商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | PHP研究所 |
| 発売年月日 | 2023/11/17 |
| JAN | 9784569854571 |
- 書籍
- 新書
ヒッタイト帝国
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ヒッタイト帝国
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商品レビュー
4.3
15件のお客様レビュー
私は世界史が得意なので、ヒッタイト帝国は「鉄を使用した民族」という認識だった。 しかし、この認識は甘かったと本書で知らされた。鉄の起源と言われた理由もだが、ヒッタイト帝国の歴史が思っていた以上に長い。教科書で数行だけしか説明されなかった国が、歴史を紡いできたのもだが、解明されてい...
私は世界史が得意なので、ヒッタイト帝国は「鉄を使用した民族」という認識だった。 しかし、この認識は甘かったと本書で知らされた。鉄の起源と言われた理由もだが、ヒッタイト帝国の歴史が思っていた以上に長い。教科書で数行だけしか説明されなかった国が、歴史を紡いできたのもだが、解明されていない文字の一部を元に考古学視点でヒッタイトを知れて面白い。 年代記以外にも、宗教や衣食住、インフラなどヒッタイトに住む人々の生活も記載されていて、「ヒッタイト帝国」とは何なのかを全体的に知る事が出来る。
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ヒッタイト帝国のイメージは、本書でも書かれる通り「鉄器を早くから使用して、古代オリエント世界でエジプトに並ぶ勢力を築いた」「バビロンを攻撃して滅ぼした」それと、「鉄の戦車(チャリオット)」。鉄の帝国で戦車まで作った文明なので、さぞかしと期待をもってこのチャリオットの絵を見ると、な...
ヒッタイト帝国のイメージは、本書でも書かれる通り「鉄器を早くから使用して、古代オリエント世界でエジプトに並ぶ勢力を築いた」「バビロンを攻撃して滅ぼした」それと、「鉄の戦車(チャリオット)」。鉄の帝国で戦車まで作った文明なので、さぞかしと期待をもってこのチャリオットの絵を見ると、なんか‟人が引っ張る第八車“みたい。さすがに馬が引っ張ってはいるが、その荷台で人が弓を放つだけのシロモノでガッカリした記憶がある(それでも凄い発明ではあるのだが)。 本書はそんなヒッタイトの表層的なイメージをやや専門的な領域まで入り込んで学んでいくという本。例えば、本当に「海の民」に滅ぼされたのか、など。 ― ヒッタイト帝国の滅亡に「海の民」が直接関わったということはほぼ考えられない。しかし、「海の民」による動乱が引き金となって、それまでヒッタイト帝国を支えていた様々な制度(システム)が機能不全を起こし、新たな不和(国民の分断、属国の自立)や争い(内戦)へと連鎖し、帝国が崩壊するに至ったと考えることができる また、ヒッタイト帝国の重要資料としてのヒッタイト法典について。200条からなり、最初は古ヒッタイト時代のテリピヌ王の頃までに制定され、その後トウトハリヤ4世以降、何度かの改訂を経て、その度に刑罰が軽くされ、現物補償から金銭補償へ移行していく。裁判官がいて、一法に基づいて紛争を解決していたのだという。 そうした法治制がある中での王の位置づけも興味深い。ヒッタイト帝国では王自身は神ではなく、神々の代理人のような立場であるが、王が死去した場合は神になると考えられていたようである。 また冒頭すこし茶化してしまった「チャリオット」だが、これは日本でいう流鏑馬のように移動しながら狙撃する新たな戦術でもあった。速度と狙撃を組み合わせた複雑なオペレーションで、のちの騎兵戦術の萌芽にも見える。また、チャリオットは「王権の象徴」という側面もあり、王は儀礼や祭祀でチャリオットに乗って登場することもあったという。 よく知る事(知ろうとする事)と与えられたイメージだけを持つことは違う。印象やイメージだけを眺めているから、人間は間違うのかもしれない。こうした認知ミスやバグの積み重ねによる制度的疲労、外的圧力により、やがて社会は制御不能になっていく。ヒッタイトの実像に迫る一冊。
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友人にヒッタイト好きな人がいる。加えて、テレビで古代文明についての番組が組まれたこともあり、手にした本。テレビでの説明が簡単で分かりやすかったが、さすがに詳細が書かれていた。鉄の帝国、ヒッタイト。謎の海の民に滅亡させられた、との認識でいたがそうではなかったようだ。鉄も持っていたが...
友人にヒッタイト好きな人がいる。加えて、テレビで古代文明についての番組が組まれたこともあり、手にした本。テレビでの説明が簡単で分かりやすかったが、さすがに詳細が書かれていた。鉄の帝国、ヒッタイト。謎の海の民に滅亡させられた、との認識でいたがそうではなかったようだ。鉄も持っていたが、それはヒッタイトだけではなく、しかも隕鉄という隕石からできたもので、鉄の精製をしていたわけではなさそうだと知り、驚く。ヒッタイトではとにかく王が殺し殺されていて、文化の違いを感じる。そこは闘いに強いヒッタイト、のイメージから大きく覆らなかった。知ってるつもりになっていたヒッタイト帝国について、知識を修正できた。
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