俺と師匠とブルーボーイとストリッパー の商品レビュー
普段さみしさってほとんど感じることがない感情だけど、 主人公に感情移入して、ものすごく寂しくなっちゃった 共感したのは、 住む土地とか仕事とか、しがらみのない人に対して羨ましく思う気持ち。 もちろん自分を大切にしてくれる場所があるのも 自分が大切にしたい場所があるのも、とっても...
普段さみしさってほとんど感じることがない感情だけど、 主人公に感情移入して、ものすごく寂しくなっちゃった 共感したのは、 住む土地とか仕事とか、しがらみのない人に対して羨ましく思う気持ち。 もちろん自分を大切にしてくれる場所があるのも 自分が大切にしたい場所があるのも、とっても幸せなことなんだけど、 それがない人を羨ましいと思ったことは、 これまでにあったから、わかるわかると頷いちゃった
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病院に入院中、院内のコンビニで購入。 本当に令和に刊行されたの?と思うくらい、昭和。舞台も昭和。境遇は最悪、男女の仲もドロドロ。しかし義理人情に溢れた世界。自分はあまり触れたことがないタイプの作品。自分の親世代のドラマとかではよくある世界だと思う。 自分が好きになるだろうと想像が...
病院に入院中、院内のコンビニで購入。 本当に令和に刊行されたの?と思うくらい、昭和。舞台も昭和。境遇は最悪、男女の仲もドロドロ。しかし義理人情に溢れた世界。自分はあまり触れたことがないタイプの作品。自分の親世代のドラマとかではよくある世界だと思う。 自分が好きになるだろうと想像ができる作品ばかり読んでいると、自身の好きの世界を狭めてしまう気がしたので、あまり興味がなかった本作を読んだ。 自分の興味がそれなりに広がったと思う。
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舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。 後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど) みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい...
舞台が似合いそうなお話。頭の中ではすでに読みながら上演されていた。実際に舞台化したら見てみたい。 後半を読んでいる時は竹内まりやの縁の糸が脳内を流れていた。(キャバレーっぽくないけど) みんないいキャラで、夜の世界を、芸事を心得ている感じで、その世界で出会ったら絶対仲良くなりたい!と思っただろうな。 先日読んだ千早茜さんの『男ともだち』でも思ったけど、何かをなくすならなくしきった方が、挫折するなら挫折しきった方が、中途半端よりもいいだろうなと思う。 別れもきっちりとする。そうしたら次の出会いを心から喜べる。 ついつい色んなものや関係をずるずる引き延ばしがちだけど、覚えておきたいなと思う。
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タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。 桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。 北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(...
タイトルに惹かれて読んでみたら、まさにタイトル通りの物語。 桜木紫乃さんが描く、北海道の寒々しさを感じる夜の世界の人々のお話、やっぱり好きだ。 北海道のキャバレーで雑用係として住み込みで働く主人公の章介と、年の瀬近くなった12月にそのキャバレーにやってきた、トランスジェンダー(ブルーボーイ)のシンガーソコ・シャネル、年かさのストリッパーフラワーひとみ、インチキ臭いマジシャンチャーリー片西(師匠)が送る、ひと冬の物語。 4人の関係性がとてもよかった。章介が住むキャバレー持ちの寮はねずみなども発生するくらいオンボロで、短期間ではあるけどその寮の別々の部屋に住む予定だったゲストの3人も、結局章介の狭い部屋に集まるようになる。 そこで食事をしたりするのだけど、その描写がとてもいい。かるく揉めたり、ぐだぐだ言いながらもいつも楽しそう。 4人はみんな訳ありで、「こういう生き方しか出来ない」感が漂う。だけど誰にも迷惑をかけてはいない。それを奥底で解り合っている4人だからこその、絶妙な空気感がある。 お互いに余計な干渉はしないものの、章介が母親に託された(?)ままほったらかしにしていた父親の遺骨を、真冬の墓場に4人でこっそり埋葬に行くくだりがとても好きだった。やってることは全然正しくないんだけど(笑)、阿吽の呼吸でやり遂げるところが素晴らしくて。 私も夜の世界にいたから敢えて言うけど、一般的に夜の世界に生きる人たちって「底辺」扱いされがちだと思ってる。実際はそうではなくても、昼間の世界の人たちがそう思っていることをひしひしと感じる瞬間が私自身あったから。 そして、そんなことで傷ついているようでは、やっていけない世界でもある。 蔑まれることでお金になるならいくらでも蔑めばいい、くらいのマインドが必要だし、そんなことで、プライドはひとつも傷つかない。 シャネルもひとみも片西もプロフェッショナルで、ステージは毎日きちんと盛り上げる。 ショーの描写にはそこはかとない哀愁が漂うけれど(舞台が場末のキャバレーだからなのか)プロの仕事をしっかりやりこなす人たちは格好良い。 そして4人に別れの日が来るのだけど、店の女たちに可愛がられながら風来坊のように生きてきた章介は、ここがターニングポイントであり、その先わずかにある未来の描写がまた心憎い。うらぶれた世界とは違う、希望的な場面がまた、とてもよかった。 これまでの桜木さんの小説とは共通点もありつつ雰囲気はちょっと違った。ひとりひとりの人物像に迫りすぎていないから、なのか。 すぐ別れがくることを知りつつ関わる4人の姿が、刹那的で濃密なのになんかあっさりもしてて、夜で生きる者の正しい姿だ、と思った。
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第13回新井賞受賞作 釧路のキャバレーで働く二十歳の青年 ギャンブルに堕ちていた「サソリのテツ」と呼ばれていた父親は亡くなった 葬儀にも出ず遺骨だけが彼の元へ 家族という存在に縁が薄かった青年は 「世界的有名マジシャン」の師匠 「シャンソン界の大御所」のブルーボーイ 「今世紀...
第13回新井賞受賞作 釧路のキャバレーで働く二十歳の青年 ギャンブルに堕ちていた「サソリのテツ」と呼ばれていた父親は亡くなった 葬儀にも出ず遺骨だけが彼の元へ 家族という存在に縁が薄かった青年は 「世界的有名マジシャン」の師匠 「シャンソン界の大御所」のブルーボーイ 「今世紀最大級の踊り子」のストリッパー どさ回りの三人と 年を越す一カ月、キャバレーの寮で同居生活 社会からはみ出しているけれど、人としてなんだか暖かい人達 クセは強め 人情は厚め 後味が良い三人組 本当の家庭のような 一時の家族のような 彼らに出会った青年は、何かを求めて釧路を出ていく
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釧路のキャバレーで下働きをする、若い男が主人公。そのキャバレーへ余興に来た3人の芸人とのふれあいを描いた作品。その3人のキャラクターが個性的で、3人との絡みがめちゃくちゃ面白かった。 特に、自分の父親の遺骨を同じ名前の他人のお墓にこっそり納骨したシーンは、思いもしない発想で笑った...
釧路のキャバレーで下働きをする、若い男が主人公。そのキャバレーへ余興に来た3人の芸人とのふれあいを描いた作品。その3人のキャラクターが個性的で、3人との絡みがめちゃくちゃ面白かった。 特に、自分の父親の遺骨を同じ名前の他人のお墓にこっそり納骨したシーンは、思いもしない発想で笑った。
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昭和の場末の匂いまで漂ってきそうな雰囲気がたまらない。 登場人物のキャラが立っているので、映像化したらこの俳優だろうなあと想像しながら読んだ。 かなり悲惨な生い立ちの主人公と関わり合う人達の距離感が絶妙。 それぞれ訳ありでクセが強いが、素敵な大人達に出会えて良かった。
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辛い経験、苦労した経験が多いと人は優しくなれる。 章介は腐る前にほんとにいい人たちに出会えたな。 周りにもハチャメチャでわがままなのにちっとも嫌じゃない人いるなあ。 色んな空気を読み取ってる繊細で優しい人なんだとこの本読んで思いました。
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今年のベスト10ランクイン候補! この、物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡ 桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品。 舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』 主人公はそこで下働きをしている青年:章介。 パラダイスに年末年始のショータレント3人がや...
今年のベスト10ランクイン候補! この、物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡ 桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品。 舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』 主人公はそこで下働きをしている青年:章介。 パラダイスに年末年始のショータレント3人がやって来る。 北東の果ての凍てつく土地の哀愁と、いろんな人生を背負った人たち。 タレント達と共同生活をする内に、章介も成長していくのだ。 ブルーボーイという表現を初めて知った。シャンソン歌手やストリッパー、マジシャンの海千山千の人生論に唸った。
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久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。 博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャ...
久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。 博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。わずかな喜怒哀楽を表す場面もなかったような日々が、ドサ回りの芸人3人とひと月共同生活を送るうちに変わります。 楽しくて、切なくて、永遠に読み終わりたくない気持ちに。北の国のキャバレーの話も最高だ。人生って、悪くない。
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