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商品レビュー
4.2
50件のお客様レビュー
発達障害を扱った書籍は数多いですが、本書がその中でも際立つのは、ADHDと診断された本人が自分の経験を自ら綴っていて、しかもその本人が芥川賞受賞歴のある小説家であるという点です。 外から一見しても不自然な印象を受けない所作でも、本人の脳内では様々な思考が絡み合っている様子を、著者...
発達障害を扱った書籍は数多いですが、本書がその中でも際立つのは、ADHDと診断された本人が自分の経験を自ら綴っていて、しかもその本人が芥川賞受賞歴のある小説家であるという点です。 外から一見しても不自然な印象を受けない所作でも、本人の脳内では様々な思考が絡み合っている様子を、著者ならではの描写で描かれています。 1)間違った電車に乗ってしまい、途中で降りた駅の改札で「どの経路の乗り換えで戻る?それともタクシーにする?でもタクシーがなかなか拾えなかった事もあったし…。乗り換えはすぐ来る各駅停車、それとも次の急行?」みたいにいくつもの思考が浮かんでは消えるなか、外から見たら「改札の前でぼーっと突っ立っている人」にしか見えない 2)ADHDに適用されるコンサータという薬を飲んだ時、医者に具合を尋ねられ「小学校の修学旅行で夜更かしして翌日眠たくて、それ以来一回も目が覚めた感じがしなかったんですが、今、36年ぶりに目が覚めています」36年間の「眠い」が「昼間寝ている・夜起きている」ではなく、「起きていない・眠れていない」とどちらも否定の状態だったから、ずっと眠たかったのだ 3)やる気が起きなかったり、急に一つの事に没頭したり、してはならい事をしてしまう事について「脳内に励ましコーラス隊がいる。励ましコーラス隊は子供なので、勝手にウロウロしている。集まって歌ってくれない。どこかに行ってしまう。かと思ったら、何か面白そうなものや好きなお菓子が出てきたらワーッと集まり過ぎて大騒ぎする」 著者も本書で「他人の体は分からない。人の感覚は体験できない」と書いています。だからこそ生まれてしまう他人が見た印象と、実際の状況との乖離。著者は「ADHDの症状は人によって出方がさまざまなので、自分の描く症状がADHDのイメージにどう影響するか不安だ」と書いていますが、一つの症例としてもここまで分かりやすく、自分の脳内の思考を伝えた本は無いのではと思いました。 ADHDの事を打ち明けた時「そんなふうに見えないから大丈夫」、と言われる事が多いとの事。”そんなふう”=ADHDへの先入観、”そう見えないから大丈夫”=そう見えたらよくない という発言者の気づかない思い込みへの指摘など、考えさせられる内容が多かったです。「そんなふうにみえないからこそ、大丈夫じゃない」という著者の言葉がズシリと残りました。
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「発達障害」と診断された当事者による「障害」の報告。 日々、いろいろとご苦労されていることは想像に難くないが、誤解を恐れずいうと、読み物としてとても面白かった。 小説家がとんなふうに世界を切り取り、どんなふうにことばを選ぶのかがわかり、実に興味深い。 「発達障害」のおかげで...
「発達障害」と診断された当事者による「障害」の報告。 日々、いろいろとご苦労されていることは想像に難くないが、誤解を恐れずいうと、読み物としてとても面白かった。 小説家がとんなふうに世界を切り取り、どんなふうにことばを選ぶのかがわかり、実に興味深い。 「発達障害」のおかげで、わたしたちは柴崎友香の小説を享受できてる、ということなのか? 「何気ない日常を描いた」と評されることへの違和感には激しく同意。 「この身体」に起こる一回性の「出来事」として捉える視点がない限り、「日常」はあのように表現することはできないのだよ、とついつい熱くなってしまった… 医学書院のシリーズの一冊としてでなく、柴崎友香のいち作品として読んでもらいたい。
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ADHDの診断を受けた小説家の柴崎さん、彼女の作品は読んだことないのですが、外見はポーっとしてるように見えても脳内は目まぐるしく同時多発的にいろんな情報が錯綜していてフリーズ寸前とか、薬を処方され36年ぶりにすっきり眠れたとか。 私もADHDのグレーゾーンにいるのじゃないかなって...
ADHDの診断を受けた小説家の柴崎さん、彼女の作品は読んだことないのですが、外見はポーっとしてるように見えても脳内は目まぐるしく同時多発的にいろんな情報が錯綜していてフリーズ寸前とか、薬を処方され36年ぶりにすっきり眠れたとか。 私もADHDのグレーゾーンにいるのじゃないかなって思っているのですが、思い当たる節があったりなかったりです。 等高線の入った地形図とか読むの大好きみたいでそこらは共感できる感じなんですが北が上じゃないと向きが分からなくなるとかは私はなくって進行方向が上じゃないと私は行先わからなくなる感じなんですよね。 彼女はノースヘッドが頭にあり客観的な視野でも自分の立ち位置が分かる人なんですよね。 カビを生やしてしまう話は退きましたが、この人なんだか面倒な人っぽいてのが印象的でした。何かやろうとしても裏にハマって行くようでそれはそれで楽しんでるって理解でいいのかな。厄介な人の取説読んでいる感じでした。私もコミュ症だし、他人が心配して声かけしても、返って難しそうだし自分で理解して上手くやっていけそうだし、そういう人も何割かは存在するんだなってやり過ごすのがいいみたい。
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