商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2023/12/22 |
JAN | 9784041141007 |
- 書籍
- 文庫
俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
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俺と師匠とブルーボーイとストリッパー
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商品レビュー
4.2
19件のお客様レビュー
病院に入院中、院内のコンビニで購入。 本当に令和に刊行されたの?と思うくらい、昭和。舞台も昭和。境遇は最悪、男女の仲もドロドロ。しかし義理人情に溢れた世界。自分はあまり触れたことがないタイプの作品。自分の親世代のドラマとかではよくある世界だと思う。 自分が好きになるだろうと想像が...
病院に入院中、院内のコンビニで購入。 本当に令和に刊行されたの?と思うくらい、昭和。舞台も昭和。境遇は最悪、男女の仲もドロドロ。しかし義理人情に溢れた世界。自分はあまり触れたことがないタイプの作品。自分の親世代のドラマとかではよくある世界だと思う。 自分が好きになるだろうと想像ができる作品ばかり読んでいると、自身の好きの世界を狭めてしまう気がしたので、あまり興味がなかった本作を読んだ。 自分の興味がそれなりに広がったと思う。
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舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。 後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど) みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい...
舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。 後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど) みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい!と思っただろうな。 先日読んだ千早茜さんの『男ともだち』でも思ったけど、何かをなくすならなくしきった方が、挫折するなら挫折しきった方が、中途半端よりもいいだろうなと思う。 別れもきっちりとする。そうしたら次の出会いを心から喜べる。 ついつい色んなものや関係をずるずる引き延ばしがちだけど、覚えておきたいなと思う。
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タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。 桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。 北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(...
タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。 桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。 北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(ブルーボーイ)のシンガーソコ・シャネル、年かさのストリッパーフラワーひとみ、インチキ臭いマジシャンチャーリー片西(師匠)が送る、ひと冬の物語。 4人の関係性がとてもよかった。章介が住むキャバレー持ちの寮はねずみなども発生するくらいオンボロで、短期間ではあるけどその寮の別々の部屋に住む予定だったゲストの3人も、結局章介の狭い部屋に集まるようになる。 そこで食事をしたりするのだけど、その描写がとてもいい。かるく揉めたり、ぐだぐだ言いながらもいつも楽しそう。 4人はみんな訳ありで、「こういう生き方しか出来ない」感が漂う。だけど誰にも迷惑をかけてはいない。それを奥底で解り合っている4人だからこその、絶妙な空気感がある。 お互いに余計な干渉はしないものの、章介が母親に託された(?)ままほったらかしにしていた父親の遺骨を、真冬の墓場に4人でこっそり埋葬に行くくだりがとても好きだった。やってることは全然正しくないんだけど(笑)、阿吽の呼吸でやり遂げるところが素晴らしくて。 私も夜の世界にいたから敢えて言うけど、一般的に夜の世界に生きる人たちって「底辺」扱いされがちだと思ってる。実際はそうではなくても、昼間の世界の人たちがそう思っていることをひしひしと感じる瞬間が私自身あったから。 そして、そんなことで傷ついているようでは、やっていけない世界でもある。 蔑まれることでお金になるならいくらでも蔑めばいい、くらいのマインドが必要だし、そんなことで、プライドはひとつも傷つかない。 シャネルもひとみも片西もプロフェッショナルで、ステージは毎日きちんと盛り上げる。 ショーの描写にはそこはかとない哀愁が漂うけれど(舞台が場末のキャバレーだからなのか)プロの仕事をしっかりやりこなす人たちは格好良い。 そして4人に別れの日が来るのだけど、店の女たちに可愛がられながら風来坊のように生きてきた章介は、ここがターニングポイントであり、その先わずかにある未来の描写がまた心憎い。うらぶれた世界とは違う、希望的な場面がまた、とてもよかった。 これまでの桜木さんの小説とは共通点もありつつ雰囲気はちょっと違った。ひとりひとりの人物像に迫りすぎていないから、なのか。 すぐ別れがくることを知りつつ関わる4人の姿が、刹那的で濃密なのになんかあっさりもしてて、夜で生きる者の正しい姿だ、と思った。
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