商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 勁草書房 |
| 発売年月日 | 2023/02/20 |
| JAN | 9784326852000 |
- 書籍
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絵本のなかの動物はなぜ一列に歩いているのか
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絵本のなかの動物はなぜ一列に歩いているのか
¥3,080
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商品レビュー
4.2
14件のお客様レビュー
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積読チャンネルで紹介されていたのがきっかけで手に取った。かなり硬めの骨太な本なので読了までに時間がかかったが、毎晩「今溶解体験してるな」とか「これは均衡回復型絵本だな」とか思いながら読み聞かせができるようになり、また一つ人生の楽しみが増えてしまった。 子どもは行って帰る(均衡回復型)物語が好き。ページをめくるごとに積み重なるものにドキドキした緊張感や不安を味わい、その臨界点を超えて崩壊した瞬間に眩暈のようなカタルシスを感じ、最後には日常に戻ることで安心感を味わう。 大人は物語として絵本を捉えているので、展開が分かっている絵本を繰り返し読むことがしんどいが、子どもは均衡の崩壊と回復という体験をしているので、何度も読みたがるそう。絵本は玩具とも書かれているが、そう捉えてこちらもめげずに溶解体験をする手伝いをしたい。
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最高!名著!!2025年の一冊は確定した。前半は絵本の分類や事例が並びふんふんという感じだったけど途中から感動して泣いてしまった、研究論文なのに。絵本を読むことで、人間一個人を飛び越えて生命として世界を見る視点を獲得していき、子どもへ絵本を読み聞かせする大人も同様に生命として世界...
最高!名著!!2025年の一冊は確定した。前半は絵本の分類や事例が並びふんふんという感じだったけど途中から感動して泣いてしまった、研究論文なのに。絵本を読むことで、人間一個人を飛び越えて生命として世界を見る視点を獲得していき、子どもへ絵本を読み聞かせする大人も同様に生命として世界へ溶け込む。"絵本はアヴァンギャルドで高次なメディア" というフレーズがすばらしい
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※このレビューにはネタバレを含みます
子どもの頃に読んでもらったりした絵本って、内容は正直覚えていない、 けど確かに、登場人物がどんな動きをしてたかとか、そういうことが少し記憶に残っている。 ジェットコースターに乗るように、あの頃は絵本を楽しんでいたんだなーと。 本書では、これを「均衡回復」の絵本体験として、絵本についてこんなにも論じられるのか、というぐらい、体系化されています。 主なパターンが、積み木型と入れ子型。 イラストレーション、文字、そして登場するキャラクターの関係性の動きに注目して、 重なったり、並んだり、増えたり、減ったり、 みんなも知っている絵本での具体例もとても興味深い。 子どもに人気な絵本って、大人がいろいろな社会経済関係の中で評価する本と違って、純粋に子どもが楽しんでいる本だから、 それを分析することで人間についての理解も深められるんだろうと思う。 絵本に出てくるたくさんの動物たち。 その意味についての考察もおもしろかった。 文学理論についての本を前に読んだときに、小説などの物語の類型が論じられていたけれど、 絵本は別ものだということも知った。そもそも、多くの場合、いわゆる主人公がいないらしい。 これと少し関係する、時間軸についての考察も興味深かった。 私は主に絵本を美術的に、つまり、絵がかわいいとか、きれい、とか、そういった観点から見がちであったということにも気づく。 絵本原画展は大好きで、気に入った絵の絵本を買ったりするけれど、 たしかに原画を見るのは絵本を楽しむこととは全く違う行為で。 一方の文学的アプローチ、つまり、物語論などストーリーを紐解くという観点がある。 本書は、この2つのメジャーなアプローチだけではカバーしきれていない絵本の特質があるということで、 絵本制作における空間的視点の重要性を説くもの。 読み終えたときには、確かにこの視点無くしては絵本の魅力を語り切れない、ということに気づく。
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