嫉妬論 の商品レビュー
嫉妬は誰もが抱く感情だが、いままで深く考えたことがなかった。 この本は嫉妬についてさまざまな分類をしたり、社会構造の変化で嫉妬がどのように変容してきたかを考察したりする。 嫉妬感情は他人に知られるのはもちろんのこと、自分で自覚するのも恥ずかしい。だから別の理由をこじつけて自分自身...
嫉妬は誰もが抱く感情だが、いままで深く考えたことがなかった。 この本は嫉妬についてさまざまな分類をしたり、社会構造の変化で嫉妬がどのように変容してきたかを考察したりする。 嫉妬感情は他人に知られるのはもちろんのこと、自分で自覚するのも恥ずかしい。だから別の理由をこじつけて自分自身も偽装する。 庶民は家柄のいいエリートや富豪に対してはあまり嫉妬しない。むしろ自分に近い立場にいる人との小さな差異に嫉妬しやすい。 どれだけ成功しても失敗しても、人は嫉妬から解放されない。嫉妬する(される)対象が入れ替わるだけだ。 嫉妬されないための回避術もある。1隠蔽、2否認、3賄賂、4共有。まずは隠す→ばれたら謙遜→少し分け前を与える→大盤振る舞いの宴会。情報化社会では隠蔽が容易ではないが、心構えとして。 消費社会、中間層の形成、SNSの普及は誇示の民主化(大衆化)をもたらした。 同調圧力が強く抜け駆けを許さない平等主義社会では、わずかな差異も嫉妬の理由となる。 嫉妬には自分より格上に対して向けられる上方嫉妬とその反対の下方嫉妬がある。 マジョリティーが移民や女性、マイノリティーに対して嫉妬することもある。自分よりもはるかに貧しい生活をしていても、その人たちの生活が少し向上するだけで嫉妬する。一部の権力者はそれを悪用して分断させる。巨大な格差から目をそらさせる。 ベーコンの嫉妬論はユニークだ。「第三者に嫉妬を感染させて治療する」という発想は面白かった。 優越願望=自分の優位性を認めさせようとする欲望。対等願望=他人と対等なものとして認められたい欲望。民主主義では優越願望が禁止され、対等願望が前景化する。 過ぎ去った嫉妬についてはある程度冷静に分析できそうだが、現在進行形の嫉妬については自己偽装のガードがまだまだ堅い。プライドや羞恥心が邪魔してしまう。 それでも、いま自分が感じている嫉妬がどのタイプの嫉妬なのかは分類できるかもしれない。嫉妬される側の負担にならない嫉妬マネジメントを考えたい。コントロールできないまでも、現状を把握できれば歯止めはきく。 何人かで集まって各々の嫉妬論を話すのも面白そうだと思ったが、みんなどこかで偽装しているから100%本音のトークにはならないだろう。 もしそれをやるなら、いまこの人は何%くらい偽装を解けているのかを考えながら話を聞くといいかもしれない。
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自分ももちろん嫉妬するけど、色々な矛先・感情の嫉妬があって、 ちょうど選挙の時期だから、嫉妬からこういう政策が人気なのかな?っていうのもいくつか思い当たって面白かった
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完全に公平であった場合に成功失敗の要因は100%自分の能力次第になってしまい、上手くいかない場合メンタルにダメージを負う話が面白かった 言い訳って大事よね
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嫉妬は個人的な範疇に於いては「手なづけがたい厄介な病」だけど,公の嫉妬は時に「社会を前に進める原動力」になる反面ひとたび悪用されれば容易に分断を図る劣悪な政治家を生み出してしまう「魔物」であると常々思ってきた. そんな折に見かけた本書は,「民主主義と嫉妬」な堂々巡りを是認しつつ,...
嫉妬は個人的な範疇に於いては「手なづけがたい厄介な病」だけど,公の嫉妬は時に「社会を前に進める原動力」になる反面ひとたび悪用されれば容易に分断を図る劣悪な政治家を生み出してしまう「魔物」であると常々思ってきた. そんな折に見かけた本書は,「民主主義と嫉妬」な堂々巡りを是認しつつ,今求められている多様化が一つの解決策になるのでは?との提起と読めた. あと,読書におけるsynchronityとして,直前に読んだのか「傲慢と善良」だったのも良かったのかも. 傲慢の源泉に嫉妬が根深く絡んでいるのは間違いないので.
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小室圭のフォーダム大学、マーティン奨学金の受給等、嫉妬ではない、憂だ。 不正にニューヨークの弁護士資格を取得した、 受験資格すら無いのに。 よくも事情を知らずに、嫉妬と言う、 よく事情を知ったら、どう思うか、知りたいが、 小室圭に嫉妬心はない、ただ気の毒だな、とは思う。 愚かなピ...
小室圭のフォーダム大学、マーティン奨学金の受給等、嫉妬ではない、憂だ。 不正にニューヨークの弁護士資格を取得した、 受験資格すら無いのに。 よくも事情を知らずに、嫉妬と言う、 よく事情を知ったら、どう思うか、知りたいが、 小室圭に嫉妬心はない、ただ気の毒だな、とは思う。 愚かなピエロに成り下がった、笑い者。
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目 次 プロローグ 【2024. 9.10】? 第1章 嫉妬とは何か 第2章 嫉妬の思想史 第3章 誇示、あるいは自慢することについて 第4章 嫉妬・正義・コミュニズム 第5章 嫉妬と民主主義 エピローグ 【2024. 9.10】? あとがき 【2024. 9.10】? http...
目 次 プロローグ 【2024. 9.10】? 第1章 嫉妬とは何か 第2章 嫉妬の思想史 第3章 誇示、あるいは自慢することについて 第4章 嫉妬・正義・コミュニズム 第5章 嫉妬と民主主義 エピローグ 【2024. 9.10】? あとがき 【2024. 9.10】? https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334102241
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読書紹介サイトにて興味持ち、読んでみた。 嫉妬を持つことは良いことではない、というスタンスのもと、類語との違いを整理、歴史上で哲学者などはどのように述べていたかを整理していく。 ちょっと取っ付きにくく感じ読み進めるのが大変なところもあったが、実情を知り、安易に自己啓発に流されな...
読書紹介サイトにて興味持ち、読んでみた。 嫉妬を持つことは良いことではない、というスタンスのもと、類語との違いを整理、歴史上で哲学者などはどのように述べていたかを整理していく。 ちょっと取っ付きにくく感じ読み進めるのが大変なところもあったが、実情を知り、安易に自己啓発に流されないように気を付けつつ距離を取っていくことが大切であると、本書を読んで感じ取った。
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独身未婚中年男性の自分が読んでみました。 なかなかおもしろかったです。 言われてみればああ、という、コロンブスのたまご的ではあるんだけれども、このことに気が付かなかった。まさに、民主主義やら資本主義やら社会主義やらの話の根底は嫉妬にあるんだろうなと気づかせてもらいました。 「あ...
独身未婚中年男性の自分が読んでみました。 なかなかおもしろかったです。 言われてみればああ、という、コロンブスのたまご的ではあるんだけれども、このことに気が付かなかった。まさに、民主主義やら資本主義やら社会主義やらの話の根底は嫉妬にあるんだろうなと気づかせてもらいました。 「あいつだけずるい」と足の引っ張り合いになってしまうのが、日本は多いような気もしますが、それで結局、全体的に質を落としている感じは、日本も含め、世界全体的にそうだったりするのかもしれませんね。 自分自身も最近、若い同性の子に対して苦言を呈してしまったのですが、どうやらそれは嫉妬だったようで、これは自分で認めねばならないなと思いました。 相手のほうがだんぜん能力が上で、私などたちうちできないのに・・・。 若い子と張り合おうとしたところがすでにおこがましいというか、中年にしてなんと子どもっぽいことだなと、恥ずかしくなりました。 手塚治虫先生みたいな才能のある人なら、若い人に嫉妬してもよいと思いますが、自分のような凡人が嫉妬するのはただただ醜いばかり。 なんとか折り合いを付けて、人には迷惑をかけないようにしたいものです。
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嫉妬をギリシャの賢人や哲人時代から現代の思想家に至るまでの文言を元に分析した一冊。現代社会のポピュリズムやヘイトにも繋がる考察が面白かった。 特にルネ・ジラールの「羨望の三角形」をベースにした「誇示は羨ましがる他者がいないとなりたたない」という話や、三木清の「嫉妬は質的なもので...
嫉妬をギリシャの賢人や哲人時代から現代の思想家に至るまでの文言を元に分析した一冊。現代社会のポピュリズムやヘイトにも繋がる考察が面白かった。 特にルネ・ジラールの「羨望の三角形」をベースにした「誇示は羨ましがる他者がいないとなりたたない」という話や、三木清の「嫉妬は質的なものではなくて、量的なもので起こる(個性的なことではなく誰もが欲しがるお金や名誉、ステータスといった量的な物差しではかれるもので起こる)」といった話が勉強になった。 面白すぎたので、近日読書会で取り上げようと読み込んでいる最中です。著書の次回作にも期待大
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「嫉妬」という感情を紐解いた書籍はたくさんあるけれど、この本のように政治的な面から分析しているものはめずらしいと思う。だいたいは心理学や哲学系の分野で、嫉妬が思考や行動にどのように影響するかが書かれている けれどもこの本は嫉妬とは何かを検討したあとで思想史において思想家が嫉妬をど...
「嫉妬」という感情を紐解いた書籍はたくさんあるけれど、この本のように政治的な面から分析しているものはめずらしいと思う。だいたいは心理学や哲学系の分野で、嫉妬が思考や行動にどのように影響するかが書かれている けれどもこの本は嫉妬とは何かを検討したあとで思想史において思想家が嫉妬をどのようなものと考えているのか、そして嫉妬はコミュニティでどのように変化するか、また現代の民主主義において嫉妬はどう作用するのかを様々な人の定義や言葉を引き付けながら書いている本。当たり前だけれど人間は理屈によってのみ動いたり考えたりしているわけではなく、嫉妬をはじめとする種々の感情があり、それを無視して理屈のみによって政治的な訴えを起こすことの困難さが理解できた
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