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リアリティ+(上) バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦
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リアリティ+(上) バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

デイヴィッド・J・チャーマーズ(著者)

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リアリティ+(上) バーチャル世界をめぐる哲学の挑戦

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 NHK出版
発売年月日 2023/03/25
JAN 9784140819364

リアリティ+(上)

¥2,640

商品レビュー

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2024/09/24

我々が生きているこの世界は、実在する世界なのだろうか。誰かの夢の中、あるいは、データ世界のシムピープルなのではないだろうか。そんな問いに挑戦するのが本書。「世界は実は5分前に始まったのかもしれない」という世界5分前仮説を唱えたのはバートランド・ラッセル。しかし、それに対して反論で...

我々が生きているこの世界は、実在する世界なのだろうか。誰かの夢の中、あるいは、データ世界のシムピープルなのではないだろうか。そんな問いに挑戦するのが本書。「世界は実は5分前に始まったのかもしれない」という世界5分前仮説を唱えたのはバートランド・ラッセル。しかし、それに対して反論できない我々は、確かに虚構の中の虚像なのかもしれない。 ― SFと哲学において強烈な思考実験は、シミュレートされた宇宙というアイデアだ。もしも私たちのいるこの宇宙がシミュレーションだとしたらどうか?何が起きるだろうか? ジェームズ・E・ガンの1955年の小説「裸の空(The Naked Sty)」は、ヘドニクス社の話(「不幸な男」)の続編だ。両作品は1961年の小説「快楽発生器」で一冊にまとめられた。ヘドニクス評議会の経験機械は破壊されたようだったが、主人公は自分がまだ機械の中にいるのか、現実にいるのかわからなかった。 ― 昔から哲学者はこうした知識について、本当に知っているのかと疑問を呈してきた。古代ギリシアの哲学者セクストス・エンペイリコス (2世紀から3世紀ごろ)は、自分たちの科学知識を疑った。同時代のインド仏教の僧、龍樹(サンスクリット名ナーガールジュナ)は、哲学から知識を得られるのか疑問を呈した。11世紀ペルシアの哲学者ガザーリーは、自分たちが見聞きしたものの知識を疑った。18世紀スコットランドの哲学者ディヴィッド・ヒュームは未来に関する人間の知識を疑った。現代アメリカの哲学者のグレース・ヘルトンとエリック・シュウィッツゲーベルはそれぞれ、私たちに他人の心がわかるのか、自分の心がわかるのかと疑問を呈している。私たちに知識はあるのか?人間の知識に疑いを抱く哲学者もいる。古代ギリシアの哲学者ピュロンとその信奉者は、自分たちの知覚と信念を信用するべきではない、と説いた。信用すると知識を得ることも幸せになることもできない。何かを信ずることをやめれば、心配から解放されるのだ、と。ほとんどの人はピュロンに反対する。私たちは物事を知っていると信じている。 だが、本当に知っているのだろうか? ― VRには、場所に関する内臓でわかる感覚や妥当性や身体化の要素があると言った点でスレイターは正しい。ただ、それらが錯覚である、とした点に異議を唱えたい。錯覚の場合もあるが、多くの場合で、錯覚ではないリアルなVRの知覚がともなうのだ。 ― 「アバター」という言葉はヒンドゥー教に由来し、ヴィシュヌ神などが地上に降りてくるときに化身となる体の意味として使われた。 この世界がVRであるわけがない、だって、ゴーグルをつけている感覚がないじゃない、という安直な話ではなく、この世界がバーチャルである可能性があるとすれば、脳自体がVR機器の役割を果たし、それがクラウドに繋がっている場合だ。その意味で、先週読んだ『操作される現実―VR・合成音声・ディープフェイクが生む虚構のプロパガンダ』サミュエル・ウーリー、『プルーフ・オブ・ヘヴン―― 脳神経外科医が見た死後の世界』エベン・アレグザンダー2冊の集大成のような読書だったのだが、つまり、天国があり、死後にも論理や秩序世界が持続する事と、この世界がバーチャルであるという事(脳の外部からそれを成立させているという考え)は矛盾しない。あくまで可能性の話だが。

Posted by ブクログ

2023/04/08

実にていねいで手堅い議論が展開される(悪く言えばその分どこか「くどい」とも言える)。この世界は本物か偽物か、リアルかそれともシミュレーションか。一見すると現実離れした議論に見えるが、しかし昨今のフェイク・ニュースが乱立しリアリティが揺らぐ状況で読むと私たちが本当に「リアル」と呼び...

実にていねいで手堅い議論が展開される(悪く言えばその分どこか「くどい」とも言える)。この世界は本物か偽物か、リアルかそれともシミュレーションか。一見すると現実離れした議論に見えるが、しかし昨今のフェイク・ニュースが乱立しリアリティが揺らぐ状況で読むと私たちが本当に「リアル」と呼びうる世界をどう定義づけたらいいか、そこからして自明ではないとも言える。その自明ではない状況を睨み、哲学的な問題設定を絡めてアクチュアルに議論として精製させた本として興味深く読む。この地点から議論がどう展開していくのか興味は尽きない

Posted by ブクログ

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