1,800円以上の注文で送料無料

三島由紀夫が復活する 新版
  • 新品
  • 書籍
  • 新書
  • 1226-36-01

三島由紀夫が復活する 新版

小室直樹(著者)

追加する に追加する

三島由紀夫が復活する 新版

1,210

獲得ポイント11P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日ワンズ
発売年月日 2023/04/16
JAN 9784909447258

三島由紀夫が復活する 新版

¥1,210

商品レビュー

4

4件のお客様レビュー

レビューを投稿

2025/04/12

三島由紀夫が1970年に自衛隊市ヶ谷駐屯地で遂げた割腹自殺は、しばしば「美学の暴走」「政治的錯乱」などと断じられてきた。だが、実際には、それはあまりにも準備不足であり、非現実的だった。三島は自衛隊に対し蹶起を求めたが、そのための組織も、根回しも、機材や具体的提案すらなかった。彼の...

三島由紀夫が1970年に自衛隊市ヶ谷駐屯地で遂げた割腹自殺は、しばしば「美学の暴走」「政治的錯乱」などと断じられてきた。だが、実際には、それはあまりにも準備不足であり、非現実的だった。三島は自衛隊に対し蹶起を求めたが、そのための組織も、根回しも、機材や具体的提案すらなかった。彼の言葉は隊員たちの心を動かすどころか、冷笑と困惑のうちに消え去っていった。 このことは、三島の行動が目的を遂行するためのものではなく、死そのものが目的であったことを示唆している。つまり彼は、自らが生きて社会を変革する可能性をすでに放棄しており、死という最終表現をもってして、人々の意識を揺さぶろうとしたのだろう。死によってこそ伝わるものがある、あるいは、死以外には伝えられないと覚悟していたのではないか。 (尚、後述するが、仮にここで動員に成功していたとしても226事件で見たように盾の会が自衛隊に組み込まれるだろう事を三島も小室も見抜いていたはずだ) 三島の行動は、極度に内的な思想の帰結であり、ナルシシズムに裏打ちされた美学的・宗教的パフォーマンスでもあった。死ぬために生き、死ぬことで何かを問う、このような決意をもってしても言葉は届かず散華し、風化していく。 これを踏まえて、小室直樹の『三島由紀夫が復活する』という言葉を考える。つまり、三島の死に込められた問いに耳を傾ける者として、三島の死を歴史的に評価するのではなく、思想的に回収し、イデオロギーや宗教的な理解でもって、あの壮絶だが動員の技術的には稚拙だった最期を記録するという姿勢である。 小室にとって、「三島が復活する」とは、単に三島の思想が再評価されることではない。忘れ去られた問いが、再び現代において取り上げるという目的にあったのだろう。いや、だがしかし小室直樹の思考はそれで終わらない。 小室直樹の日本人観と三島由紀夫の日本人観に共通する決定的な諦念がある。度々、宮台真司も引用する台詞だが「一夜にして天皇主義から思想を変えた日本人に、右も左もない」。つまり、大衆は天皇が神だとか人間だとかには関心なく、もとより利用価値でしか捉えていないし、自衛隊に対してもそうだ。構造を完全なご都合主義で捉える理性がある中で、天皇や武士道は、一時の感情表現でしかありはしないのだ。 山本七平はニューマだというだろうか。私は日本人の宗教的態度というのは、天皇というワクチンによる排外性と受容性の調和能力が機能していたものが、やがて天皇そのものを国民操作に用いた原罪を背負う事によって、神との独特な距離感しか保てなくなった故のものだと見ている。 小室には分かっている。ゆえに、復活はしない。だが、そうした思考の延長線では復活しないが、その罪を背負うがゆえに解脱できず、三島は輪廻転生して復活するのだ。それを『豊饒の海』四部作の読み解きの伏線から暗示した、という事ではなかろうか。全て、私のこじ付けだが。

Posted by ブクログ

2024/03/09

三島由紀夫の最期の行動の思いを、二二六事件や仏教を説明し、小説、建白書、楯の会会員への遺書等からまとめている 割腹自殺に至るまでの思想が少しは知れた気がする 読み辛さを感じたのは、自分も平和ボケみたいなものが染み付いて、熱くないからなのかもしれない

Posted by ブクログ

2023/10/05

難解な書、なんどかいったりきたりしたが、どうもつながらなくて、イライラ感が満載の状態です。 そして、その題「三島由紀夫が復活する」という意味とは何か。 文脈からすると、昭和維新、戦後の警察予備隊による再軍備、そして現代、あらためて日本に強力な軍事力が必要とされていて、それを実現す...

難解な書、なんどかいったりきたりしたが、どうもつながらなくて、イライラ感が満載の状態です。 そして、その題「三島由紀夫が復活する」という意味とは何か。 文脈からすると、昭和維新、戦後の警察予備隊による再軍備、そして現代、あらためて日本に強力な軍事力が必要とされていて、それを実現するために、新たな三島由紀夫が復活するとことなのでしょうか。 かたまりとしては、次の5つのブロックに分かれているとみているのですがどうでしょうか。 ①226事件 ②三島由紀夫の思想を形作っっている唯識論 ③四有輪転と、輪廻転生、三島由紀夫の傑作、「豊饒の海」4部作 ④三島由紀夫の生い立ちと盾の会 ⑤三島由紀夫の建白書 流れとして、226事件とは、青年将校は、反乱軍であって反乱軍ではない。天皇制をかついでいながら、その天皇からは、認められず、自壊した。 三島の盾の会も、同様、天皇崇拝者であったのに、現実の政治には、利用されたが、いざの時は、見向きもされなかった。 憧れというか、宗教としての天皇崇拝と、現実の政治システムとしての天皇制とが乖離している、二重構造が 青年将校を、そして、三島由紀夫と盾の会を絶望においやった。 ①+④+⑤はここでつながっている。 輪廻転生と成仏しないかぎりは、無限に苦しみのなかで、死に生き続けるしかない。豊穣の海では、意識をもって転生を繰り返す物語。 ②+③+④ はここでつながったとみる。 入隊検査で、乙2として、かろうじて合格したものの、原隊への入隊試験で、軍医の誤診のために、即日帰郷となっています。そのことが、三島由紀夫のトラウマとなっています。 それから、ボディビルダーや、ボクシングをおこなって肉体を鍛え肉体美となっている。そして三島の天皇崇拝については、豊穣の海が描く、肉体と精神の融合とつながっている。これが、さらに、③+④のつながりとみる。 ①と②がつながらない。というか、①のながれと、②のながれが、④と⑤で豊饒の海のごとく融合したとみることができるのでしょうか。 大きく気になったことは3つ ・三島由紀夫は、天皇絶対主義者である。天皇神格論者である。彼が批判の対象としているのは、「天皇の人間宣言」以後の「天皇制」であり、戦後の新憲法下の「天皇制」である。 ・自由とは、守りかつ戦いとるものなんだ。業深く論戦してこそ得られるものでしょう。しかし、日本はアメリカから与えられてしまった。与えられた自由は、真の意味での自由ではないんです。 ・三島は高度の知性に恵まれていた。その三島ともあろう人が、大衆の心を変えようと試みても無駄だということを認識していなかったのだろうか。それを問うているのだ。かつて、大衆の意識変革に成功したものはひとりもいない。アレキサンドロス大王も、ナポレオンも、仏陀も、イエスも、ソクラテスも、だれもそれには成功しなかった。 226事件の際でも、現在の「天皇制」下でも、天皇と政治が、分離して機能していることで、戦前と戦後は変わっていないのである。 理想の国防という観点からは、なんら変わっていない。ということは、それを解消すべく、新たな、「三島由紀夫」が、現代に復活するというなぞかけというか、期待ということなのでしょうか。 私はそうよみました。 目次 まえがき 第1章 三島由紀夫と二・二六事件 第2章 戦後天皇制に挑戦した三島由紀夫 第3章 蘇る三島由紀夫 第4章 帰らざる河 第5章 そして「豊饒の海」へ 第6章 残された建白書 特別寄稿 三島由紀夫先生の遺書(元楯の会班長 本多清) 出版社 ‏ : ‎ 毎日ワンズ 発売日 ‏ : ‎ 2023/04/29(第1刷発行) 発売日 ‏ : ‎ 2023/05/10(第2刷発行) 言語 ‏ : ‎ 日本語 新書 ‏ : ‎ 274ページ ISBN-10 ‏ : ‎ 4909447253 ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4909447258 寸法 ‏ : ‎ 17.6 x 11.4 x 1.6 cm

Posted by ブクログ