商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2023/02/17 |
JAN | 9784093866729 |
- 書籍
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完全なる白銀
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完全なる白銀
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商品レビュー
4.1
24件のお客様レビュー
本書は、山岳小説というより、人間ドラマ呼称が相応しい気がします。ミステリーを絡めた女性カメラマン・緑里の成長譚と受け止めました。 「ザ・男」のイメージが強い登山や写真の世界で、若い女性たちを中心に据え、とても新鮮でした。 女性初の冬季デナリ単独登頂を成功させ、温暖化の影響...
本書は、山岳小説というより、人間ドラマ呼称が相応しい気がします。ミステリーを絡めた女性カメラマン・緑里の成長譚と受け止めました。 「ザ・男」のイメージが強い登山や写真の世界で、若い女性たちを中心に据え、とても新鮮でした。 女性初の冬季デナリ単独登頂を成功させ、温暖化の影響で水没が進む故郷アラスカの小島・サウニケの現状を訴えようとしていたリタは、登頂後に消息を絶ちます。 7年後、親友の緑里とシーラは、リタのデナリ登頂の証を見つけるため、冬季デナリ登頂を目指すという展開です。 リタの最後の交信記録、山岳ジャーナリストのゴシップ記事、リタを信じるシーラと疑念を抱く緑里の間の摩擦‥。危機感・違和感を生みつつ、物語は現在と回想の過去を行き来しながら展開します。つかみは最高に面白く、のめり込みました。 加えて、登攀描写も迫力と臨場感たっぷりです。ブリザード、クレバス、高山病や極低温による凍傷など、凄絶さと恐怖はリアリティがあり、五感に訴えるものがありました。 とても面白かったのですが、惜しむらくは、結末がほぼ見通せたこと、北米最高峰への挑戦が簡単なことなどが綺麗過ぎるあたりに、少し熱が冷めていく感覚になったのも事実で‥。 夢や理想と現実とのギャップ、友情と信頼、女性や人種への差別、広くは温暖化など、様々なテーマを内包した物語に、きっと自分自身の生き方を投影してみる人も多いのではないでしょうか? 3人の女性たちの絆、彼女たちの生きざまは、きっと読み手に勇気と希望を与えてくれると思いました。
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北米最高峰の山デナリの冬季単独登頂を女性で初めて果たしたリタ・ウルラクは登頂直後に消息を絶つ。その後、リタに登頂詐称疑惑が囁かれるようになる。リタは本当に登頂に成功したのか──? リタの幼馴染のシーラと友人である写真家の緑里は2人でデナリの冬季登頂に挑む。 山岳小説ではあるが、...
北米最高峰の山デナリの冬季単独登頂を女性で初めて果たしたリタ・ウルラクは登頂直後に消息を絶つ。その後、リタに登頂詐称疑惑が囁かれるようになる。リタは本当に登頂に成功したのか──? リタの幼馴染のシーラと友人である写真家の緑里は2人でデナリの冬季登頂に挑む。 山岳小説ではあるが、地球温暖化、女性差別、民族差別など…様々な事情が絡み合いもつれ合う。 リタの故郷のアラスカ西部のサウニケは温暖化によって徐々に侵食され面積が小さくなっていく。そんな島を救うため、多くの人にサウニケの現状を知ってもらうために、リタは有名になろうとする。難しい冬季の登頂に次々と成功したリタは夢見た通りに有名人になる。サウニケについても多くの人々に知られていくのだが、それでも温暖化は止まらない …リタの思いが届かないのが辛く苦しい。三人の女性の友情も、次第にヒビが入り始める。 ミステリ要素は正直薄めかな、と思うがとデナリ登頂の苦しさ緊迫感にはドキドキしたし、ラストの場面では思わず涙ぐんでしまった。三人の女性の友情が良い。
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終盤の登攀の描写には息苦しさを感じた。とんでもなく面白いとかストーリーが最高とかではないが、個人的にすごくお気に入り。自分が今登山にとても興味があるというのも影響していると思う。登山を感じてみたい人にはぜひ読んでほしい。岩井圭也さんに興味を持ついいきっかけになった。
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