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ヒッタイト帝国 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2024/11/30

20世紀初頭まで謎だった民族、ヒッタイト人。 彼らは何処からきて都市を形成し、王国・帝国へと発展、 そして、どうして滅亡してしまったのか。 最新の調査・研究や楔形文字粘土板文書の解読から、 その国家、外交、生活などを詳細に解き明かし、解説する。 ・はじめに ・主要参考文献 第一章...

20世紀初頭まで謎だった民族、ヒッタイト人。 彼らは何処からきて都市を形成し、王国・帝国へと発展、 そして、どうして滅亡してしまったのか。 最新の調査・研究や楔形文字粘土板文書の解読から、 その国家、外交、生活などを詳細に解き明かし、解説する。 ・はじめに ・主要参考文献 第一章 ヒッタイト人の登場 第二章 ヒッタイト帝国の建国:古ヒッタイト時代 第三章 ヒッタイト帝国の混乱:中期ヒッタイト時代 第四章 帝国化するヒッタイト:ヒッタイト帝国期 第五章 絶頂からの転落?:ヒッタイト帝国の滅亡 第六章 ヒッタイトのその後:後期ヒッタイト時代 第七章 ヒッタイトの国家と社会 第八章 ヒッタイトの宗教と神々 第九章 ヒッタイトは「鉄の王国」だったのか? 第十章 ヒッタイトの戦争と外交 第十一章 ヒッタイトの都市とインフラ 第十二章 ヒッタイトの人々の暮らし 第十三章 ヒッタイトの再発見 最新の調査・研究や楔形文字粘土板文書の解読を元に、 浮き彫りになってきた、ヒッタイト帝国の姿。 アナトリアを中心に、アッシリア商人との貿易から 発展した都市国家群が王国や帝国の基盤に。 古代ヒッタイト時代のハットゥシリ一世による国土拡大。 中期ヒッタイト時代の中興の祖・トゥトハリヤ一世は 勢力をエーゲ海にまで広げた。 周辺からの攻撃で一時は衰退したが、ヒッタイト帝国期、 シュッピルリウマ一世がアナトリアの覇権を奪還する。 その後の帝国は疫病蔓延の中でも外交と軍事で成果を挙げ、 エジプトとのカディシュの戦いで絶頂へ。 しかし内戦や属領の自立、大旱魃、アッシリアや西方諸国の 動きに他民族の攻撃が重なり、滅亡してしまう。 全ての時代での後継者問題や王位簒奪、王族殺しもあった。 発掘史料から見えるのは国の変遷の他にも。 神々の代理人としての王の責務。 千の神々の多様性な宗教。祭礼と神殿建築の様式。 エキスパートな書記と多言語。王政と行政システム。 ヒッタイト法典。戦争と外交。牛やパン、ワイン等の食文化。 「鉄の王国」ではなかったこと。そして都市とインフラ。 大規模な地下穀物貯蔵倉、ダム、貯水池、地下に巡らされた 上水道は、古代にこんな技術があったのかと驚かされる。 最後のヒッタイトの再発見が興味深かったです。 歴史からは消えたが、旧約聖書にヒッタイト?な記述。 19世紀頃からの探検家や研究者の未知の遺跡の発見、 粘土板文書の解読により、ヒッタイト再発見に繋がる。 それは紆余曲折の道のりであり、考古学や文字解読の進歩の 道のりでもあります。その行程にわくわくしてしまいました。 今後の調査・研究の進展が楽しみです。

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2024/09/28

鉄の軍事国家というイメージを払拭してくれた内容でした。 都市のインフラや人々の食など、想像以上に発展している印象です。 多神教で征服した地域にも寛容だった点は古代ローマに通じており、現代より古代の方がグローバルな視点があると思いました。

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2024/05/03

イメージした鉄の文明ではなかったらしい。考えてみれば聖書の世界より2000年近く前の話。碑文の解明が結構進んでいるのには驚いた。

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2024/04/10

ヒッタイトが必ずしも鉄(鋼)の発明者ではない ドイツでの研究が進んでいる(アナトリア;現在のトルコ)

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2024/03/19

ヒッタイトは世界史の授業で初めて知り、『天は赤い河のほとり』で久しぶりに接し、最近ヒッタイトに関する記事を読んで懐かしくなり、ふとアマゾンで検索したらこの本を見つけて即買い。 秘密の製鉄技術で軍事国家にのし上がったイメージだったけど、実際は青銅器時代の帝国だった模様。 この本でヒ...

ヒッタイトは世界史の授業で初めて知り、『天は赤い河のほとり』で久しぶりに接し、最近ヒッタイトに関する記事を読んで懐かしくなり、ふとアマゾンで検索したらこの本を見つけて即買い。 秘密の製鉄技術で軍事国家にのし上がったイメージだったけど、実際は青銅器時代の帝国だった模様。 この本でヒッタイト人の生活を垣間見れて、タイムスリップした気分になった。

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2024/02/03

「鉄の王国」のイメージから一歩脱却してヒッタイトの実像を広く知ることができる一冊です。   <構成> 全体は十三章で構成されています。大きくいうと5つに分けることができると思います。 序章として第1章でヒッタイト人について概説されています。第2章から第6章は区分された時代ごとにヒ...

「鉄の王国」のイメージから一歩脱却してヒッタイトの実像を広く知ることができる一冊です。   <構成> 全体は十三章で構成されています。大きくいうと5つに分けることができると思います。 序章として第1章でヒッタイト人について概説されています。第2章から第6章は区分された時代ごとにヒッタイト帝国の通史が述べられています。第7章からは第10章まではヒッタイトの国家像が各論点から解説されています。第11章・第12章ではヒッタイトの社会構造が説明されています。最後に第13章で歴史の彼方に消えたヒッタイトが再発見されるまでの経緯が語られています。 <ポイント> (1)ヒッタイトの通史を概観できる。 ヒッタイトの誕生、王国の成立、発展拡大して帝国化していき、周辺諸勢力との相克そして滅亡までが通史として概説されています。著者は考古学者でありその発掘成果と合わせてヒッタイトの歴史が紹介されています。 (2)ヒッタイトの国家・社会・文化などが総合的に解説されている。 これまでの発掘成果(遺跡や出土した粘土板などの文献史料等)から現在、解明しているヒッタイトの国家像や社会実態そして文化的側面などが総合的多面的に解説されています。   <こんな方にオススメ> (1)ヒッタイトについて知りたい (2)鉄器文明やその歴史に興味がある (3)古代オリエントの文明や歴史が好き   「私的な雑感」や補足情報などの詳細はnote『読書感想:歴史』に掲載しています。よかったらご覧ください。 https://note.com/rekishi_info/n/n2deeabfa8672   (2024/02/02 上町嵩広)

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2024/01/05

ヒッタイトという神秘的な古代帝国について、豊富な資料と共に事細かく解説されており、タイムスリップした気分になれた。高校生時代に読んでハマった『天は赤い河のほとり』のお陰でヒッタイトという響きにロマンを感じる。 当時のアナトリアで神々とともにヒッタイト人の生活があり、楔形文字のタブ...

ヒッタイトという神秘的な古代帝国について、豊富な資料と共に事細かく解説されており、タイムスリップした気分になれた。高校生時代に読んでハマった『天は赤い河のほとり』のお陰でヒッタイトという響きにロマンを感じる。 当時のアナトリアで神々とともにヒッタイト人の生活があり、楔形文字のタブレットが現代にその様子を伝え、今私が読んでいるという当たり前の事実に対し、静かに感動する。

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2023/12/30

ヒッタイトについて漠然としたイメージ、つまり鉄器で古代エジプトを圧倒したとかいうような情報しか持たない者にとって、今まで積み上げられた発掘された遺物による考古学の成果をベースに、何が判明していて何が不明かをはっきりとさせている詳細な解説がありがたい。現トルコ各地の遺跡の情報や、特...

ヒッタイトについて漠然としたイメージ、つまり鉄器で古代エジプトを圧倒したとかいうような情報しか持たない者にとって、今まで積み上げられた発掘された遺物による考古学の成果をベースに、何が判明していて何が不明かをはっきりとさせている詳細な解説がありがたい。現トルコ各地の遺跡の情報や、特に日本で根強い「鉄の王国」のイメージができた理由などとても興味深かった。

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2023/11/23

想像の何倍も丁寧で詳しい内容だった。大満足。 古代エジプト考古学者になりたかった時期もあったからか本屋で見つけて即断即決即買。 碑文や書簡の日本語訳と引用されてたりして本当楽しめた。 鉄の国っていうイメージしか持ってなかった自分としては大変勉強になった気がしてる

Posted byブクログ