商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2023/09/26 |
JAN | 9784151201110 |
- 書籍
- 文庫
哀れなるものたち
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哀れなるものたち
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商品レビュー
4
23件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
Kindle版で読了。 構造が今にはなく、自分にとっては新鮮だった。 英米文学の授業でいろんな表現を分析しました。 面白い意見だな、と思ったもが「ベラ=スコットランド」のメタファーではないかという推測。ベラは様々な過程を経て社会主義に傾倒していく流れは、実際の「共産党宣言」の流れと同じ。また、ベラの脳みそを移植されたフランケンシュタイン的な人間という物理的な性質も、当時のイングランドに揉まれるスコットランドを表している。 という意見が、小説ってただの文章のカタマリではないんだな〜と強く感じさせてくれた。 内容的な話をすると、やはり特筆すべきはその構造だと思う。映画版でそれを表現しきれてないのは尺の都合だと思うけどちょっと残念。メタフィクション作品として、小説という虚構と読んでいるリアルの境界が曖昧になり、読者は小説の中の世界に没入できる。 初めてちゃんと分析した作品。
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観てから読みました。 映画は原作に忠実ではないけど、原作の風味を全く損なっておらず!それも驚きでした。 最終的な「真相」としては、マッキャンドルスの記録派です。 マッキャンドルスも、ベラも、信用できない語り手、だとしても、ラストの一文で、マッキャンドルス派…。 村田沙耶香さんの...
観てから読みました。 映画は原作に忠実ではないけど、原作の風味を全く損なっておらず!それも驚きでした。 最終的な「真相」としては、マッキャンドルスの記録派です。 マッキャンドルスも、ベラも、信用できない語り手、だとしても、ラストの一文で、マッキャンドルス派…。 村田沙耶香さんの「信仰」を読んだ時と同じ感覚に。小説なんだから作り物前提なのに、事実としてあったかも、と思わせられる感じ。 頭が良くても、貧乏だと外見に出てしまい、やはり弾かれてしまうことの辛さも描かれていました。 マッキャンドルスの身の上話もそうだし、ベラの(実の)おとうさんが、成金後にベラに与えた教育内容もそう…出自、育ち、辛い言葉です。 そんな言葉に振り回されず静かに生きる方法… そんなことも考えさせられました。 そして、反戦・反軍国主義小説でもありました。 若者を殺すだけの戦争… そのあたりをきちんと語っていました。 また、社会主義をベラに語らせていました。 それにしても「ウェド」だらけで少々疲れましたが(笑)、不思議な、おもしろい本でした。 映画共々賛否両論なかんじ。 読める人、観ても大丈夫な人にオススメ。 私的に星4つぴったり。 内容をよく表現している表紙イラストもアラスター・グレイ本人。すごい。
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良くも悪くも「人を食った」ような形式をとった作品で、流石はイギリス文学! と感じました。 川へ身投げして死んでしまった女性の胎内にいた赤ん坊の脳を、医師が母親に移植して蘇らせた…という概要だけは知っていたのですが、ストーリーそのものだけでなく、物語の形式そのものが、読者に色々と考...
良くも悪くも「人を食った」ような形式をとった作品で、流石はイギリス文学! と感じました。 川へ身投げして死んでしまった女性の胎内にいた赤ん坊の脳を、医師が母親に移植して蘇らせた…という概要だけは知っていたのですが、ストーリーそのものだけでなく、物語の形式そのものが、読者に色々と考えさせる構成になっているのが何とも曲者でした。 恐らくですが「フェミニズム」が激化したり、世間の考えに変化が起こるたび、評価を集める作品ではないでしょうか。 映画版だと後半部分は(ほぼ?)カットされてるとのことですが、そちらも好評なので観てみたいです。
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