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侵略日記 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2026/03/24

この「侵略日記」はキーウ在住のウクライナの作家、アンドレイ・クルコフによる ※2021.12.19---2022.7.11※の半年間の出来事を「英語」で記した日記の全訳だ もし追記等がなく最低限の直しのみなのだとしたら そう、明らかに始めから不特定多数へ向けて書かれたメッセージ...

この「侵略日記」はキーウ在住のウクライナの作家、アンドレイ・クルコフによる ※2021.12.19---2022.7.11※の半年間の出来事を「英語」で記した日記の全訳だ もし追記等がなく最低限の直しのみなのだとしたら そう、明らかに始めから不特定多数へ向けて書かれたメッセージでもあるはずだ 侵攻が始まったのは2月24日、その2か月前からこの日記は始まるのに、不穏さはすでに漂っている 18歳から60歳の女性を兵役登録する決定。 新年のゼレンスキー大統領による年頭挨拶 「我々は、自国の問題を世界が解決してくれるのを待っているのではない」 対しこの放送を見た著者の感想 「私としてはそれを待っているし、むしろ当てにしているのである」 そして次の項は1月19日まで行うというウクライナの祝祭シーズン、クリスマスだ とても丁寧に、真の意味での日記としては異常な程、つまり世界で読まれること前提に背景歴史等が書かれている。あくまでチラ裏な日記ならここまで書き込まないだろう。作家として予感をしていたか、または後日メロウに追記したか、だがそこはまあ、いいだろう 何気ない友人との会話、新型コロナウイルスにより出版用に必要な製紙が足りない そんな日常の中で度々現れる「ロシアが攻撃してくるらしい」という噂 2月23日、本当に始まるのでないかと著者へ友人から電話がひっきりなしに鳴るようになる 作家なら何か知ってることあるのだろ?というすがりだと思う 初めて緊張するようになる、しかし自宅近くのレバノン料理店は夏のテラス席を設置中だった そしてついに友人がロシア政府の物資調達サイトに45000枚の遺体収容袋があるとスクリーンショットを送ってきた ウクライナへ攻撃を開始し、ロシアは最大50000もの兵士を失う心づもりがある 要約したけれど侵攻開始までが四分の一 残りは進行後 読んですぐにわかると思うが、とにかくロシア−ウクライナ間の内政、違いを日記と別枠で描かれている。わかりやすいと捉えるか、日記という体裁を貫くのならスピード感、感情を崩した表現になってしまったのでは なんてことはきっと著者には関係無い 僕はこういう日常を過ごし、不安に思い 周りも揺さぶられ始め、そして始まった ただそれだけを伝えたかったのだと思う 本文最後は恐らく思ってもいないユーモアが待っている それは作家としての精一杯の読者へのメッセージに見えるし、ペンは強しの強がりにも見えるし、感想を述べることが波及し…… 最大のペン置き文、だと思う 内部のニュートラルな思いは新鮮、あれ?という違和感はまさに他人事の偽善で形成されているのかと思うと 大変難しい文字群です、本当に

Posted byブクログ

2025/12/10

両国の歴史問題を少し勉強してから読むと理解しやすいのかなと思いました。 戦争は人の命だけではなく、人類社会とは全く関係のない動物へも被害が出てる事に気づきました。

Posted byブクログ

2025/08/20

戦争の中の灰色の日々に形が、色が、声がついていくようだった。 あくまで「日記」なので、何か一つの出来事を追っていく事はない。全ては点々とした出来事の集積である。 その中に見え隠れするウクライナへの想い、そしてプーチンへの怒り。国際社会がこの戦争を見ようと彼らからするとある日突然、...

戦争の中の灰色の日々に形が、色が、声がついていくようだった。 あくまで「日記」なので、何か一つの出来事を追っていく事はない。全ては点々とした出来事の集積である。 その中に見え隠れするウクライナへの想い、そしてプーチンへの怒り。国際社会がこの戦争を見ようと彼らからするとある日突然、大国によって押し付けられた戦争でしかない。 戦争の中でも日常はある。そこに突然ミサイルが飛来したり、誰かがいなくなったりするだけで。読後、ニュースの向こう側で不敵な笑みを浮かべるあの男に向かって毒づいてやりたくなった。一国の権力を握って隣国の人々を殺すのはさぞ幸せでしょうね、と。

Posted byブクログ

2025/01/20
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世界が震撼したウクライナへのロシアの侵攻。 その直前である2021年12月29日から、侵攻を挟んで、2022年7月11日までのウクライナ人の日記。 日記、とは言うものの、書いたのはウクライナの高名な作家でもあり、そこは私的なものばかりではなく、ウクライナという国の歴史、人種や言語や文化の解説、世界の動向、ロシアとの関係などなど、世界の読み手を意識して書かれたものでもあり、そういう意味からも、ウクライナという国と「今」を理解しやすい。 そもそも、今回の侵攻が起こるまで、ウクライナという国がどういう国なのか、どういう歴史を持ち、どんな人種であるのか、など、ほとんど知識はなかった。 ヨーロッパからアジアにかけての長い長い征服と分裂を繰り返している歴史があることは、一通りは歴史で習うが、そういった長い戦いの中で、一つの種族だけで暮らしいてきたわけではないことから、混ざり合っている血や言語などは、島国日本にいいるとピンと来ないところがある。戦闘下にある日記を読みながら、そういう国で、そういう歴史を持った民族なのか、ということを知った。今回の戦争にしても、2022年の2月24日に始まったものと思っていたが、実際はその前から国境付近の東ウクライナでは戦闘があったことなども、正直、初めて知った。それだけでも、読む価値があったと思う。

Posted byブクログ

2024/03/18
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権力者は歴史を仕立て上げる。それに対して私的な日記は真実をとどめうる。ウクライナ侵攻の2ヶ月前から、侵攻後5ヶ月の記録。侵攻直後の混乱と緊迫感から、少しずつ緊張が緩んでいって戦争に慣れていき、キーウに戻る人も増えていくウクライナの様子が内側から描かれている。 ロシア語話者であった著者クルコフは、ロシア語が支配の言葉でないことを示すために小説はロシア語で書くスタンスをとっていたが、侵略以降はウクライナ語をメイン言語にせざるを得なかった。ロシア語話者は普通の4倍の愛国心を見せないとウクライナでは認められない。ロシア文化やロシア語を敵のものとして排斥する動きはウクライナだけでなくて、残念ながら日本にもあると思う。筆者の言うとおり、水とパンと同様に文化も生きるのには必要なのにね。ゼレンスキーはロシア語話者のユダヤ人なのに、ロシアのプロパガンダは「ウクライナのナチスからロシア語話者を救出する」であり、それが信じられているのって恐ろしいなと思う。

Posted byブクログ

2024/02/16
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※このレビューにはネタバレを含みます

ウクライナ侵攻について特集した番組の中で本書と著者が紹介されているのを見て手に取り。 装丁は美しいですが手に取るのに覚悟のいる一冊でした。 簡単な地図がついてますがロシア・ウクライナの地理も歴史も文化も全く知らないので最初は中々とっつきづらかったのですが読み進むうちにウクライナ人の矜持のようなものをそこここに感じられるようになったと思います。 侵攻の残虐さや非道さは日本の報道でも(ものすごくきっと限定的でしょうが)見ることがありますが、そこに現実に生きている人の生活の様子(住居や故郷からの退去、食料や日用品の調達、医療に状況など)や思いはそこからはわからないです。そういうものの一部を本書によって知ったと思います。 戦時中であってもできるだけ日常を過ごそうとすること、少し戦況が落ち着いたと感じられたら住んでいた地域へ戻っていく人の多いこと、避難してきた人たちに無償で住居や安全を提供する人が自国民でも近隣の国の人でも多くいることなど、本書を読まなければ知ることのなかったたくましさというか生きる力のようなものを知りました。 言葉は文化である、どの言語を使用するかというのがナショナル・アイデンティティに大きく関わる。言われてみればそうでしょう。日本人は多分国内にいれば90%以上の人が日常では日本語しか使わないのではないでしょうか。そういう社会の中ではナショナル・アイデンティティについて考えたり感じたりすることはほぼないように思います。少なくとも私はそういうことについてきちんと考えたことはなかったと思いました。 ロシアの刑務所にいる親しい人へ言葉を届けるために苦労している場面が本書にありますが、そのもどかしさは想像を超えました。 空襲を知らせるアプリがある、というのも驚きました。人間は必要なものならどんなものでも作り出すのだなぁとそんなところにも感心してしまいました。 人は水や空気がなくては生きられないし文化がなくても生きられない、と著者は言う。 大災害や戦争の時期にはことのほか文化が重要となるという。 それが生きる支えになるし何よりそれもアイデンティティにとって重要だからだと思う。 戦時中であっても書くことをやめない、本を作ることを諦めない、むしろ「恐ろしくても何としても私は書く」と作家は言う。戦争と読書は両立しないと言いながらも生きること、伝えること、残すことを諦めない作家の使命感に震える。

Posted byブクログ