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誘拐犯(下) 創元推理文庫
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誘拐犯(下) 創元推理文庫

シャルロッテ・リンク(著者), 浅井晶子(訳者)

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誘拐犯(下) 創元推理文庫

1,386

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2023/10/10
JAN 9784488211134

誘拐犯(下)

¥1,386

商品レビュー

3.8

7件のお客様レビュー

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2024/07/21

この作品はミステリ小説ではありますが、途中に手掛かりが忍ばせてあり、読者はそれをもとに犯人を推理しながら読むという形式のものではありませんでした。 後半次々と明らかになった事実は、登場人物が感じると同じくらい唐突に表れ、推理する間もなく犯人を明らかにします。 そしてその真相は…...

この作品はミステリ小説ではありますが、途中に手掛かりが忍ばせてあり、読者はそれをもとに犯人を推理しながら読むという形式のものではありませんでした。 後半次々と明らかになった事実は、登場人物が感じると同じくらい唐突に表れ、推理する間もなく犯人を明らかにします。 そしてその真相は…確かに予想外。 でも私は、誘拐された少女たちよりも、誘拐した犯人のことよりも、誘拐されなかった少女の闇が気になりました。 彼女の家庭はいささか借金が重めではあり、そのため両親の中が必ずしも良いとは言えませんが、それでも子どもを思う気持ちは本物です。 なのに、あそこまで徹底して親を拒否するに至った経緯がわからないので、もやもやしました。 ちょっと常軌を逸した行い、ふるまいも気になります。 主役であるケイトにも、悲劇とある種の喜劇が訪れます。 これを機に彼女が、誰もがコンプレックスを抱えながら隠して生きていることに気づき、あまり自分を否定しないで生きてほしいと思いました。 好悪の情は理性とは違うし、ましてや恋愛感情は、というところはありますが、第三者としてみている分には、ロンドンから故郷に戻ってきて、ケイレブと一緒に事件を捜査するのが一番いいような気がします。 彼は彼女の能力を高く評価していますし、彼も問題を抱えていることをケイトは知っているので、一方的な優越感や劣等感にさいなまれることはないのではないでしょうか。 もしどうしてもロンドンに戻るのであれば、コリンとの茶飲み友達付き合いを通して、自分がそれほど卑屈になる必要はないことを日々実感すればいいし。 次作はまだ訳されていないようなので、縁があったら前作を読んで、なぜケイトがかくも自己評価が低いのか探ってみようと思います。

Posted by ブクログ

2024/05/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 行方不明になっていた女の子アメリーは、アレックス・バーンズのもとにいた。2人は恋人同士のつもりだったがバーンズはアメリーと別れたがっていた。また彼女の両親からお金をせしめようとしていた。  ケイトは単独捜査を進め、行方不明になった少女の一人ハナの父ライアン・キャスウェルが精神科クリニックの管理人をしていたことを知る。彼は女性患者の一人と関係を持ち退職していたが、後に彼女と結婚した。その患者リンダの親戚がソーンダース、行方不明になったマンディーが一時期世話になっていた作家志望の男性だ。  ソーンダースはケイトを遠く離れた一軒家に連れて行く。そこに少女たちが監禁されていたのだった。家にはマンディーが監禁されリンダも居合わせる。リンダは一時期海外にいたがすぐに戻ってきて、次々と家族となりそうな娘たちを誘拐していたのだった。  ケイトとマンディーは助けられた。自宅に帰ったケイトは彼氏だと思っていたデイビットの元へ行くが、実は彼はアメリーを誘拐したアレックスバーンズの友人だった。金で事件の証人になり、情報を得るためにケイトと付き合うふりをしていたのだった。  結局、ケイトは傷心のまま実家を売らずにクリスマスを迎える。 《感想》第一印象は誰も幸せな人がいない作品。主人公のケイトはとにかく孤独で自己肯定感が低く、ひがみやすい。その分他の人のことをよく観察していて、それが捜査でも発揮される。人と接点を持たない割に思い込んだら頑固なので単独行動に走りがち。小柄で痩せ型で喜怒哀楽はわからないやり手の捜査官ってどんなんだろう。映像化されるなら誰なんだろう。  他の登場人物、被害者にしても捜査関係者にしても何かしら日常に不満がくすぶっていて幸せじゃない。イギリスの田舎町?の、海辺とか一軒家とかのんびりした風景での中で、事件はスピーディーに展開していく。飽きずに読めた。

Posted by ブクログ

2024/03/15

CL 2024.3.13-2024.3.15 マンディの苦境が読んでいてほんとに辛い。 アメリーの両親の絶望感も。 少しでも感情移入するとこっちまでどうかなってしまいそうな精神的に危うい人ばかりだった。 それでもケイトが少しずつ前を向いていけそうなラストがよかった。 ケイトもケイ...

CL 2024.3.13-2024.3.15 マンディの苦境が読んでいてほんとに辛い。 アメリーの両親の絶望感も。 少しでも感情移入するとこっちまでどうかなってしまいそうな精神的に危うい人ばかりだった。 それでもケイトが少しずつ前を向いていけそうなラストがよかった。 ケイトもケイレブも全然カッコいい刑事じゃないけど、なんだか惹きつけられる。

Posted by ブクログ