商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2023/06/07 |
JAN | 9784167920579 |
- 書籍
- 文庫
運命の絵 なぜ、ままならない
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運命の絵 なぜ、ままならない
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商品レビュー
3.8
7件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『怖い絵』シリーズは、ある1枚の絵の対するエピソードを語っていくスタイルだったと思うが、この本はあるテーマやエピソードに対して複数枚の絵を紹介していくスタイル。 例えば男性のロマンティシズムを皮肉ったエピソードのときは、『新曲』を書いたダンテとベアトリーチェを描いた絵と、生き様がダンテに似てしまったある画家の自身のベアトリーチェなる女性を描いた絵を紹介している。 ダンテの生涯と、後者の画家の生涯を比較し、若くして亡くなった運命の人ベアトリーチェにロマンを馳せた彼らをばっさりぶったぎっている。 小気味い。 他にも有名な絵から無名の絵まで様々。 個人的にはゴヤの鬼気迫るゲリラの絵、そして手術の光景を描いた明暗の対照的な2枚の絵が印象的だった。
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たぶん<怖い絵>を読まないと中野京子さんの本質は分からないのだろうが、<怖い絵>は苦手なのでスルーしてた。 本書は表紙の絵(フランソワ・ジェラール『プシュケとアモル』)が奇麗なので手に取ってみた。 だが、ページを捲ると最初の作品が殺害された死人の絵。次が娼婦と男の絵。 3番...
たぶん<怖い絵>を読まないと中野京子さんの本質は分からないのだろうが、<怖い絵>は苦手なのでスルーしてた。 本書は表紙の絵(フランソワ・ジェラール『プシュケとアモル』)が奇麗なので手に取ってみた。 だが、ページを捲ると最初の作品が殺害された死人の絵。次が娼婦と男の絵。 3番目が、表紙の絵。 アモル(Amor)とはキューピッドのローマ名。ギリシャ名だとエロス(Eros)。 キューピッドとエンジェルは全くの別ものだということを知った。 というか、両者の違いなんて考えたことがなかった。 この絵はローマ神話の一場面なので、この場面の前後のストーリーが解説になっている。 ヴィーナスが意地の悪い性格だったことも知った。 絵画は説明がないと何を表現しているのか分からない。 中野京子さんの説明は読み易く、絵画を鑑賞するのに大いに助けになる。 絵はその時代の文化や思想や世相を表していて、建築や医療・科学技術などもうかがい知ることができる歴史の一コマということか。 「ルネサンス」「バロック」「ロココ」「新古典主義」「ロマン主義」「写実主義」「印象派」「世紀末象徴派」 などの表現方法については一生理解できなさそう(理解する気がないので)。
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どの絵もとても綺麗でただ見ているだけでも良いのですが、中野さんの解説があるとより彩をまします。 西欧の歴史にも特に精通され、絵の背景にあるものが浮き彫りになります。 決して上っ面だけで絵を見ているのではありませんが、絵の巧さに気を取られていると、本当はどんな絵なのか気がつかないも...
どの絵もとても綺麗でただ見ているだけでも良いのですが、中野さんの解説があるとより彩をまします。 西欧の歴史にも特に精通され、絵の背景にあるものが浮き彫りになります。 決して上っ面だけで絵を見ているのではありませんが、絵の巧さに気を取られていると、本当はどんな絵なのか気がつかないものです。 上部だけの家族、狂気の女の殺害、駅で乗車前のワンシーン、ギロチン台に進む修道女… 同じシーンを違う画家が描いているとこうも違うのかという比較も面白い。 中野京子さんの本は出版が待ち遠しい、そんな絵画と歴史をマッチさせる本だ。
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