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声と文字の人類学 NHKブックス1284
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声と文字の人類学 NHKブックス1284

出口顯(著者)

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声と文字の人類学 NHKブックス1284

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2024/03/25
JAN 9784140912843

声と文字の人類学

¥1,760

商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2025/10/05

「リテラシーとは何なのか?」という問題について興味を持ったものの、通り一遍の理解ではつまらんな、と思って本書へ。リテラシーとリテラシーがもたらす影響について、「識字化以前/以後」、「音声VS文字」といった二項対立を超えた理解の仕方についてたくさんのヒントを与えてくれる。というより...

「リテラシーとは何なのか?」という問題について興味を持ったものの、通り一遍の理解ではつまらんな、と思って本書へ。リテラシーとリテラシーがもたらす影響について、「識字化以前/以後」、「音声VS文字」といった二項対立を超えた理解の仕方についてたくさんのヒントを与えてくれる。というより、読むほどに問題が複雑だと実感し、ますますわからなくなってくる。SNS時代=「打ち言葉」の時代という視点から過去を見直すと、たしかに事は単純でないことを実感する。事例が大変豊富に引かれていて文献レビューとして今後も参照したい本。

Posted by ブクログ

2025/03/09

2025.3.9市立図書館 子どもの頃から活字中毒で本がない世界なんて考えられないけれど、一方で幼いこどもにはやばやと文字を教え込むのはもったいないのではという気持ちもあり、文字を知る前の世界、耳が情報収集やコミュニケーションの要となる世界への興味は前々からいだいていた。読む=音...

2025.3.9市立図書館 子どもの頃から活字中毒で本がない世界なんて考えられないけれど、一方で幼いこどもにはやばやと文字を教え込むのはもったいないのではという気持ちもあり、文字を知る前の世界、耳が情報収集やコミュニケーションの要となる世界への興味は前々からいだいていた。読む=音読という時代も長く、昔の人は黙読ができなかったなどと聞き、文字文化の変遷にも興味があった。 そういうわけで、少し前に新聞広告でタイトルを見て興味を持ち、ちょうど図書館の書架でみつけられたのでさっそく借りて読んだ。 声vs文字か、それとも声・手書きvs活字(印刷)かという議論、楔形文字が漢字のような表意文字であったこと、明治時代の音読から黙読への変化(辞書の記述というエビデンス)、活字本の普及期には「本を読みすぎて病んだ」と言われたケースもすくなからずあったことなど、興味深いトピックばかりだった。後半は斜め読みになってしまったが、ここでの知見をたよりに声と文字、そして書き言葉と打ち言葉についてはいろいろ探求していきたい。

Posted by ブクログ

2024/11/17

「最初に声の文化があって、その後文字の文化が生まれた」という文明観を再検討した本。 最初に取り上げられるのは、ジャック・グディ(初めて知った学者だ)、マクルーハン、オングのリテラシー研究。 文字が人間の認識様式を変容させ、西洋的科学を発展させ、視覚を特権化した、とまとめてある。...

「最初に声の文化があって、その後文字の文化が生まれた」という文明観を再検討した本。 最初に取り上げられるのは、ジャック・グディ(初めて知った学者だ)、マクルーハン、オングのリテラシー研究。 文字が人間の認識様式を変容させ、西洋的科学を発展させ、視覚を特権化した、とまとめてある。 これに対して、筆者は歴史的な社会や、西洋文明に植民地化された社会を取り上げ、必ずしも口承から書承へ単純に移行したわけではないという例を対置する。 「書承」という言葉は、この本のキーワードの一つ。 そういう言葉があるんだ、と思ったら、筆者の導入する用語のようで、「リテラシー」とされている。 ただ、読み書き能力だけを指すのではなく、書いてコミュニケーションを取ろうとする意志や実践も含めてそう呼ぶとのことだった。 たしかに、挙がっている例は面白い。 権力が人々を管理するために、戸籍を作り、それまで人々が持っていた多様な名前や婚姻の在り方を書き留めて固定しようとする。 声の多様性は抑制され、文字は知見を固着し、論理や理性につながるものとして特別視される。 なるほど、これは権力のするわざである。 ところが、ニコ・ベズネエが報告した、ツバル共和国のヌクラエラエ環礁の事例は、宣教師が持ち込んだ文字言語が理性とされる観念を覆す。 これまで口頭のコミュニケーションではなされなかったような濃密な感情のコミュニケーションを文字によって行ったのだという。 文字を書く行為が呪術的な力を持つのではないかと期待したブラジル・ナンビワラ族の事例、十九世紀フランス・ピレネー地方に観察された、書物は「魔法の書」であり、「読書」により憑依されるという考え方があったことなども、とても面白い例だ。 口承文化を称揚する立場からは批判されがちな文字だが、文字(特に手書き文字)も聴覚、触覚などの感覚と関わるメディアであったことも、指摘されるとなるほど、と思う。 平家物語の研究を引きながら、物語がテキスト化され、それがさらに語られ…という文字と声の相互的な関係いついても言及されている。 本書の終盤は「打ち文字」の話が出てきた。 これも話し言葉を文字化したもので、声と文字の境界に起きている現象。 そこで読み書きすることは、ボルヘスの「砂の本」のようであるのか、それ以外のありかたなのか。 筆者の議論は手書きの方へ進んでいくようだったが、もう少し打ち文字の考察も読んでみたかった。 こうやって多様な例を通して読み進めてくると、たしかに、声の文化から文字の文化へ、という変化を考えるのは単純すぎることはよくわかった。 ではその先はどうなるのか。 どう研究は進んでいくのだろう?

Posted by ブクログ