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あらゆることは今起こる の商品レビュー

4.2

58件のお客様レビュー

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2025/03/07

発達障害の診断を受けた著者が、自らの特性のあるある部分で、ADHDや発達障害と呼ばれる特性や症状を断片的に綴っている。 普通とは違うとか、生きづらさとか言うけれど本人にとってもそうだろうかと考えてしまう。 特性を個性として自分らしく生きればいいとはならないのか? 突き詰めて考え...

発達障害の診断を受けた著者が、自らの特性のあるある部分で、ADHDや発達障害と呼ばれる特性や症状を断片的に綴っている。 普通とは違うとか、生きづらさとか言うけれど本人にとってもそうだろうかと考えてしまう。 特性を個性として自分らしく生きればいいとはならないのか? 突き詰めて考えると難しいのだが、誰もがみんな同じ思考をするのではないのでは…と思いながら読んだのだが、なかには似ている考えだなぁと思うところもあった。 若い頃と違って還暦も過ぎれば、すべてが大雑把でもいいと開き直るところもある。

Posted byブクログ

2025/03/05

「人間は自分の身体しか経験することができない」と書く著者は、自分の感覚、経験が発達障害やADHD全般に当てはまるわけではないと断りを入れながら、ADHDの診断を受けた経緯、幼い頃からのエピソード、日々困っていたことなどを淡々と並べていく。 読み手も自分の身体しか経験できないので、...

「人間は自分の身体しか経験することができない」と書く著者は、自分の感覚、経験が発達障害やADHD全般に当てはまるわけではないと断りを入れながら、ADHDの診断を受けた経緯、幼い頃からのエピソード、日々困っていたことなどを淡々と並べていく。 読み手も自分の身体しか経験できないので、こういうことで困っている人がいる、と知ることから、それを受け止めて(ありきたりな表現だけど)寄り添うことができる社会になればいいと思った。

Posted byブクログ

2025/02/16

すごく共感するところもあれば、全く分からないところもあったり、柴崎さんの思考や行動が分かりやすく言語化されており、自分にも気付きがあって読んで良かった一冊。*ただ「発達障害」ということが、他者に対して振り分けるような言葉や壁になってはいけないと思うし、「その人がどのように困ってい...

すごく共感するところもあれば、全く分からないところもあったり、柴崎さんの思考や行動が分かりやすく言語化されており、自分にも気付きがあって読んで良かった一冊。*ただ「発達障害」ということが、他者に対して振り分けるような言葉や壁になってはいけないと思うし、「その人がどのように困っているか」「どのようにすれば困りごとが少しでも楽になるか」が大事にされる社会であってほしいと思う。

Posted byブクログ

2025/02/09

横道誠さんの本でも感じたが、この本を読んでも思い当たることが結構あった。 柴崎さん自身が「誰でもある」「自分も」と言うのは「同じである」ことが良いことである前提で気を遣っているのだというようなことを3章のはじめに書いているが、そうではなく、ASDもADHDも要素としては濃い薄いは...

横道誠さんの本でも感じたが、この本を読んでも思い当たることが結構あった。 柴崎さん自身が「誰でもある」「自分も」と言うのは「同じである」ことが良いことである前提で気を遣っているのだというようなことを3章のはじめに書いているが、そうではなく、ASDもADHDも要素としては濃い薄いはあるものの、全人類の中にあるんじゃないだろうか。強すぎるといろいろな問題が起こることもある(と言っても「問題」と思うのは傾向の薄い側の言い分であり本当の「問題」とは違う)が、全く知らない、想像もつかないことをこれを読んで知ったという感じはしない。 一般的に難解と言われるような文学や映画などがしっくりくることがあるのは、もしかして似た特性があるからかもしれないなとも、これを読んで思った。 「私は「この私」を通じてしか世界を経験できない。」「「この私」から、完全に離れて「客観的」にはなれない」ということを私たちは忘れがちである、ということを終わりの方に書いてあった。まさにその通りだと思う。「私の」であって「私たちの」にしないように気をつけないと、誰かを苦しめることになりかねないことは覚えておかなければならない。 「「発達障害」に対する注目や関心が高まっているのは、「普通」枠の要求の過大さと抑圧の強さに比例しているんじゃないかと思う。」「発達障害という診断名もそれに関する知識だったりなにかしらの手立ても、困っている本人のためにあって、それ以外ではない。」(P216.217)

Posted byブクログ

2025/02/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ADHDとASD 傾向の当事者である作家が、日頃感じていることを語る。 なるほど、なるほどと思いつつ読んだ。

Posted byブクログ

2025/02/08

作家の柴崎友香さんの、自身のADHDの体験世界を内側から記した話。 私自身も自分をADHDだと思っているんだけど、本作でも書かれているように、ADHDは他の発達障害のように決まった型のようなものがなくて、同じADHDであっても人によって同じところと違うところがある。 本作を読んで...

作家の柴崎友香さんの、自身のADHDの体験世界を内側から記した話。 私自身も自分をADHDだと思っているんだけど、本作でも書かれているように、ADHDは他の発達障害のように決まった型のようなものがなくて、同じADHDであっても人によって同じところと違うところがある。 本作を読んで、共感するところを見つけることで、自分のADHD型のようなものを認識できた気がする。 自分の特性を認識するのは私には難しいので、こうやって言語化してくれるのはありがたいと思う。

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2025/02/08

ADHDの特性を細かく具体的に書いてあり、そうした特性を持つ知人の様子を頭に浮かべながらあっという間に読破。面白かったのはドーパミンを「脳内で励ましの歌を歌うコーラス隊」に例え、しかもコーラス隊は子供なので気まぐれに過集中するという説明に、分かるなーと思わず手を叩いてしまいました...

ADHDの特性を細かく具体的に書いてあり、そうした特性を持つ知人の様子を頭に浮かべながらあっという間に読破。面白かったのはドーパミンを「脳内で励ましの歌を歌うコーラス隊」に例え、しかもコーラス隊は子供なので気まぐれに過集中するという説明に、分かるなーと思わず手を叩いてしまいました。

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2025/02/05

発達障害を扱った書籍は数多いですが、本書がその中でも際立つのは、ADHDと診断された本人が自分の経験を自ら綴っていて、しかもその本人が芥川賞受賞歴のある小説家であるという点です。 外から一見しても不自然な印象を受けない所作でも、本人の脳内では様々な思考が絡み合っている様子を、著者...

発達障害を扱った書籍は数多いですが、本書がその中でも際立つのは、ADHDと診断された本人が自分の経験を自ら綴っていて、しかもその本人が芥川賞受賞歴のある小説家であるという点です。 外から一見しても不自然な印象を受けない所作でも、本人の脳内では様々な思考が絡み合っている様子を、著者ならではの描写で描かれています。 1)間違った電車に乗ってしまい、途中で降りた駅の改札で「どの経路の乗り換えで戻る?それともタクシーにする?でもタクシーがなかなか拾えなかった事もあったし…。乗り換えはすぐ来る各駅停車、それとも次の急行?」みたいにいくつもの思考が浮かんでは消えるなか、外から見たら「改札の前でぼーっと突っ立っている人」にしか見えない 2)ADHDに適用されるコンサータという薬を飲んだ時、医者に具合を尋ねられ「小学校の修学旅行で夜更かしして翌日眠たくて、それ以来一回も目が覚めた感じがしなかったんですが、今、36年ぶりに目が覚めています」36年間の「眠い」が「昼間寝ている・夜起きている」ではなく、「起きていない・眠れていない」とどちらも否定の状態だったから、ずっと眠たかったのだ 3)やる気が起きなかったり、急に一つの事に没頭したり、してはならい事をしてしまう事について「脳内に励ましコーラス隊がいる。励ましコーラス隊は子供なので、勝手にウロウロしている。集まって歌ってくれない。どこかに行ってしまう。かと思ったら、何か面白そうなものや好きなお菓子が出てきたらワーッと集まり過ぎて大騒ぎする」 著者も本書で「他人の体は分からない。人の感覚は体験できない」と書いています。だからこそ生まれてしまう他人が見た印象と、実際の状況との乖離。著者は「ADHDの症状は人によって出方がさまざまなので、自分の描く症状がADHDのイメージにどう影響するか不安だ」と書いていますが、一つの症例としてもここまで分かりやすく、自分の脳内の思考を伝えた本は無いのではと思いました。 ADHDの事を打ち明けた時「そんなふうに見えないから大丈夫」、と言われる事が多いとの事。”そんなふう”=ADHDへの先入観、”そう見えないから大丈夫”=そう見えたらよくない という発言者の気づかない思い込みへの指摘など、考えさせられる内容が多かったです。「そんなふうにみえないからこそ、大丈夫じゃない」という著者の言葉がズシリと残りました。

Posted byブクログ

2025/02/04

「発達障害」と診断された当事者による「障害」の報告。 日々、いろいろとご苦労されていることは想像に難くないが、誤解を恐れずいうと、読み物としてとても面白かった。 小説家がとんなふうに世界を切り取り、どんなふうにことばを選ぶのかがわかり、実に興味深い。 「発達障害」のおかげで...

「発達障害」と診断された当事者による「障害」の報告。 日々、いろいろとご苦労されていることは想像に難くないが、誤解を恐れずいうと、読み物としてとても面白かった。 小説家がとんなふうに世界を切り取り、どんなふうにことばを選ぶのかがわかり、実に興味深い。 「発達障害」のおかげで、わたしたちは柴崎友香の小説を享受できてる、ということなのか? 「何気ない日常を描いた」と評されることへの違和感には激しく同意。 「この身体」に起こる一回性の「出来事」として捉える視点がない限り、「日常」はあのように表現することはできないのだよ、とついつい熱くなってしまった… 医学書院のシリーズの一冊としてでなく、柴崎友香のいち作品として読んでもらいたい。

Posted byブクログ

2025/01/30

ADHDの診断を受けた小説家の柴崎さん、彼女の作品は読んだことないのですが、外見はポーっとしてるように見えても脳内は目まぐるしく同時多発的にいろんな情報が錯綜していてフリーズ寸前とか、薬を処方され36年ぶりにすっきり眠れたとか。 私もADHDのグレーゾーンにいるのじゃないかなって...

ADHDの診断を受けた小説家の柴崎さん、彼女の作品は読んだことないのですが、外見はポーっとしてるように見えても脳内は目まぐるしく同時多発的にいろんな情報が錯綜していてフリーズ寸前とか、薬を処方され36年ぶりにすっきり眠れたとか。 私もADHDのグレーゾーンにいるのじゃないかなって思っているのですが、思い当たる節があったりなかったりです。 等高線の入った地形図とか読むの大好きみたいでそこらは共感できる感じなんですが北が上じゃないと向きが分からなくなるとかは私はなくって進行方向が上じゃないと私は行先わからなくなる感じなんですよね。 彼女はノースヘッドが頭にあり客観的な視野でも自分の立ち位置が分かる人なんですよね。 カビを生やしてしまう話は退きましたが、この人なんだか面倒な人っぽいてのが印象的でした。何かやろうとしても裏にハマって行くようでそれはそれで楽しんでるって理解でいいのかな。厄介な人の取説読んでいる感じでした。私もコミュ症だし、他人が心配して声かけしても、返って難しそうだし自分で理解して上手くやっていけそうだし、そういう人も何割かは存在するんだなってやり過ごすのがいいみたい。

Posted byブクログ