風に立つ

柚月裕子(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2024/01/10
• JAN: 9784120057281

商品レビュー

2025/02/11

良い話。子供とかに読ませても良い感じの、ストレートに良い話。非行少年を預かるシステムがあるのは知らなかった。この物語のように立ち直る瞬間に立ち会えたらやりがいがあるんだろうなと思った。なかなかこんな上手くいかないのかもしれないけどね。この物語の先も、本当に立ち直っていくのかなんて分からないけどね。

2025/02/04

今年初めてのレビューです。
去年末に仕事が変わり、ゆっくり読書が出来たのは久しぶりでした。

南部鉄器の職人一家で、非行少年を預かる補導委託を始めた事で吹く新たな風。それで変わっていく人間関係が書かれてました。

実は今の仕事でパワハラを受けていて、非行少年の親が私の上司のように見えて、歯がゆく読んでました。職場の上司は気に入らないと物を叩き恫喝する。私は怖くて震え上がって何も言えなくなる。。。
まるで非行少年のようだ。
違うところは私は犯罪を犯してないってとこかな。

やがて、自分の気持ちと向き合い、周りに支えられ立ち直っていく非行少年。その親もある話を聞いて自分の考えを改める。自分の上司もそうであってほしいが、とても望めない。殴られる前に辞めなくては。彼を犯罪者にしてしまう。
なんて止まらない涙を拭いもせず読んでました。

やっぱり本は良いな。
少し気持ちが浄化出来た。
本はすごい。
時々思う。今の自分の状況に合った本がやってくるのかな？と。。
むりやりこじつけているのかも知れないが、この本を読んで気持ちが楽になったのは事実だ。

ありがたい。ほんとにありがとう。

今年も本を読むぞ。とおそばせながら新年の誓いを立てました。

2025/02/03

南部鉄器の工房、補導委託の少年、岩手の伝統的なお祭り。
自分から触れる機会のないものばかりで興味深く読み進めた。
はたから見ると恵まれた家庭環境の少年が問題行動を起こす…ドラマなどではわりと見かける。その経緯や理由を深く掘り下げて、親や委託を受ける職人、周りの人々の人生や感情などさまざまな要素が絡まる物語だった。
思ったことはできる限り言葉にしないといけない、それでやっと数%が伝わる程度、近すぎて見えないこともある。
本当にそうだなぁと年齢を重ねるごとに実感するけれど…やはり上手くできない自分。人と分かり合うって難しい。
チャグチャグ馬子の祭りはこの小説で初めて知ったけれど、一度観てみたいな。