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嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する 光文社新書1297
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嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する 光文社新書1297

山本圭(著者)

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嫉妬論 民主社会に渦巻く情念を解剖する 光文社新書1297

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社
発売年月日 2024/02/15
JAN 9784334102241

商品レビュー

3.9

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2025/01/18

民主的な社会の必然的な副産物としての嫉妬、そこから見える「人間学」。 安易な答えに逃げ込まず、それでも社会の実践のヒントを探る真摯な姿勢。 ・嫉妬は疲れを知らず、非生産的で、みっともなく、それが故に自他に隠したい。 ◯嫉妬 ・他人の幸福が自分の幸福を少しも損なうわけではないの...

民主的な社会の必然的な副産物としての嫉妬、そこから見える「人間学」。 安易な答えに逃げ込まず、それでも社会の実践のヒントを探る真摯な姿勢。 ・嫉妬は疲れを知らず、非生産的で、みっともなく、それが故に自他に隠したい。 ◯嫉妬 ・他人の幸福が自分の幸福を少しも損なうわけではないのに、他人の幸福をみるのに苦痛を伴うという性癖(カント) ・比較可能な者同士のあいだに生じる(アリストテレス cf.義憤 ・不当な幸運に苦痛を覚えること 下方嫉妬 ・自分が苦労して手に入れたものを、他の誰かが簡単に手に入れたとき ◯類似の概念 ・相対的剥奪:自分が感じる満足の絶対量の多寡ではなく、他人と比較することで生じる不満や欠乏感。 cf.サルの実験 ・ジェラシー:「喪失」に関わり防御的  嫉妬:「欠如」に関わり攻撃的 ・ルサンチマン:行動によって反応することができないために、想像だけの復讐によって、その埋め合わせをする。  嫉妬感情はルサンチマンを引き起こす一つの燃料 ・シャーデンフロイデ:他人の不幸は蜜の味。メシウマ。  嫉妬の対象が不幸にあるのを目の当たりにすると、嫉妬がシャーデンフロイデに変わる ◯嫉妬回避:隠蔽、否認、賄賂、共有 ・誇示と嫉妬の共犯関係。誇示の民主化 ◯正義にかなった社会こそ、嫉妬が蔓延し、手に負えないものになる可能性がある。 ◯コモンとして民主的に共同管理するとき、これまで気にも留めなかった差異が途端に顕在化する。そしてこの薄暗い感情はまたしても人々を煽り、社会主義のプロジェクトの足を掬う。 ・嫉妬心の捌け口としての陶片追放 ◯正義や平等の要求には、みにくい嫉妬心がべっとりと貼り付いているかもしれない。 ◯民主主義のもとでは、もはや誰かを打ち負かすこと(優越願望)が目的ではない。誰もが同じ権利を享受すること(平等願望)が何よりも重視される。 ◯嫉妬が完全に禁止された社会は、どんな差異も許されない息苦しい社会となる可能性が高い。平等と差異(これらはいずれも民主主義にとって重要な価値である)が交差する地点こそ嫉妬の故郷であるとすれば、民主社会はこの感情の存在を受け入れる必要がある。 ◯私の嫉妬は私だけのもの。私は誰も何に嫉妬しているのか、なぜ彼や彼女に嫉妬してしまうのか。これは翻って、私がどういう人間であるか、私は誰と自分を比べているのか、私はどんな準拠集団のなかに自分を見出しているのかを教えてくれる。 ◯多元的な価値観を許容する社会のほうが、嫉妬に耐性のある社会になる可能性が高い。そのためには評価軸をなるべく多様化し、序列をわかりにくくすることが重要になる。 ◯個人としては何か物を作ることに没頭し比較から遠のく(ただし新たな競争に捕まる可能性)、比較をやめられないのであれば徹底的に比較をする。

Posted by ブクログ

2025/01/09

嫉妬は「欠如」 ジェラシーは「喪失」 嫉妬に意味があるとすれば、それはこの感情が「私は何者であるか」を教えてくれるからだ

Posted by ブクログ

2024/11/29

嬉しい、悲しいと同じで人の感情の一つである嫉妬について考察されている。自由、正義、民主主義に通じる嫉妬の在り方を考えることができた。嫉妬を軸にすると世界が見えやすくなる?

Posted by ブクログ