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歴史としての二十世紀 新潮選書
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歴史としての二十世紀 新潮選書

高坂正堯(著者)

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歴史としての二十世紀 新潮選書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2023/11/16
JAN 9784106039041

歴史としての二十世紀

¥1,760

商品レビュー

4.4

10件のお客様レビュー

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2024/12/15

講演内容を書籍化したからか、複雑に絡む内容が理解しやすかった.「戦争の世紀」で軍事教練が”戦場で逃げない人間を作り出す訓練‘’ だと説明されていたが、大事な指摘だと感じた.「共産主義とは何だったのか」が最高に楽しめた.団塊世代の小生らは、共産主義に何かしら興味を持って過ごしてきた...

講演内容を書籍化したからか、複雑に絡む内容が理解しやすかった.「戦争の世紀」で軍事教練が”戦場で逃げない人間を作り出す訓練‘’ だと説明されていたが、大事な指摘だと感じた.「共産主義とは何だったのか」が最高に楽しめた.団塊世代の小生らは、共産主義に何かしら興味を持って過ごしてきた過去がある.80年代以降、下火になってきた理由が詳細に述べられており、納得できる明快な解説だと感じた.「繁栄の25年」で農民が狡猾さと善良さを合わせて持っているという記述、朝鮮半島からの引揚者であった母が、家を借りる時に農民にかけられた言葉をしきりに言っていたことを思い出した.「引揚者のくせに!」.1947~1972年の空前の経済成長が詳細に語られていたが、その時期に少年時代を過ごした小生は、身近に感じたことが述べられており、懐かしかった.

Posted by ブクログ

2024/11/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

高坂正尭は高校・大学時代にテレビでよく見て、人懐っこい笑顔と京都弁だが、主張していることは徹底したリアリズムに基づきとても奥が深い。大学時代には本も何冊か読んだ。彼の1990年の講演が30年余りたって読めるようになると知り、とても嬉しくなり手にとった。 講演は冷戦崩壊直後。単に西側・自由主義陣営の勝利という目の前に事象に浮かれず、人間の、民族の、国柄や国・社会の本質をしっかり冷静に見つめてきたことがよくわかる。 テーマは戦争、恐慌、共産主義、繁栄、大衆、そして異なる文明との遭遇、の6つ。 日露戦争がその後の精神論優位、守備より攻撃が有利という「戦訓」を生み、第一次世界大戦の長期化を招いたという指摘は参考になる。ドイツの地政学的な役割と三十年戦争のトラウマというのもなるほど、と感じた。「いい人の政治家が戦争を起こすことがある」との指摘は現代にも通用するだろう。 共産主義に関する章では、最近の(冷戦崩壊直後の)共産主義批判は薄っぺらい、共産主義は「嫌いなもの反対党」と断ずる。1930年代の激しく対立した時代は共産主義者はしかとした青写真があり反資本主義的言説に責任を持ち、反対勢力は資本主義を守るための根源的な問いがあったと。これも2020年代の現代でも当てはまるだろう。 資本主義について「ラグビーボールの哲学」のようにマスタープランなしにどちらに転ぶかわからず、政治でも経済でも競争原理で各々がイニシアティブを発揮し、それが意外な利点を生むことがあるというのも納得だ。 日本の政治家は二流である理由は、経済合理主義を重んじ政治の力に制限を加えるようにしてきたから、いかに人間が不合理かがわかり交渉する安全保障に高い関心を持つ政治家がいなければ国際舞台で迫力ある交渉はできない、という主張も印象深い。 まだまだ印象的な箇所はあるが、それ以上にほかの高坂氏の本を読みたくなった。 この本を世に出そうとしてくれた細谷雄一氏にも感謝したい。

Posted by ブクログ

2024/09/28

高坂史観の凄いところがその時代特有の雰囲気、規範を汲み上げた上で歴史のイベントを話すため、一見後世から見ると不思議に思う挙動でも因果がわかりやすいところだと思う。 特にアメリカ史の禁酒法からWW2後の米国社会のパラダイムを鮮やかに描写している。 しかし国際政治学者であっても軍事の...

高坂史観の凄いところがその時代特有の雰囲気、規範を汲み上げた上で歴史のイベントを話すため、一見後世から見ると不思議に思う挙動でも因果がわかりやすいところだと思う。 特にアメリカ史の禁酒法からWW2後の米国社会のパラダイムを鮮やかに描写している。 しかし国際政治学者であっても軍事の専門家では無いためか、WW1での「戦争論」の理解が曲解しているところがあった(「戦争は別の手段をもってする政治」の解説部)

Posted by ブクログ

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