商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2024/05/20 |
JAN | 9784488134129 |
- 書籍
- 文庫
ワインレッドの追跡者
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ワインレッドの追跡者
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商品レビュー
3.8
11件のお客様レビュー
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シリーズ第四弾。 〈ライト・ソート結婚相談所〉を営むアイリスは、ある日通勤中にワインレッドのコートを着た女性に尾行されていると気付きます。 しかも帰宅すると、元恋人で情報部員のアンドルーが部屋にいて、しばらくこの部屋に潜伏するとのこと。(部屋の家賃支払いはアンドルーがしている為アイリスは強く出れない) 仕方なくアイリスは共同経営者のグウェンの家に泊めてもらうことにしますが、その二日後アイリスの部屋から女性の死体が発見されて・・。 ・・と、上記のあらすじは本書の裏表紙&扉ページにも同様の内容が書かれているので、ネタバレではない・・と言いたいのですが、何気に物語の冒頭部のネタバレ?みたいになっているんですよね(汗)。 自分でも書いておいて何ですが、せっかく秀逸な“つかみ”なのに勿体ないなー・・と思った次第です。 ま、それはいいとして(良くないかw)、自分の部屋で謎の女性の死体が発見されたことから、警察に容疑者としてマークされてしまったアイリス。 しかも部屋に滞在していたはずの元カレ・アンドルーが行方不明になってしまった為、一体何が起きているのか、アイリスは真相解明に乗り出す事に。 ただ、今回は相棒のグウェンが息子、リトル・ロニーの親権奪回の大事な時期で、“厄介ごと”に関わりたくないという事情がありアイリスの“調査”に協力できず、元上司の准将や今カレのアーチーにも助けてもらえない為(この辺アーチーってドライですよね・・)、アイリスは孤軍奮闘する羽目になってしまいます。 さて、探っていく内に殺されたポーランド人女性がソ連のスパイだった可能性が判明し、気づいたら警察だけでなく、英国&ソ連の情報部からも目を付けられてしまうアイリス。 戦後の英国とソ連そしてポーランドの関係や諸事情も興味深く描かれていて、“これは、国際レベルの大ごとなのか・・?”と、ハラハラしながら読ませて頂きました。 と、これだけ緊張させる展開だったのに、結局真相は超個人的な件で、早い話“アンドルーがクズ過ぎた”ってことだったのですが(汗)、ここに至るまでのアイリスの元スパイのスキルを発揮しまくりの活躍と、何だかんだで結局アイリスに協力しちゃうグウェンの健闘ぶりがカッコ良くて、やっぱり二人は最高のバディなんだなー・・と増々アイリス&グウェンに魅了されてしまいました。 そんな素敵な二人を巡る男性たちについて、解説でまとめてくれているのですが、ここでもアンドルーが“クズ男”とバッサリ切られているのには、ついニヤついちゃいましたね。 ということで、惹き込まれるストーリーと魅力的なキャラが織りなすテンポの良い会話が魅力の当シリーズ。 勿論、今回も堪能させて頂きました・・が、ラストがアイリスの“急にどうした?”と言いたくなる爆弾発言で終わってしまったので、続きが気になって仕方がない私です~。
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続巻が楽しみなシリーズ。 少し前に読んで大分感想を書くのを忘れていたので、少し思い出しながら。 今回はヒロインの片方の過去の男の話だった。そうだった。人間生きていれば色々あるし、あの時違う決断をしていたら今は…と思う事もあるよなぁなんて思いながら読みました。まぁでも不倫相手はあ...
続巻が楽しみなシリーズ。 少し前に読んで大分感想を書くのを忘れていたので、少し思い出しながら。 今回はヒロインの片方の過去の男の話だった。そうだった。人間生きていれば色々あるし、あの時違う決断をしていたら今は…と思う事もあるよなぁなんて思いながら読みました。まぁでも不倫相手はあまり逃して惜しかった男でもないかな、と思ったり。 お貴族様のヒロインの方は、旦那の弟?になるのかな?の子供と少しつながりが出来た感じ。自立はしたいというものの、今まで乳母日傘で買い物も洗濯も料理も(多分掃除も)したことの無い人が手のかかる子供を抱えて一人暮らしが出来るのだろうか、と本人以上に読者も不安に思ったり。女性の社会進出が難しかった時代背景だからなおの事。 という訳で続巻も楽しみです。
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- ネタバレ
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またまた司書さんから借りた本、シリーズの途中からです。 しかし今までは割と、スムーズに作品世界に入れたのに、今回はてこずりました。 というのも、人間関係が割と複雑なのに、それは既知のこととして話が進んでいくので、私としては手探りで読むしかない。 だからしばらく、時代が現在ではなく第二次大戦直後であることに気が付かなかった。 主人公の一人であるアイリスは、元情報部員ということで、たとえ現在の事業の共同経営者であるグウェンにであろうと、話せないことは話せない。 読者にも伏せられている謎なのか、私だけが知らない事実なのかがわからないのに、ストーリーはほぼ会話だけの本文により、テンポよくサクサク進んでいく。 置いてきぼり感ハンパない。 これはさすがに無理かなあと思いつつ読み進めて、ようやく流れに乗ってきたのが、殺人事件が起こった後。 これに関する謎は、さすがに読者に均等に与えられるわけで、頭のふり絞りがいがあるというもの。 アイリスについてわかっているのは、戦争中は情報部で働いていたこと。 落下傘兵になることができずに生き残ってしまったことが、ずっと負い目として心に残っていること。 背は低い。 情報部員として有能だったけれど、なぜかしら今は結婚相談所を経営していること。 今回彼女を事件に引きずり込んだ元カレに未練はないが、自分が振った元婚約者には未練がありそうなこと。 しかし現在闇屋のボスであるアーチ―という彼がいること。 共同経営者のグウェンについては、夫と死に別れたこと。 幼い息子がいること。 しかし夫の死を知った時に自殺を図ったことで、精神的に問題ありとされ、財産管理と息子の監督権を夫の実家に奪われ、やむなく上流階級である夫の実家に息子と暮らしていること。 それを取り戻そうと訴訟の準備をしていること。 実家とはうまくいっていないこと。 これらを複雑に絡ませながら、危機に陥ったり危機から脱出したりして、それぞれが自分のできることにベストを尽くすことで事件を解決。 ここがいいと思ったのね。 相談もするけれど、基本的には個別に「自分はいま何をすべきか、何ができるのか」を考えて行動する。 ロンドンの夜はまだ暗く、女性が一人で歩くには危険な時代。 食料もまだ配給で、携帯電話もパソコンもないけれど、調査したり伝達したりするすべを持っている。 最初は国際紛争と情報部の話だと思った。 ポーランドからの移民やロシアのスパイのことが結構語られていたから。 だとしたらちょっと難しいなあと思った。 何しろ国際紛争とスパイと言えば、『エロイカより愛をこめて』止まりだからなあ。 と思ったら、解説で、シリーズ2作目が、まんま『エロイカより愛をこめて』だというので、こりゃあ遡って読まにゃあいかんな、と思った次第。
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