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高野聖・眉かくしの霊 岩波文庫
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高野聖・眉かくしの霊 岩波文庫

泉鏡花(著者)

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高野聖・眉かくしの霊 岩波文庫

627

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2023/09/15
JAN 9784003600450

高野聖・眉かくしの霊

¥627

商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2024/09/06

"魔"と"聖"が美しくせめぎ合う甘美で幻想的な世界を、余す事なく堪能できる泉鏡花の最高傑作。 ヒロインは魔性でありながら、聖母マリアのような慈愛と妖しい美しさを放つ美女の嬢様。 タイトルの高野聖が醸し出す神秘的なイメージもそのまま重なり...

"魔"と"聖"が美しくせめぎ合う甘美で幻想的な世界を、余す事なく堪能できる泉鏡花の最高傑作。 ヒロインは魔性でありながら、聖母マリアのような慈愛と妖しい美しさを放つ美女の嬢様。 タイトルの高野聖が醸し出す神秘的なイメージもそのまま重なります。 もう一人の主人公は嬢様に若い頃に出会った僧侶。 大和尚となり、修行に励む今でも十三夜の月明かりに照らされた嬢様の姿は記憶からは消えぬまま、という人物です。 鏡花の作品に登場する若く美しい女性というのは、鏡花が幼い頃に他界した母親を投影していると言います。 とすれば、嬢様は母親。 そして嬢様に永遠に焦がれている僧侶は、母親に憧れ続けたという鏡花自身なのかもしれません。 届かない永遠の美しさをずっと忘れられずにいる、作家の心の内を見るような作品でした。 ……❧……❧……❧ 眉かくしの霊も収録されていましたが、こちらの感想は次の機会にさせていただきます。

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2024/09/06

泉鏡花の文章は本当に生々しい。 冷たい様子は背筋が寒くなるほど、血が流れるさまは今、目の前にその人が立っているように、字を追い読書をしているのに本当に映像を見ているよう。 否、自分が物語のなかに放り込まれたくらいの臨場感と言った方が良いかも。 ジワジワとゆっくり、恐怖へ読者を締め...

泉鏡花の文章は本当に生々しい。 冷たい様子は背筋が寒くなるほど、血が流れるさまは今、目の前にその人が立っているように、字を追い読書をしているのに本当に映像を見ているよう。 否、自分が物語のなかに放り込まれたくらいの臨場感と言った方が良いかも。 ジワジワとゆっくり、恐怖へ読者を締め付けてくる泉鏡花の語り。話し手が入れ子形式になっていて、え?!ちょっとこれは誰が喋ってるの?と一旦読者を考えさせ、そこでまた恐怖を一段上げてくるというエグさ、テクニック。すごい。 お話の最後も、そこまでの経緯も、分かりやすい怪談とは全く違って。怪奇談、昔話といえばそうなんやけど、大人が本気で怖くなるお話だった。

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2024/04/30

高野聖は若い頃に読んでそんなに好みじゃなかった記憶がうっすらとあり、しばらくぶりに再読した今もあまり変わらない印象だったのだけど、眉かくしの霊があんまりにも好みだった。最初は情報を出し惜しんで幽霊だけを出し、語り終わったあとにまた同じ情景が再現される(しかも語りの中で)巧みな構成...

高野聖は若い頃に読んでそんなに好みじゃなかった記憶がうっすらとあり、しばらくぶりに再読した今もあまり変わらない印象だったのだけど、眉かくしの霊があんまりにも好みだった。最初は情報を出し惜しんで幽霊だけを出し、語り終わったあとにまた同じ情景が再現される(しかも語りの中で)巧みな構成。1行空きが効果的に使われての「似合いますか。」と最後の一文。溜め息が出るほど美しい。

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