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ワインレッドの追跡者 の商品レビュー

3.8

11件のお客様レビュー

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2024/10/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

シリーズ第四弾。 〈ライト・ソート結婚相談所〉を営むアイリスは、ある日通勤中にワインレッドのコートを着た女性に尾行されていると気付きます。 しかも帰宅すると、元恋人で情報部員のアンドルーが部屋にいて、しばらくこの部屋に潜伏するとのこと。(部屋の家賃支払いはアンドルーがしている為アイリスは強く出れない) 仕方なくアイリスは共同経営者のグウェンの家に泊めてもらうことにしますが、その二日後アイリスの部屋から女性の死体が発見されて・・。 ・・と、上記のあらすじは本書の裏表紙&扉ページにも同様の内容が書かれているので、ネタバレではない・・と言いたいのですが、何気に物語の冒頭部のネタバレ?みたいになっているんですよね(汗)。 自分でも書いておいて何ですが、せっかく秀逸な“つかみ”なのに勿体ないなー・・と思った次第です。 ま、それはいいとして(良くないかw)、自分の部屋で謎の女性の死体が発見されたことから、警察に容疑者としてマークされてしまったアイリス。 しかも部屋に滞在していたはずの元カレ・アンドルーが行方不明になってしまった為、一体何が起きているのか、アイリスは真相解明に乗り出す事に。 ただ、今回は相棒のグウェンが息子、リトル・ロニーの親権奪回の大事な時期で、“厄介ごと”に関わりたくないという事情がありアイリスの“調査”に協力できず、元上司の准将や今カレのアーチーにも助けてもらえない為(この辺アーチーってドライですよね・・)、アイリスは孤軍奮闘する羽目になってしまいます。 さて、探っていく内に殺されたポーランド人女性がソ連のスパイだった可能性が判明し、気づいたら警察だけでなく、英国&ソ連の情報部からも目を付けられてしまうアイリス。 戦後の英国とソ連そしてポーランドの関係や諸事情も興味深く描かれていて、“これは、国際レベルの大ごとなのか・・?”と、ハラハラしながら読ませて頂きました。 と、これだけ緊張させる展開だったのに、結局真相は超個人的な件で、早い話“アンドルーがクズ過ぎた”ってことだったのですが(汗)、ここに至るまでのアイリスの元スパイのスキルを発揮しまくりの活躍と、何だかんだで結局アイリスに協力しちゃうグウェンの健闘ぶりがカッコ良くて、やっぱり二人は最高のバディなんだなー・・と増々アイリス&グウェンに魅了されてしまいました。 そんな素敵な二人を巡る男性たちについて、解説でまとめてくれているのですが、ここでもアンドルーが“クズ男”とバッサリ切られているのには、ついニヤついちゃいましたね。 ということで、惹き込まれるストーリーと魅力的なキャラが織りなすテンポの良い会話が魅力の当シリーズ。 勿論、今回も堪能させて頂きました・・が、ラストがアイリスの“急にどうした?”と言いたくなる爆弾発言で終わってしまったので、続きが気になって仕方がない私です~。

Posted byブクログ

2024/09/17

続巻が楽しみなシリーズ。 少し前に読んで大分感想を書くのを忘れていたので、少し思い出しながら。 今回はヒロインの片方の過去の男の話だった。そうだった。人間生きていれば色々あるし、あの時違う決断をしていたら今は…と思う事もあるよなぁなんて思いながら読みました。まぁでも不倫相手はあ...

続巻が楽しみなシリーズ。 少し前に読んで大分感想を書くのを忘れていたので、少し思い出しながら。 今回はヒロインの片方の過去の男の話だった。そうだった。人間生きていれば色々あるし、あの時違う決断をしていたら今は…と思う事もあるよなぁなんて思いながら読みました。まぁでも不倫相手はあまり逃して惜しかった男でもないかな、と思ったり。 お貴族様のヒロインの方は、旦那の弟?になるのかな?の子供と少しつながりが出来た感じ。自立はしたいというものの、今まで乳母日傘で買い物も洗濯も料理も(多分掃除も)したことの無い人が手のかかる子供を抱えて一人暮らしが出来るのだろうか、と本人以上に読者も不安に思ったり。女性の社会進出が難しかった時代背景だからなおの事。 という訳で続巻も楽しみです。

Posted byブクログ

2024/08/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

またまた司書さんから借りた本、シリーズの途中からです。 しかし今までは割と、スムーズに作品世界に入れたのに、今回はてこずりました。 というのも、人間関係が割と複雑なのに、それは既知のこととして話が進んでいくので、私としては手探りで読むしかない。 だからしばらく、時代が現在ではなく第二次大戦直後であることに気が付かなかった。 主人公の一人であるアイリスは、元情報部員ということで、たとえ現在の事業の共同経営者であるグウェンにであろうと、話せないことは話せない。 読者にも伏せられている謎なのか、私だけが知らない事実なのかがわからないのに、ストーリーはほぼ会話だけの本文により、テンポよくサクサク進んでいく。 置いてきぼり感ハンパない。 これはさすがに無理かなあと思いつつ読み進めて、ようやく流れに乗ってきたのが、殺人事件が起こった後。 これに関する謎は、さすがに読者に均等に与えられるわけで、頭のふり絞りがいがあるというもの。 アイリスについてわかっているのは、戦争中は情報部で働いていたこと。 落下傘兵になることができずに生き残ってしまったことが、ずっと負い目として心に残っていること。 背は低い。 情報部員として有能だったけれど、なぜかしら今は結婚相談所を経営していること。 今回彼女を事件に引きずり込んだ元カレに未練はないが、自分が振った元婚約者には未練がありそうなこと。 しかし現在闇屋のボスであるアーチ―という彼がいること。 共同経営者のグウェンについては、夫と死に別れたこと。 幼い息子がいること。 しかし夫の死を知った時に自殺を図ったことで、精神的に問題ありとされ、財産管理と息子の監督権を夫の実家に奪われ、やむなく上流階級である夫の実家に息子と暮らしていること。 それを取り戻そうと訴訟の準備をしていること。 実家とはうまくいっていないこと。 これらを複雑に絡ませながら、危機に陥ったり危機から脱出したりして、それぞれが自分のできることにベストを尽くすことで事件を解決。 ここがいいと思ったのね。 相談もするけれど、基本的には個別に「自分はいま何をすべきか、何ができるのか」を考えて行動する。 ロンドンの夜はまだ暗く、女性が一人で歩くには危険な時代。 食料もまだ配給で、携帯電話もパソコンもないけれど、調査したり伝達したりするすべを持っている。 最初は国際紛争と情報部の話だと思った。 ポーランドからの移民やロシアのスパイのことが結構語られていたから。 だとしたらちょっと難しいなあと思った。 何しろ国際紛争とスパイと言えば、『エロイカより愛をこめて』止まりだからなあ。 と思ったら、解説で、シリーズ2作目が、まんま『エロイカより愛をこめて』だというので、こりゃあ遡って読まにゃあいかんな、と思った次第。

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2024/08/23

CL 2024.8.20-20248.23 戦後のロンドンで結婚相談所を経営するアイリスとグウェンのシリーズ。 今回はかなりスパイ色が濃いスターリー。真相は別として。 軽やかで粋な軽口の言い合いが大きな魅力。 シリーズとともにふたりそれぞれの人生も進んでいると思ったら、ラストのア...

CL 2024.8.20-20248.23 戦後のロンドンで結婚相談所を経営するアイリスとグウェンのシリーズ。 今回はかなりスパイ色が濃いスターリー。真相は別として。 軽やかで粋な軽口の言い合いが大きな魅力。 シリーズとともにふたりそれぞれの人生も進んでいると思ったら、ラストのアイリスは何?

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2024/08/22

登場人物たちの人生のステージが移っていくのをみられるの、シリーズものの醍醐味だね。 ラストはそうなの?!と思ったけど…

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2024/08/18

楽しくも、ちょっと骨太な話を読みたい人におすすめである。 まず、「楽しい」と感じるのは、キャラクターたちの織り成す人間関係のドラマだ。 元彼と今彼が偶然にも鉢合わせしてしまい、一触即発の緊張感が漂う―― まるで少女漫画やドラマでよく見かける「あわや…!」の瞬間である。 当事者に...

楽しくも、ちょっと骨太な話を読みたい人におすすめである。 まず、「楽しい」と感じるのは、キャラクターたちの織り成す人間関係のドラマだ。 元彼と今彼が偶然にも鉢合わせしてしまい、一触即発の緊張感が漂う―― まるで少女漫画やドラマでよく見かける「あわや…!」の瞬間である。 当事者になってみたいような、みたくないような、このドキドキ感、想像できるだろうか? 元彼、今彼だけではない。 元婚約者、友人、知人、協力者、敵役・・・・・・ アイリスは、女性ながらケンブリッジ大学にいた優秀な人物なのだが、どうしても「はすっぱ」な印象がある。 はすっぱさんだけに、関わる男性も数多く、しかも皆優秀で、恋愛模様が交錯するシーンには、苦笑しつつも、「どうなるの?」と目が離せない。 「骨太」と表現したくなるのは、表紙のデザインからは予想できないだろうが、この物語の深層にあるスパイものとしての側面である。 舞台は戦後のロンドン。 物語にはポーランドやソヴィエト連邦といった国々も絡んで、国際的な緊張感が物語を彩る。 この部分は、現代のロシアとウクライナの関係にも通じるものがあり、歴史的な背景を知っているとさらに深く楽しめる要素だ。 歴史に詳しい読者なら、「これは大学で講義ができるレベルだな」と思うだろう。 講義なら半年、卒論のテーマに選ぶ人もいるかもしれないなあ。 とはいえ、詳細な知識がなくても心配は無用! 私はこの辺りの知識がまったくない状態で読みましたが「何かややこしい事情があるんだな」と雰囲気で察するだけでも十分楽しめた。 作品の持つ雰囲気と緊張感が、知識の有無を超えて読者を引き込んでくれるといおうか。 この1巻だけを読むことはおすすめしない。 登場人物がややこしい上に、それぞれの関係がややこしくて、「誰?」と何度も混乱することが約束されているからだ。 アイリスの元彼、今彼、元婚約者、友人、知人、協力者、そして敵役―― グウェンの夫、息子、舅、姑、実は叔父、その伯父―― ほらややこしい! シリーズを1巻から読むことを強くおすすめする。 続けて読むことでより一層物語に没頭できると約束する。 巻末の解説は必読! アイリスやグウェンの過去の男性関係について、辛口の一言が並ぶ。 「この人はどうかと思うの」 「私はこの人がいいと思ったんだけどね……」といった、誰かの恋愛事情をあれこれ語るような、友人同士の会話のような気分が味わえる。 人間関係のドラマにハマりたい方も、歴史的な背景に興味がある方も、どちらの読者にもおすすめである。 Amazonのレビューを見て驚いたのだが、「面白くなかった」と書くレビューが、シリーズを通して1つもないのだ。 シリーズを通して読むことで、この物語の魅力は存分に味わえる!

Posted byブクログ

2024/07/23

浮かばれない被害者だが、本業そっちのけで、暮らしていけないだろ。収入の得られる探偵ごっこにして欲しいもの。

Posted byブクログ

2024/07/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ロンドン謎解き結婚相談所第四弾。 グウェンもアイリスも嘘をつくのが上手い。 アイリスは元スパイだから当然として、グウェンは上流階級だから。 嘘というか建前というか、美辞麗句や皮肉は日常茶飯事。 暴力が排除された世界では、言葉こそ武器。 全く今回の話には関係ないがそんなことを考えてしまった。 さて、アイリスがアパートの部屋で殺されたところから話は始まるが、 当然本人ではないだろうという安心感がある。 殺されたのは結婚相談所に来た女性で、妊娠しており入会はお断りしていた。 子供の父親はアイリスの元恋人なのか。 グウェンは息子の監護権を取り戻す渦中のため、 一度は殺人事件に関わるのを断るが、 アイリスが警察に捕まったためスパイ顔負けの情報活動をする。 実際に開催された「英国の創造力」展の場面にはあまり興味が持てなかったが、 殺人事件は思ったより2人に関わっていて面白かった。 グウェンはアイリスの友人サリーと食事に行き、 アイリスは元婚約者の刑事をまだ愛していることに気がつく。 さてさてどうなることやら。 警部が2人と2ペンスの賭けをして負けるところや、 グウェンがアイリスから預かったナックルダスターをゆっくりとはめてみる場面、 張り込みの刑事の注意を引くために頬を二回もたたいた場面が面白かった。

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2024/06/30

戦後ロンドン。〈ライト・ソート結婚相談所〉の経営者アイリスは、通勤中にワインレッドのコートを着た女に尾行されていると気づく。戦時中の情報部での活動に関係している? しかも帰宅すると、同じく情報部員だった元恋人が部屋に来ていた。しばらくここに潜伏すると彼が言ったため、アイリスはグウ...

戦後ロンドン。〈ライト・ソート結婚相談所〉の経営者アイリスは、通勤中にワインレッドのコートを着た女に尾行されていると気づく。戦時中の情報部での活動に関係している? しかも帰宅すると、同じく情報部員だった元恋人が部屋に来ていた。しばらくここに潜伏すると彼が言ったため、アイリスはグウェンの家に泊めてもらう。2日後、アイリスの部屋から若い女性の死体が発見されて・・・。 楽しみにしていたシリーズ。わくわくしながら最後まで一気読みしました!面白かった!!アイリスとグウェンが珍しく意見の食い違いで別行動するんだけど、それでも結局は相手を守ろうと全力で行動するのが尊い。グウェンにはついに新しい友人が!?と思いきや意外な展開に。アンドルーってまじでクソ男すぎる。アーチー、いいと思うんだけどな。ギャングだからこのままくっつかないのかな。主役二人は控えめな展開だけど、その分二人の絆は特別な感じ。グウェンが独立するために一歩ずつ進んでいるところも本筋とは逸れるけれど応援したくなる。おすすめの女性バディものです。

Posted byブクログ

2024/06/15

アイリスのフラットで女性の遺体が見つかるところから始まり、助けのない逃走劇が始まる。 解説のアンドルーこき下ろしぶりに共感。 グウェンもアイリスも、着実に進んでいる。 ドクター・ミルフォードとのセッション、ふたりの現在地が分かって良い。 表紙に今回もサー・オズワルドがいる!!本...

アイリスのフラットで女性の遺体が見つかるところから始まり、助けのない逃走劇が始まる。 解説のアンドルーこき下ろしぶりに共感。 グウェンもアイリスも、着実に進んでいる。 ドクター・ミルフォードとのセッション、ふたりの現在地が分かって良い。 表紙に今回もサー・オズワルドがいる!!本編にいないから難しいかと思ったら、いた!

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