代を綺麗になぞりながら、今まで様々な作品で描かれてきた「母殺し」の物語を重すぎない文体で批評してゆく。母の代わりを求めることの困難さや、母娘問題における夫の不在とそこに潜むジェンダーギャップの問題、二項対立への挑戦な...

敢えてのセンセーショナルなタイトルなタイトルと装丁にまず拍手。時代を綺麗になぞりながら、今まで様々な作品で描かれてきた「母殺し」の物語を重すぎない文体で批評してゆく。母の代わりを求めることの困難さや、母娘問題における夫の不在とそこに潜むジェンダーギャップの問題、二項対立への挑戦など、特に母娘における毒親問題における論点を分かりやすく網羅している印象。「母殺し」の達成方法も、他者との関わりの中で新たな規範を見つけ、母の規範を相対化するという現実的かつ絶縁などの極端なものではないもので良いのではないかと。広い世界に出るということ。ただ、読者層を広く取ったからか、二項対立の超克や脱構築の話を最後に出したにしては、関係構築にあたり生じそうな自他境界の曖昧さや、アイデンティティの問題に踏み込めていない印象だった。欲望を自覚するという結論は精神分析を踏まえたものなのだろうが、どうせならラカン的にズレにどう対処するかまで言いきってほしかったり。呪いの力は思ったより辛いので、一旦誰かを犠牲にしないと救われないというのは新たな暴力な気もする。あとこれは今まで読んできたほとんどの本がそうなのだが、毒親の「毒」という言葉の持つグロテスクさについて踏み込みが甘い。 私が毒親を知るのに最適の本として姫野カオルコの『謎の毒親』と押見修造の『血の轍』を挙げるのは毒親のグロテスクさ、奇妙さを描ききっているから。

Posted by ブクログ

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