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世界最強の地政学
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世界最強の地政学
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近代日本のグランドストラテジー(大戦略)について、明治時代に「富国強兵」という大方針が打ち出された。 ロシアの脅威に対抗するため、朝鮮半島を利益線(=緩衝地帯)として確保する。 朝鮮をめぐり日清•日露戦争に勝利し大陸進出を強める。 日本はシーパワーでありながら、大陸での植民地を拡...
近代日本のグランドストラテジー(大戦略)について、明治時代に「富国強兵」という大方針が打ち出された。 ロシアの脅威に対抗するため、朝鮮半島を利益線(=緩衝地帯)として確保する。 朝鮮をめぐり日清•日露戦争に勝利し大陸進出を強める。 日本はシーパワーでありながら、大陸での植民地を拡大するというランドパワー的発想の大戦略を描いたことになる。 「富国強兵」の大戦略は、1945年の敗戦により破綻。 戦後の日本は吉田ドクトリンに基づき経済重視•軽武装の「富国弱兵」路線に転換することとなった。 ランドパワー的発想から自由になった日本は、シーパワー連合の一員として英米と協調。 冷戦期の米ソ対立においてはアメリカの軍事同盟国として重要な役割を果たした。 ソ連崩壊後は海洋進出の動きを見せる中国に対抗すべく、依然として日米同盟を基軸とする外交を進めている。 思えば近代日本の大戦略は、わが国みずから選ぶ攻めの戦略であったことはなく、明治期ならば欧米列強のアジア進出に、戦後は冷戦や米中対立といった国際環境に対応する形で決定されてきた。 今後の大戦略としては、あえてみずから大戦略を描くことなく、国際関係の推移を予測しながらそれに対応する方針を選択していくべきなのだろうか?
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地政学とは何か、という分かっているようで理解が足りてないテーマから分かりやすく解説されている。 国家はその地理的条件(ランドパワーorシーパワー)により外交方針が決まる。 ランドパワーの大国は常に隣接する国の侵略に備えるため、周辺の小国を属国化したがり、現在のウクライナ戦争をはじ...
地政学とは何か、という分かっているようで理解が足りてないテーマから分かりやすく解説されている。 国家はその地理的条件(ランドパワーorシーパワー)により外交方針が決まる。 ランドパワーの大国は常に隣接する国の侵略に備えるため、周辺の小国を属国化したがり、現在のウクライナ戦争をはじめ、それが様々な戦争の原因になっている。
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地政学、という言葉を目にすることが多くなったが、実際には地政学という学問分野は存在しない。あくまで地理条件を踏まえた政治学であり、グローバル化に伴って各国や地域の情勢はダイナミックに変化し、そこに対応するための情報集積こそが地政学と呼ばれる研究領域である。 現在進行形でロシア・...
地政学、という言葉を目にすることが多くなったが、実際には地政学という学問分野は存在しない。あくまで地理条件を踏まえた政治学であり、グローバル化に伴って各国や地域の情勢はダイナミックに変化し、そこに対応するための情報集積こそが地政学と呼ばれる研究領域である。 現在進行形でロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス紛争といった現状変更に対する挑戦が行われている。これらに付随して、中国の台湾危機や中東・パレスチナのさらなる戦線拡大といった世界大戦に発展するリスクも指摘されている。この軍事行動に至る論理は、ランドパワー・シーパワーという大国を支配する世界観によって規定される。 世界には戦略的に重要な拠点がいくつか存在しており、平時は交易路・有事には平坦路となるルートと、その全体を支配するチョークポイントには現状ではアメリカ軍の基地が置かれている。そして馬から車、船舶、飛行機と戦術兵器が変遷していくにしたがって、これら地理的優位を保つ戦略は遷り変わっていくが、基本的な考え方は古来から変わらない。 そして地政学の観点からは、敵を殲滅したり圧倒的な勝利を目指すことは最適ではなく、むしろ戦後秩序をコントロールできる状況にいかに持ち込むかがもっとも費用対効果の高い戦略と考えられる。その意味でロシア・ウクライナ戦争でもイスラエル・ハマス紛争でもそのビジョンは不明確であり、泥沼化ともいえる状況となってしまっている。
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