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哀れなるものたち の商品レビュー

3.8

16件のお客様レビュー

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2024/06/07

「天才外科医が女性の死体から造り上げた人造人間」と結婚した医師の回顧録に、その人造人間が「私は人造人間ではなく本当の人間だ」と主張する手紙を付録にして編纂した書物…という体裁の書。 どちらの言い分が正しいかは読者の判断による。 映画化されたようだが、映画ではどちらの解釈なのか気...

「天才外科医が女性の死体から造り上げた人造人間」と結婚した医師の回顧録に、その人造人間が「私は人造人間ではなく本当の人間だ」と主張する手紙を付録にして編纂した書物…という体裁の書。 どちらの言い分が正しいかは読者の判断による。 映画化されたようだが、映画ではどちらの解釈なのか気になるところ。

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2024/06/07

これは……評価が出来ない。 映画を先に観ていて良かったと言わざるを得ないが、この本は全く別の記録として処理する方が脳に優しい。 装飾も構成も凝っていて、ページを捲るのが楽しかった。そして最後の大混乱。作者があの映画を見たら、どう思っただろうか。 「哀れなるものたち」というタ...

これは……評価が出来ない。 映画を先に観ていて良かったと言わざるを得ないが、この本は全く別の記録として処理する方が脳に優しい。 装飾も構成も凝っていて、ページを捲るのが楽しかった。そして最後の大混乱。作者があの映画を見たら、どう思っただろうか。 「哀れなるものたち」というタイトルにはとてもしっくりきた。良い訳だった

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2024/06/02

映画も衝撃的だったけど、小説も違った意味で衝撃的!映画よりベラの成長がひしひし感じられた。そして一体どちらが真実なのー⁈*感謝する必要のない人がそばにいるってなんて素敵なことかしら。

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2024/04/08

映画を公開日に見て、非常に面白いと感じたので、原作を手に取ってみました。 映画でも扱われたシーンは頭の中で想像しやすくより楽しく読めました。 ヴィクトリアの手紙によって、映画で扱われた大部分を否定しているためどっちが真実なのかは分かりませんが、それもまた物語の深みも増して良...

映画を公開日に見て、非常に面白いと感じたので、原作を手に取ってみました。 映画でも扱われたシーンは頭の中で想像しやすくより楽しく読めました。 ヴィクトリアの手紙によって、映画で扱われた大部分を否定しているためどっちが真実なのかは分かりませんが、それもまた物語の深みも増して良いと思いました。 個人的には映画よりも、原作の方が哀れなるものたちというタイトルがとてもしっくり来ました。 訳者さんが、哀れなという訳を多様して下さっているので、心に引っかかる部分は多いと思います。 ぜひ、映画と原作合わせて見てほしいです。多くの時間、この作品に触れられて幸せです。

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2024/03/29

まず気づくのが、本はベラを「観察対象」として描いていたこと。つまり、ベラは最初から最後まで客体だった。 無論映画でも「私は..」というナレーションが入るわけではないので、ベラが主体とは言い切れない。言っても、三人称体だったということになる。 しかし、小説は完全にベラの周りの創造...

まず気づくのが、本はベラを「観察対象」として描いていたこと。つまり、ベラは最初から最後まで客体だった。 無論映画でも「私は..」というナレーションが入るわけではないので、ベラが主体とは言い切れない。言っても、三人称体だったということになる。 しかし、小説は完全にベラの周りの創造主である男たちの一人称であるところに矜持があるらしい。フランケンシュタインというタイトルの小説が、怪物でなく実は博士のことを指し、創造主たる博士の主観体であったのと似ている。 この小説の体裁からは、女が社会的に1人の人間になる過程を描く作品に仕上がる気配はない。 映画版が2020年代の今日に作られ、またそれに相応しいストーリーの転換を行なっていたことを突きつけられて感服した。

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2024/03/22

先に映画観て大正解だった、エマ・ストーンさんが演じたベラを思い出しながら読むともう楽しすぎて楽しすぎて。 長いと思った533ページ、読み終えるのが惜しいと思うほど。面白かった……。 アラスターグレイさん自ら描いた挿絵もあったり、註釈、写真、などもあり、なかなか凝ってる本になって...

先に映画観て大正解だった、エマ・ストーンさんが演じたベラを思い出しながら読むともう楽しすぎて楽しすぎて。 長いと思った533ページ、読み終えるのが惜しいと思うほど。面白かった……。 アラスターグレイさん自ら描いた挿絵もあったり、註釈、写真、などもあり、なかなか凝ってる本になってると思いました。3枚目のカバーの絵もアラスターグレイさんが描いたものらしい。 2枚目のあらすじの通り、ある医者が自殺した妊婦(ベラ)に、そのお腹の中にいた赤ちゃんの脳を移植し、蘇生させた。 その女性は体が大人なのに脳が赤ちゃんという状態で第2の人生が始まり…とてもはやいスピードで成長していくベラ。 本当に楽しくて面白かった、それだけではなく、色々考えさせられたこともあり、自分も成長を止めることなく色々吸収したいと思いました。 この本も映画も面白かったのでオススメです。 こんなに楽しい!と思う読書は久しぶりかも。

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2024/03/15

カテゴリが正しいか不明、映画を見た後に読了。 文章や、文字の大きさ、もちろん文脈等、赤子が数年で成人女性となる経過を書ききっていて、思わず感嘆した。 不思議な小説、いや小説とも言えないかも。でも癖になります。翻訳がうまいせいか、とても読みやすいです。 翻訳じゃなく原語で読めたら...

カテゴリが正しいか不明、映画を見た後に読了。 文章や、文字の大きさ、もちろん文脈等、赤子が数年で成人女性となる経過を書ききっていて、思わず感嘆した。 不思議な小説、いや小説とも言えないかも。でも癖になります。翻訳がうまいせいか、とても読みやすいです。 翻訳じゃなく原語で読めたらなぁ・・・と痛感した本でした。

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2024/02/25

映画が衝撃的な面白さだったから原作を読んでみた。 ストーリーは概ね映画と変わりないけれど、"実在の人物が昔自費出版した本とその妻のメモを作者がまとめた"という体裁を取っているのが独特。映画には無かった最後の仕掛けによって、原作でも脳がクラクラする経験ができる...

映画が衝撃的な面白さだったから原作を読んでみた。 ストーリーは概ね映画と変わりないけれど、"実在の人物が昔自費出版した本とその妻のメモを作者がまとめた"という体裁を取っているのが独特。映画には無かった最後の仕掛けによって、原作でも脳がクラクラする経験ができる。 序文や注釈によってフィクションをあたかも実際に起きた事のように思わせる作りなのに、最後にそれがひっくり返される。今までの作者の努力とは真逆の仕掛けのように思えるのだけど、「どっちが真実?」と混乱しているうちに、「どちらかが真実のはず」という思考になっていて、まんまと作者の術中にハマっていることに気付く。 ただ、映画を先に観てしまっていると完全にフィクションとして読んでしまうのがちょっと勿体なかったかな。

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2024/02/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

奇書だ…!というのが第一印象。 実際の手紙のヴィクトリアが夫をバカ呼ばわりしていたり「こんな物書く時間があれば社会貢献のために働けよ」的なこと言ってたのが残念な気持ちになった。資本主義や家父長制の倫理と似たような考え方に陥ってしまうのが。 事実と違うのに自分がフランケンシュタインの怪物にされてたら腹立つのも分からんではないが。 ヴィクトリアは(1914年には)アーチボルドの回顧録の内容を嘘だとして拒絶したが、1920年の「愛の経済」(の序文と書評)を読むとヴィクトリアが(アーチボルドの書いた)ベラと同一化していったようにも感じる。これの本文も読みたかった。

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2024/02/10

映画の評判や本の評判でフェミニズム的な側面が強い本だと思われてそうだけど、この本はエゴ、進化学習へのメッセージが強いと思った 可愛らしく素敵な女性ってだけじゃダメだと思ったベラが学んで進化していく過程で他者からのエゴに振り回されたり、バッサリ切り捨てたりするその行動がベラの魅力...

映画の評判や本の評判でフェミニズム的な側面が強い本だと思われてそうだけど、この本はエゴ、進化学習へのメッセージが強いと思った 可愛らしく素敵な女性ってだけじゃダメだと思ったベラが学んで進化していく過程で他者からのエゴに振り回されたり、バッサリ切り捨てたりするその行動がベラの魅力の一つだと思った 私は比喩表現が多いと読み飛ばしちゃう人だから少し本だけではメッセージをちゃんと受け取れなかったかも、映画行ってきます〜!

Posted byブクログ