商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/12/20 |
JAN | 9784152102959 |
- 書籍
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技術革新と不平等の1000年史(下)
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技術革新と不平等の1000年史(下)
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上巻に続いて技術革新悲観論がベースにあるのだが、第二次大戦後は、複数の国で技術革新と労働者の生産性向上、所得の上昇が起きたことを示している。 北欧やドイツ、日本など、国家や労働組合が関与した国ではポジティブな結果が出たというが、その後は上位1パーセントが富を占める割合は上昇して...
上巻に続いて技術革新悲観論がベースにあるのだが、第二次大戦後は、複数の国で技術革新と労働者の生産性向上、所得の上昇が起きたことを示している。 北欧やドイツ、日本など、国家や労働組合が関与した国ではポジティブな結果が出たというが、その後は上位1パーセントが富を占める割合は上昇している。象徴となるのが、1970年のミルトン・フリードマンによる言葉、すなわち株式会社ののなすべき事は、株主価値の最大化のみである、だ。このフリードマンドクトリン=新自由主義として資本主義経済を支配してきた。 このことに関し、筆者は警鐘を鳴らし特に民主主義の危機でもあると訴える、同時に転換点の兆しも示している。 筆者は中盤において、今後の展開の答えは、コミュニティーの内部にある、社会的コミュニケーション能力、人間の他者への共感性にあると述べている。いかに技術革新の恩恵を労働者らに行き渡らせるか。デジタル技術によって生産性バンドワゴンが起きているポジティブな事例も紹介されており、救いがあるようにも思えてくる。 後半はこの解をいくつか示している。デジタル規制、富裕層からの税徴収などだ。個人的には現代風にアップデートされた労働組合と教育がカギなのではないかと感じた。簡単ではないことも日本の状況を見てもわかるが、現状を座視していては改善しないことも事実。 改めてよい本だった。
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技術革新は必ずしも人間を幸せにしないし、バンドワゴン効果も限られるし、トリクルダウンも起こらないという仮説を、いろいろな事例から検証したもの。過去に、全体が豊かになった時には「社会運動」「社会の連帯」が起こり、方向性が正されていた。今の時代、SNSなどで連携はし易い一方で、ヘイト...
技術革新は必ずしも人間を幸せにしないし、バンドワゴン効果も限られるし、トリクルダウンも起こらないという仮説を、いろいろな事例から検証したもの。過去に、全体が豊かになった時には「社会運動」「社会の連帯」が起こり、方向性が正されていた。今の時代、SNSなどで連携はし易い一方で、ヘイトなども起こりやすくなっているし、ネット遮断や監視に走る国家もあり、過去の事例は期待できそうもない。これは気をつけておかないと。
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