商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2023/10/25 |
JAN | 9784065331439 |
- 書籍
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なれのはて
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なれのはて
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商品レビュー
4.3
298件のお客様レビュー
「天は二物を与えず」なんて、大嘘なのになんで格言として残っているのか以前から不思議で仕方なかったんですが、加藤さんはまさにこれを体現してますね。 凄すぎる…。この一言。 お忙しい筈なのに、どうやってこんな大作を執筆する時間を取っているのか。かなり綿密な取材もされていると思いま...
「天は二物を与えず」なんて、大嘘なのになんで格言として残っているのか以前から不思議で仕方なかったんですが、加藤さんはまさにこれを体現してますね。 凄すぎる…。この一言。 お忙しい筈なのに、どうやってこんな大作を執筆する時間を取っているのか。かなり綿密な取材もされていると思いますし、加藤さんだけ1日48時間あるのですか? 分けてくれませんか? (これは毒島に言わせればハンサムにだけ許された地球時間なのか?!) 人気本の予約割り当てラッシュで返却日管理にパニックを起こし、呑気に『禁忌の子』を読んでいたらこっちの方が期日がやばかった。 と言うわけで先にこちらの感想をば。 この表紙、初めは髪の毛かと思っていたのでちょっとホラーミステリー?と思っていたら全然違った。 シンさまのレビューのコメント欄で仰ってた意味が漸く分かり、素晴らしい装丁だなと読み終えた後に再認識。 (でも髪の毛に見えるよね) 報道局で正義の報道をすると言う熱い情熱を胸に秘めて奔走していた守谷。ところがとあるネタに手を出した事によりイベント事業部に異動へ。 尊敬していた先輩とも別れ、全てのやる気を失った彼の指導役として着いたのが奇抜なファッションに身を包む吾妻。 祖母の形見である一枚の絵に心酔した彼女は、多くの人の目に触れさせたいと、一枚のみの展示会を企画したいと守谷に持ちかける。 ISAMU INOMATAという署名以外はなんの手掛かりもない無名の画家。 勿論、企画は通る筈もなく、説得するためにはどうしても作者を突き止めて生死も確認し、著作権問題も解決しなくてはならない。 守谷の報道局時代のツテを使い、画家の足跡を辿って行く内に、一つの不審な焼死体の事件に辿り着く。守谷と吾妻は石油で財を成した猪俣家の光と闇に踏み込んで行く事に。 もう、これ以上は凄すぎてまとめる事ができません。 『箱の中』に続いて感想を放棄したい位です。 守谷視点の現在と、戦前、戦中、戦後の時代が行き来して描かれます。 ミステリー要素が強いので、少しずつ猪俣家に何があったのかが紐解かれて行く構成にそりゃあもうページを捲る手が止まりませんでしたね。(返却日を失念していたせいで急いでいたという事も付け加えておきます。自業自得) 過去の話の壮絶さに気を取られていたら、現代でも絵を巡って事件が起きる。全く油断がならない。 シン様も書かれていましたが、この構成力の凄さは説明ができないので是非とも読んで体感して頂きたい所です。 猪俣家、本当に存在していたのじゃない?と思わせる程の凄み。 特に石油で一代を築いた兼通の執念が凄すぎて、彼の章を読んでいる間はずっと口が空いていましたし、息子である優が戦時中に味わった苦しみと悲しみには盛大な溜息が出る。 終戦があと1日早ければ…。 恐らく優のように終戦前日に苦しい思いをした方も数え切れない程におられた事でしょう。 ずしんと来ます。 来るんですが、守谷と吾妻の変化と成長も含めて最後には… 目からジュース!!(シン様すみません、パブドメじゃないのにパクりました。) なんじゃこりゃぁあ!!なんじゃこの素敵なエンディングはぁ!! 長かった、長い旅だったけど辿り着けて良かった…。 とにかく、加藤シゲアキさんの渾身の一作にどっぷりと浸らせて頂きました。 結果ですね、天は二物も三物も与えるのです。 さて、凡人の私はチャリを飛ばして返却に行くぞー!
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ストーリーは面白かった。直木賞候補作品! ただ、猪俣家の面々のキャラクターが凄すぎて、自分の許容範囲を越えてしまった感じ。関係者みなに重い人生の後悔があり、強すぎる思い入れがあり、怒りや悲しみがあって、ついていくのに少し息切れが、、、。 読みが浅いのかもしれないが、タイトルの『な...
ストーリーは面白かった。直木賞候補作品! ただ、猪俣家の面々のキャラクターが凄すぎて、自分の許容範囲を越えてしまった感じ。関係者みなに重い人生の後悔があり、強すぎる思い入れがあり、怒りや悲しみがあって、ついていくのに少し息切れが、、、。 読みが浅いのかもしれないが、タイトルの『なれのはて』の意味するところも、私自身は辛さが先立ってしまった。 私にとっては、道生の存在が光に見えた。だから、展覧会でのラストシーンは予想通りだったけれど、物語の中で唯一ほっとした場面でした。
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素晴らしい作品でした。加藤シゲアキ作品初読みでしたが、ここまでとは正直驚きました。かなり綿密な調査、多くの文献等資料をもとに苦労して書き上げた作品なのだろうと読み取れます。その為、ひとつひとつの事象、時代背景、戦時下、石油、人物像など、読者にちゃんと理解を得てもらえるよう、とても...
素晴らしい作品でした。加藤シゲアキ作品初読みでしたが、ここまでとは正直驚きました。かなり綿密な調査、多くの文献等資料をもとに苦労して書き上げた作品なのだろうと読み取れます。その為、ひとつひとつの事象、時代背景、戦時下、石油、人物像など、読者にちゃんと理解を得てもらえるよう、とても丁寧に描かれているなと感じました。とにかく、たったひとつの絵からここまで物語を展開させていこうとした事が凄いですね。個人的には、ちょっと山下清がよぎりましたが、作品としては素晴らしく400頁をゆっくりじっくり楽しんで読ませていただきました。また次回作に期待したいと思います。
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