商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2024/03/01 |
JAN | 9784150020019 |
- 書籍
- 新書
両京十五日(Ⅱ)
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両京十五日(Ⅱ)
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商品レビュー
4.4
18件のお客様レビュー
ポケミスは、たまに化け物みたいな作品があるよなぁ。こちらもモンスター級に面白かった。 梁興甫の物語も大変に悲しい。 解説にあるように、冒険小説としてのクライマックスの後に、ミステリのクライマックスが控えている。 なぜ謎解きが、朱セン基が皇帝になった後でなければならなかったのか。...
ポケミスは、たまに化け物みたいな作品があるよなぁ。こちらもモンスター級に面白かった。 梁興甫の物語も大変に悲しい。 解説にあるように、冒険小説としてのクライマックスの後に、ミステリのクライマックスが控えている。 なぜ謎解きが、朱セン基が皇帝になった後でなければならなかったのか。 一分の隙もない、スゴイ作品。
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第二巻も509ページで二段組みの厚さであるが、やはり面白くて先を読みたくてページをくる手が止まらない。皇太子の朱瞻基(しゅせんき)達が乗る進鮮船は一路北京を目指して運河を進む。淮安から兗州に入って船の進む具合が遅くなった。土地の形が弓反りになっていて川の水を多くの水門を使ってうま...
第二巻も509ページで二段組みの厚さであるが、やはり面白くて先を読みたくてページをくる手が止まらない。皇太子の朱瞻基(しゅせんき)達が乗る進鮮船は一路北京を目指して運河を進む。淮安から兗州に入って船の進む具合が遅くなった。土地の形が弓反りになっていて川の水を多くの水門を使ってうまく流すようにしているため度々の水門で止められてしまうという。皇太子が運河の仕組みに興味を持ってくれたことは于謙にとって嬉しいことだった。さて期限までに北京に到着できるであろうか…。思いもしない出来事が起き、なんと太子と呉定縁との縁は切れずに悪縁となるのか?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・あらすじ 梁興甫によって連れ去られた呉定縁を救出するべく朱瞻基と蘇荊渓は斉南城、于謙は朱瞻基の叔父である張泉に援軍を求めるため臨清へと向かう。 白蓮教徒に捕えられた呉定縁は仏母から衝撃的な事実をしらされる。 朱瞻基、呉定縁、蘇荊渓の三人に絡まる因果の糸と十五日の旅の結末。 ・感想 幾度も危機を乗り越えてきた三人の結末がこれなのか…。 こういうのめっちゃ好き。読み終わった後とても切なくてやりきれない思いになった。 三人ともひとりひとり「人間」同士なら或いは違う結末もあったかもだけど、でも朱瞻基は「皇帝」になってしまったからもう三人の道は永遠に交われなくなってしまった。 それぞれの信念、立場、断ち切れ無い呪いの様な因果によって始まって、そして終わった旅だった。 ただの一族の殺し合いに過ぎないのに、争うものが「皇帝」というだけでこんなにも甚大な影響を及ぼしてしまう。 1日を生き延びる事に必死な下々の民には全く関係ないのに犠牲になるのは結局そういう民なんだよね。 外野からすれば傍迷惑な話でしかないわぁ。 でも立場や権力にはさまざまな思惑や利益、忠義や歴史など人を縛り付けて手放せないものが絡まってくるからね…。 白蓮教の言い分、そして悪役の漢王とその息子である朱瞻域の気持ちも分かってしまう。 最後はちょっと漢王に同情しちゃったし。 梁興甫の最期なんてちょっと泣きそうになってしまった。 本当にどのキャラクターも本当に魅力的だった。 朱瞻基は孤独な人だ。壊れてしまった香炉を作り直してきっと何かある度にあの旅を思い出すんだろう。 辛く悲しい結末だったけど、彼がひとりの人間として過ごすことができた大事な日々。 呉定縁と蘇荊渓。 いやもうこの2人が最高に良かった!!! 荊渓に定縁が居てくれて良かったなぁ…なんか呉定縁に感謝したいよ。 荊渓を一人にしないでくれてありがとな。 あのどっちとも取れるラストも良かった。 あの陵墓でのシーンは今後何度も読み返してしまいそう。 蘇荊渓の身を切るような慟哭と呉定縁の覚悟。 朱瞻基に向かって「お前は朋友だけど何百万の兵がいる。荊渓には俺一人だ。俺は荊渓と最後まで一緒に行く」というセリフに呉定縁!最高!!!ってなった。 でも朱瞻基にも部下は沢山居ても朋友は呉定縁ただ一人だったと思うから…辛いね。 最後に見せた微笑みで荊渓の呪いも解かれたんだと思いたい。 私が二次創作書きだったら定荊転生パロで二次創作してるわ〜。 于謙は後半脇役になっちゃったかな。口うるさくて真面目な于謙が好きだった。 作葉何もとっっっても魅力的で好きなキャラクター。 しなやかな強さを持った凛とした人だった。 中国の作品は三体と天官至福しか読んだ事ないけど慣れない人名、地名などに加えて故事成語が頻出したり知らない語句や漢字も沢山あったのにすごく読みやすかった。 わからない漢字や語句の意味などを調べてノートに書きつける語句帳というもの作ってるけどこの作品だけで数ページ使ってしまったw すごく好きな文体だったし、翻訳日本語の美しさ?を感じる訳でした。 きっと中国の風習などに詳しかったらより深く物語を理解できるのだろうけど、冒険小説として娯楽で十分楽しめる絶妙さ。 とっても面白かったーーー!!
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