商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 実業之日本社 |
発売年月日 | 2023/06/05 |
JAN | 9784408558097 |
- 書籍
- 文庫
向日葵を手折る
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向日葵を手折る
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商品レビュー
3.8
18件のお客様レビュー
父親が亡くなり、山形の集落に引っ越してきた小6のみのり、よそ者の入ってくることの少ない閉鎖的な村の中で過ごす日々が丁寧に繊細な描写で語られる 「ここは閉ざされた王国みたいだ」と感じる山深い村に残る風習や地域の行事 その一つである「向日葵流し」 その準備中に起こった事件 子どもたち...
父親が亡くなり、山形の集落に引っ越してきた小6のみのり、よそ者の入ってくることの少ない閉鎖的な村の中で過ごす日々が丁寧に繊細な描写で語られる 「ここは閉ざされた王国みたいだ」と感じる山深い村に残る風習や地域の行事 その一つである「向日葵流し」 その準備中に起こった事件 子どもたちが噂する〈向日葵男〉 なにやら不穏な空気をまとったこの村で、みのりは中学生になり 友人たちとの関係もまたすこしずつ変わっていく 村にきて一番初めに顔見知りになった怜 優しく穏やかでちょっと憂いのある少年の描写やエピソードがとっても好き そして乱暴者の隼人 突然キれるような子だけれど、何故か目を離せない魅力を持つ 最初は理解出来なかったが、彼には彼なりの信条があることが分かってくると 隼人もすごく魅力的 ミステリのくくりにはなるのかもしれないけれど、一つの文学作品としての完成度が高い作品 ちなみにミステリとしても 途中で出てきたみのりの感じる「違和感」(伏線)がちゃんと回収されていてすっきりしたものになっている ミステリ的な要素と文学的な要素とどっちも満たしたとても良作だと思う
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読了感がとってもいいです。単語の選び方に品を感じました。少し頁が長いですが、時系列をゆっくり楽しみたい方や、読んでいるだけで自然を感じたい方におすすめです。 あと怜と隼人どっちもかっこいいです。こういうキュンキュンした気持ちが懐かしい。
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少女の恋と成長、そして自然描写がみずみずしく色彩豊かに描かれた青春小説でありながら、場面場面での意外な展開はサスペンス要素もあり、様々な魅力のある作品でした。 そしてなんといっても終盤の展開が圧巻でした。最後にある真実が明かされた瞬間、張り巡らされていた伏線が一気につながるさま...
少女の恋と成長、そして自然描写がみずみずしく色彩豊かに描かれた青春小説でありながら、場面場面での意外な展開はサスペンス要素もあり、様々な魅力のある作品でした。 そしてなんといっても終盤の展開が圧巻でした。最後にある真実が明かされた瞬間、張り巡らされていた伏線が一気につながるさまは、一種の壮観さすら感じました。バラバラだったパズルが一瞬のうちに組み立てられ、物語の意味がまったく違って見えてくる。 ミステリとしての快感はもちろんのこと、そこをクライマックスとして、話が終わらせず、もうひと展開魅せるのも憎い。一種の後日談のように、その後の展開もしっかり作って、単なるミステリに終わらない、子ども時代の終わりと、その後の成長、そして感動まで作りこまれた作品だと思います。 語り手は田舎に引っ越してきた少女で、そこに二人の幼馴染男の子が関わってくるという話なのですが、この男の子二人組が、それぞれ個性があって魅力的でした。一人は乱暴者である一方で芯の強さがあり、もう一人は優しいしっかり者。ジャンルとか、性格は違うけど「ちびまる子ちゃん」の大野君・杉山君をとっさに連想しました。 このあたりの男の子の描き方は、女性作家特有なのかもしれません。ちょっとかっこよすぎる感や少女マンガっぽさを宿しているので、女性読者の方が、よりこの二人の魅力や、語り手の心のゆらぎに心つかまれるかもしれません。 解説でちょっと触れられていたけど、ミステリとして読むと話のテンポとか、警察捜査のずさんさとかは、気になるところかもしれません。それでも、少女の心のゆらぎと成長、そして最後まで丁寧に描かれる物語と、ミステリの枠では語れない魅力を宿した小説でもあったと思います。
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