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歴史としての二十世紀 新潮選書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2023/11/16 |
JAN | 9784106039041 |
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歴史としての二十世紀
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商品レビュー
4.4
9件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
高坂正尭は高校・大学時代にテレビでよく見て、人懐っこい笑顔と京都弁だが、主張していることは徹底したリアリズムに基づきとても奥が深い。大学時代には本も何冊か読んだ。彼の1990年の講演が30年余りたって読めるようになると知り、とても嬉しくなり手にとった。 講演は冷戦崩壊直後。単に西側・自由主義陣営の勝利という目の前に事象に浮かれず、人間の、民族の、国柄や国・社会の本質をしっかり冷静に見つめてきたことがよくわかる。 テーマは戦争、恐慌、共産主義、繁栄、大衆、そして異なる文明との遭遇、の6つ。 日露戦争がその後の精神論優位、守備より攻撃が有利という「戦訓」を生み、第一次世界大戦の長期化を招いたという指摘は参考になる。ドイツの地政学的な役割と三十年戦争のトラウマというのもなるほど、と感じた。「いい人の政治家が戦争を起こすことがある」との指摘は現代にも通用するだろう。 共産主義に関する章では、最近の(冷戦崩壊直後の)共産主義批判は薄っぺらい、共産主義は「嫌いなもの反対党」と断ずる。1930年代の激しく対立した時代は共産主義者はしかとした青写真があり反資本主義的言説に責任を持ち、反対勢力は資本主義を守るための根源的な問いがあったと。これも2020年代の現代でも当てはまるだろう。 資本主義について「ラグビーボールの哲学」のようにマスタープランなしにどちらに転ぶかわからず、政治でも経済でも競争原理で各々がイニシアティブを発揮し、それが意外な利点を生むことがあるというのも納得だ。 日本の政治家は二流である理由は、経済合理主義を重んじ政治の力に制限を加えるようにしてきたから、いかに人間が不合理かがわかり交渉する安全保障に高い関心を持つ政治家がいなければ国際舞台で迫力ある交渉はできない、という主張も印象深い。 まだまだ印象的な箇所はあるが、それ以上にほかの高坂氏の本を読みたくなった。 この本を世に出そうとしてくれた細谷雄一氏にも感謝したい。
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高坂史観の凄いところがその時代特有の雰囲気、規範を汲み上げた上で歴史のイベントを話すため、一見後世から見ると不思議に思う挙動でも因果がわかりやすいところだと思う。 特にアメリカ史の禁酒法からWW2後の米国社会のパラダイムを鮮やかに描写している。 しかし国際政治学者であっても軍事の...
高坂史観の凄いところがその時代特有の雰囲気、規範を汲み上げた上で歴史のイベントを話すため、一見後世から見ると不思議に思う挙動でも因果がわかりやすいところだと思う。 特にアメリカ史の禁酒法からWW2後の米国社会のパラダイムを鮮やかに描写している。 しかし国際政治学者であっても軍事の専門家では無いためか、WW1での「戦争論」の理解が曲解しているところがあった(「戦争は別の手段をもってする政治」の解説部)
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お盆のとき、父親から同じ本を間違えて二冊買っちゃったからと貰った本。 1990年の6回の講演を書籍化したもの。 嚙み砕いたような語り口は読み易いが、裏付けされた知識は凄い。 序盤の第一次世界大戦前のドイツのについて、大言壮語、自信過剰という言葉が出てくる。「ドイツが世界の中で...
お盆のとき、父親から同じ本を間違えて二冊買っちゃったからと貰った本。 1990年の6回の講演を書籍化したもの。 嚙み砕いたような語り口は読み易いが、裏付けされた知識は凄い。 序盤の第一次世界大戦前のドイツのについて、大言壮語、自信過剰という言葉が出てくる。「ドイツが世界の中で名誉ある地位を占めたい」と世界に言ってしまう。公言せずに密かにやるのが賢い、とある。この指摘に東条英機の本を読んだばかりなので反応してしまう。日本は国を挙げて自信過剰で大言壮語してたんだよな。 共産主義が絶対だった時代も語られる。結局、共産主義は失敗したけど、資本主義が正しいものと証明されたされた訳ではないとする。まして、民主主義との組み合わせがうまくいくと証明されたわけでない。ホントそうだと思う。 高坂さんはバランス感覚が素晴らしい。ドイツ人の権威主義を説明しつつ、無政府主義的傾向も語る。国民性を決めつける危うさを指摘してしている。 34年前の本なので、日本経済が好調で、貿易摩擦、日本異質論が散々言われていた時代。アメリカとの構造協議なんてあった。忘れていたけど、今考えるとナンジャソリャのレベル。まして、それを日本はお節ゴモットモとしたんだから凄いな。 現在は経済の中心は中国に移り、それも既に陰りが見えてる。まさかと思ったロシアのウクライナ侵略、イスラエルのパレスチナ攻撃で世界は戦争状態になった。 日本は多少落ちぶれたけれど、マンガ、アニメが世界で評判になり、ラーメンやお回転寿司のB級グルメがブームで世界からの観光客が押し寄せている。日本人のきれい好きや規律を守ることや親切心が好感を持たれている。 高坂さんなら、今の状況をどう云われるだろう。 世界のリーダーたり得ないが、信用される国となりつつあると云われるだろうか。
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