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やさしい共犯、無欲な泥棒 珠玉短篇集 文春文庫
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やさしい共犯、無欲な泥棒 珠玉短篇集 文春文庫

光原百合(著者)

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やさしい共犯、無欲な泥棒 珠玉短篇集 文春文庫

935

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2023/07/05
JAN 9784167920685

やさしい共犯、無欲な泥棒

¥935

商品レビュー

3.6

6件のお客様レビュー

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2024/05/21

[1]おそろしく穏やかで、でもミステリとして無理がないという稀有な世界。 [2]FM潮ノ道の話は他にもあるならもっともっと読みたくなりました。潮ノ道のモデルと思われる地は故郷からそう遠くないのでちょいちょい行ってたけどトシとったらしんどそうやなあということと、わりと平地もあるんや...

[1]おそろしく穏やかで、でもミステリとして無理がないという稀有な世界。 [2]FM潮ノ道の話は他にもあるならもっともっと読みたくなりました。潮ノ道のモデルと思われる地は故郷からそう遠くないのでちょいちょい行ってたけどトシとったらしんどそうやなあということと、わりと平地もあるんやと思ったりもしてました。趣があるので少なくともヨソモノにとってはええ土地です。 [3]ずいぶん以前に『時計を忘れて森へいこう』を読んで以来もっと読みたいと思ってましたがなかなか本の少ない著者で、単行本未収録作品のリストがあるこの本は価値あるかも。 【黄昏飛行】おっちょこちょいなとこはあるが明るくめげない永瀬真尋はコミュニティFM局「FM潮ノ道」の番組「黄昏飛行」のパーソナリティ。佐々木倫子さんのキャラクタのような感じ。杉下右京のような(全世界どこにいても浮いていそうな)局長、コーヒーの求道者のような山斗、事務仕事に長けている海斗らとともに楽しくやっている。特に局長との会話が楽しい。《ラジオはリスナー一人一人に、「あなた」と語りかけるメディアだから》p.48。今回は潮ノ道出身で離婚して旧姓のまま戻ってきた女性とかつて付き合っていたと思われるガサツな男性。 【黄昏飛行 涙の理由】潮ノ道の名物坊主、持福寺の了斎さんが推進力になっている恒例の幽霊画展示会。《幽霊の絵には、瞳孔が描かれません》p.70。中の一枚、森山桃花の「初恋」という絵に一年前には見えていなかった涙がはっきり見えるようになった。《それでも、絵に負けるわけにはいかないさ。》p.83/真尋が初めて憧れた大人の男性は仮面ライダー響鬼。《君は大体、簡単に感情移入しすぎです。》p.71。《誰かの人生が不幸だったなんて他人が決めつけてしまうのは、失礼だと思います》p.77 【不通】潮ノ道出身の悟がキャッチセールスっぽい形で親しくなったエリと連絡がつかなくなった。そんなとき先輩の菅生から潮ノ道の祭を見たいと誘われた。 【花散る夜に】マノミ(魔の実)を漬け込んだ酒は病に劇的な薬効を示す場合があるが治ったときには一番愛する者の記憶を失うという人間関係を試すような副作用がある。耀海(かぐみ)の領主蒼波(そうは)の妻水澄(みすみ)の病を治すためにマノミ酒を飲むことになったが。視点役の竹流(たける)は哲学的な思考をする。万能薬であるマノミの守りである初音は即物的な思考をする。ファンタジーであり謎解きがけっこう納得できるかたちになっていたミステリでもありました。 【やさしい共犯】浪速大学、通称「なんだい」ミステリ研の新入部員吉野桜子と「ミステリ研の筋肉」の黒田先輩、「ミステリ研の良識」公家のような清水先輩、「ミステリ研の頭脳」堕天使のような美貌の若尾先輩は今日も今日とて喫茶店「オーギュスト」で駄弁っていたが、黒田先輩が「シャロット姫がいたんや……」と言った。さて題名の「共犯」は誰と誰でしょう? これもわりと無理ないミステリ。 【無欲な泥棒】関西ミステリ連盟のイベントで参加費を集めた封筒が盗まれたが一部分だけなくなって封筒自体は見つかった。《状況打開の役に立たないことはやらない、それが我がミステリ研のモットーである。》p.260 【花吹雪】描かれた桜が。 【弥生尽の約束】学生の頃の仲間が集う何十年も続いている桜の花を見る会。 【何もできない魔法使い】何もできない魔法使いはただ人びとのそばにいてくれる。

Posted by ブクログ

2023/10/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【収録作品】第一部 潮ノ道の物語 黄昏飛行/黄昏飛行涙の理由/不通 第二部 短篇の名手 花散る夜に/やさしい共犯/無欲な泥棒-関ミス連始末記- 第三部 尾道草紙 花吹雪/弥生尽の約束 あとがきにかえて 何もできない魔法使い 「光原百合さんのこと」 有栖川有栖 第一部 初めの2作はFM潮ノ道を舞台とした物語。ユーモラスな語り口が楽しい。 第二部 「花散る夜に」 不思議な木の実「マノミ」とその守り手の残酷で優しいファンタジー。 「やさしい共犯」「無欲な泥棒」は大学のミステリ研究会の面々が活躍する日常の謎。雰囲気は昭和かな。 第三部 桜を巡る幻想的な物語二つ。

Posted by ブクログ

2023/10/01

一見すると優しい柔らかな物語なのだが、人の世のままならぬこともそこにはあって、それでもやっぱり人を信じている。そしてミステリが好き。それらがきゅっと詰まっているから、珠玉なのですね。

Posted by ブクログ

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