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侵略日記
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侵略日記

アンドレイ・クルコフ(著者), 福間恵(訳者)

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侵略日記

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ホーム社/集英社
発売年月日 2023/10/26
JAN 9784834253757

侵略日記

¥2,970

商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2024/05/10

世界が震撼したウクライナへのロシアの侵攻。 その直前である2021年12月29日から、侵攻を挟んで、2022年7月11日までのウクライナ人の日記。 日記、とは言うものの、書いたのはウクライナの高名な作家でもあり、そこは私的なものばかりではなく、ウクライナという国の歴史、人種や言語...

世界が震撼したウクライナへのロシアの侵攻。 その直前である2021年12月29日から、侵攻を挟んで、2022年7月11日までのウクライナ人の日記。 日記、とは言うものの、書いたのはウクライナの高名な作家でもあり、そこは私的なものばかりではなく、ウクライナという国の歴史、人種や言語や文化の解説、世界の動向、ロシアとの関係などなど、世界の読み手を意識して書かれたものでもあり、そういう意味からも、ウクライナという国と「今」を理解しやすい。 そもそも、今回の侵攻が起こるまで、ウクライナという国がどういう国なのか、どういう歴史を持ち、どんな人種であるのか、など、ほとんど知識はなかった。 ヨーロッパからアジアにかけての長い長い征服と分裂を繰り返している歴史があることは、一通りは歴史で習うが、そういった長い戦いの中で、一つの種族だけで暮らしいてきたわけではないことから、混ざり合っている血や言語などは、島国日本にいいるとピンと来ないところがある。戦闘下にある日記を読みながら、そういう国で、そういう歴史を持った民族なのか、ということを知った。今回の戦争にしても、2022年の2月24日に始まったものと思っていたが、実際はその前から国境付近の東ウクライナでは戦闘があったことなども、正直、初めて知った。それだけでも、読む価値があったと思う。

Posted by ブクログ

2024/03/18
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権力者は歴史を仕立て上げる。それに対して私的な日記は真実をとどめうる。ウクライナ侵攻の2ヶ月前から、侵攻後5ヶ月の記録。侵攻直後の混乱と緊迫感から、少しずつ緊張が緩んでいって戦争に慣れていき、キーウに戻る人も増えていくウクライナの様子が内側から描かれている。 ロシア語話者であった著者クルコフは、ロシア語が支配の言葉でないことを示すために小説はロシア語で書くスタンスをとっていたが、侵略以降はウクライナ語をメイン言語にせざるを得なかった。ロシア語話者は普通の4倍の愛国心を見せないとウクライナでは認められない。ロシア文化やロシア語を敵のものとして排斥する動きはウクライナだけでなくて、残念ながら日本にもあると思う。筆者の言うとおり、水とパンと同様に文化も生きるのには必要なのにね。ゼレンスキーはロシア語話者のユダヤ人なのに、ロシアのプロパガンダは「ウクライナのナチスからロシア語話者を救出する」であり、それが信じられているのって恐ろしいなと思う。

Posted by ブクログ

2024/02/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

ウクライナ侵攻について特集した番組の中で本書と著者が紹介されているのを見て手に取り。 装丁は美しいですが手に取るのに覚悟のいる一冊でした。 簡単な地図がついてますがロシア・ウクライナの地理も歴史も文化も全く知らないので最初は中々とっつきづらかったのですが読み進むうちにウクライナ人の矜持のようなものをそこここに感じられるようになったと思います。 侵攻の残虐さや非道さは日本の報道でも(ものすごくきっと限定的でしょうが)見ることがありますが、そこに現実に生きている人の生活の様子(住居や故郷からの退去、食料や日用品の調達、医療に状況など)や思いはそこからはわからないです。そういうものの一部を本書によって知ったと思います。 戦時中であってもできるだけ日常を過ごそうとすること、少し戦況が落ち着いたと感じられたら住んでいた地域へ戻っていく人の多いこと、避難してきた人たちに無償で住居や安全を提供する人が自国民でも近隣の国の人でも多くいることなど、本書を読まなければ知ることのなかったたくましさというか生きる力のようなものを知りました。 言葉は文化である、どの言語を使用するかというのがナショナル・アイデンティティに大きく関わる。言われてみればそうでしょう。日本人は多分国内にいれば90%以上の人が日常では日本語しか使わないのではないでしょうか。そういう社会の中ではナショナル・アイデンティティについて考えたり感じたりすることはほぼないように思います。少なくとも私はそういうことについてきちんと考えたことはなかったと思いました。 ロシアの刑務所にいる親しい人へ言葉を届けるために苦労している場面が本書にありますが、そのもどかしさは想像を超えました。 空襲を知らせるアプリがある、というのも驚きました。人間は必要なものならどんなものでも作り出すのだなぁとそんなところにも感心してしまいました。 人は水や空気がなくては生きられないし文化がなくても生きられない、と著者は言う。 大災害や戦争の時期にはことのほか文化が重要となるという。 それが生きる支えになるし何よりそれもアイデンティティにとって重要だからだと思う。 戦時中であっても書くことをやめない、本を作ることを諦めない、むしろ「恐ろしくても何としても私は書く」と作家は言う。戦争と読書は両立しないと言いながらも生きること、伝えること、残すことを諦めない作家の使命感に震える。

Posted by ブクログ

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