商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館クリエイティブ |
発売年月日 | 2023/08/29 |
JAN | 9784864681957 |
- コミック
- 小学館クリエイティブ
とくにある日々(3)
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とくにある日々(3)
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商品レビュー
5
1件のお客様レビュー
- ネタバレ
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この(3)もまた、妙に面白く、グッと来た。 シュールなんだけど、一部だけに受ける笑いのツボを押してくるんじゃなく、地味に多くの者に良い、と思わせそうな「何か」があるんだよな、この『とくにある日々』は。 あぁ、今、自分は疲れているな、と自覚した時、漫画読みには、自分を元気にするために読みたい漫画がいくつかはある、と思う。その作品は人それぞれだろうし、他人がどうこう言うべきものじゃない。漫画読みには、そんな「栄養ドリンク」的な漫画が必要だ、と言いたいだけだ、私は。 マンガの力、そこらへんはさておき、私にとって、この『とくにある日々』は、精神的な疲労の度合いが、10段階で3か4の時に読みたくなる漫画だ。『からくりサーカス』は文句なしに名作、いや、神作なんだが、軽い疲労の時に読むには、ちょっと、栄養過多になってしまう。なので、この『とくにある日々』の癒し力が、ちょうど良いのである。 この(3)でも、ヒロインたちは、自由気ままに、青春を謳歌している。自由気まま、と書きはしたが、決して、学校のルールから逸脱した、勝手な行動をしている訳じゃない。ちょっとした不自由さを強いてくる学校のルールからはみ出ない程度で、彼女たちは楽しんでいるのだ。このギリギリさが、実に微笑ましいのだ。 この(3)の表紙で、メインを張っているしいちゃんときみちゃんは、龍に乗って空の旅を楽しんでいるが、決して、ファンタジー方面に方向転換している訳じゃない・・・まぁ、すっかり汚れてしまった私からすると、青春を楽しんでいるJKは、幻想世界の住人に等しいのだけどw 人によっちゃ、こんな学校生活を送っているJKはいないだろう、と言うだろう。しかし、私は、リアルな女子高校生の学園風景を見たい訳じゃない。興味がある人もいるだろうが、少なくとも、私は関心が無い。 私が見たくて、癒してくれるJKのぶっ飛びっぷりを、なか憲人先生は、ほんわかとした絵柄と、しっかりと起承転結が練られているストーリーで魅せてくれる。心から感謝を示したい。 この(3)は、どれもくすっと笑わせてくれるものばかりだったが、私的に、なか先生の良さが際立っているぞ、と感じたのは、44話だった。目の前に、謎のボタンがあったら人は、どうしたって押したくなる衝動を抱えている事、そして、時間の有意義かつ贅沢な過ごし方を教えて貰った気分だ。 この台詞を引用に選んだのは、ちょっと問題があるような気もするにしろ、むしろ、これくらい、思い切れる教師の方が人間的には信を置けるかもしれない、と感じたので。 教師だって、欲を持った人間だ。 子供達に、自分の欲を制御する方法を教え、人として成長させるのが仕事とは言え、欲望をあまり抑えすぎても、変なタイミングで爆ぜかねない。 であれば、教師には、上手く、ガス抜きをしてくれる方が、生徒からすれば助かる訳だ。 生徒に暴力または性的なスキンシップをする事でガス抜きをするのは、単なるクズだが、これくらいは、セーフじゃなかろうか。 「ああ・・・半分自分の趣味のことを・・・学校の予算でする時が一番、楽しい・・・!!」(by先生) もう一つ、これが青春なんだよな、と変な感慨に耽ってしまったので。 つまらない学校生活だった、と後悔している訳じゃないが、ここまで、熱くなったモノがあったかな、と思い返すと、無かったような気もする。 本当に無かったのか、それとも、後悔しないほど全力を出したからこそ覚えていないのか、それすらも判断が付かない。 何はともあれ、改めて、この『とくにある日々』は、現役の高校生か、これから、高校生になる中学3年生に読んで欲しい漫画だな、と強く思ったのだ、私は。 また、しいちゃんときみどりの友情、ここにもグッと来た。 「すごいや。うまく言葉にできないけど・・・なんかふるえる・・・」 「自分ですると決めたことに、時間を費やして、実行する人のエネルギーに触れてふるえる?」 「それだぁ!!!」(by高島きみどり、椎木しい)
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