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「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史 講談社現代新書2705
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2023/05/18 |
JAN | 9784065321294 |
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「戦前」の正体
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わたしの個人的な思想はリベラル寄りで、いわゆる「歴史修正主義」的な動きなど、右派論壇に対してはつねに批判的な視線を向けてきた。関聯する記事などもよく読むのだが、そこでしばしば用いられるのが「戦前」という言葉である。「戦前回帰」といった形で眼にすることも多いが、しかしその実、われわ...
わたしの個人的な思想はリベラル寄りで、いわゆる「歴史修正主義」的な動きなど、右派論壇に対してはつねに批判的な視線を向けてきた。関聯する記事などもよく読むのだが、そこでしばしば用いられるのが「戦前」という言葉である。「戦前回帰」といった形で眼にすることも多いが、しかしその実、われわれは「戦前」という言葉をイメージでしか捉えておらず、正しく理解できているとは言いがたい。そこで今回は、正しい「戦前」像を理解するために、「新書大賞2024」で第7位になった本作を読んでみた。内容的には、「創られた『伝統』」という、よく知られた言いまわしがあるが、たとえば「八紘一宇」というキイワードがいかに「創られた」かを解き明かすなど、それほど目新しさはない。それでも知らなかった智識もあってなかなか刺戟的な読書体験であった。とくに、著者は「『ネタ』が『ベタ』になる」と表現しているが、いわゆる「戦前」ムードが形成されるにあたっては、もちろん「上」が「あえて」利用して煽ったことが要因としてはもっとも大きいけれども、「臣民」の側がときにはそれ以上に「暴走」した結果、しだいに天皇の言動にまで影響を与えるほど大きな存在になっていったということは衝撃的であった。著者は「戦前」という言葉が安易に使われすぎていると指摘し、また「戦前」を全否定するような言説にも顔を顰めており、それはそうなのだが、「『ネタ』が『ベタ』になる」危険性を考えてみれば、やはり警鐘を鳴らさずにはいられない。大事なのは本作を読んでただ終わりにするのではなく、現実世界にも確実にある「戦前」の実を摘んでゆくことではないかと切に思った。その理解の第1歩として本作があるのだと思う。
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日本の神話が戦前のプロパガンダにどう使われてきたのか、体系的に整理された良著。明治維新からひもといた点が特筆される。
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神話は実話かどうか実証できない分、良くも悪くも解釈の自由度があり、状況によって利用されがち。 それは日本だけではなく、キリスト教なども同様。
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