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完全なる白銀 の商品レビュー

4.1

28件のお客様レビュー

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2024/10/19

 どんだけスゴイの??って思わせてくれました。この作品、実は図書館にあるのを知っていながら、読むを躊躇していたんです。だって、テーマは登山でしょ?しかも最高峰と言っても過言でないデナリ、そして冬山…ってどんだけ私に縁がないの??って、つい思っちゃったんです。でも、皆さんのレビュー...

 どんだけスゴイの??って思わせてくれました。この作品、実は図書館にあるのを知っていながら、読むを躊躇していたんです。だって、テーマは登山でしょ?しかも最高峰と言っても過言でないデナリ、そして冬山…ってどんだけ私に縁がないの??って、つい思っちゃったんです。でも、皆さんのレビューからやっぱり読んでみようと思って、図書館から借りました。  物語の主人公は、写真家の藤谷緑里…彼女が写真家を目指すきっかけはアラスカのサウニケという島の写真集を手にしたことだった。現地でのリタとシーラとの出会い、サウニケが温暖化の影響から沈んでしまう危機にあることを知る。リタはサウニケを守るために、数々の男性登山家でも難しいと言われている冬山登攀を成功させたことで、自らの名とサウニケの実情を訴えてきた。北米最高峰のデナリへの登攀を成功させたリタは「完全なる白銀」と山頂からの景色を言い残し消息を絶ってしまう。その後、リタがこれまでに制覇した冬山への登攀に疑問符を投げかけられ「冬の女王」から「詐称の女王」と一部マスコミが騒ぎ立てる。心を痛めたリタの幼馴染でリタの活動を補助してきたシーラと緑里は、リタがデナリ登攀に成功したことを証明するために、共に冬のデナリ登攀を目指す…。  この本って、ページが他の作品に比べて白いですよね!!紙質が違うんでしょうね…。で、私には縁のない内容だしって思っていたのに…もうね、読めてよかったです。特に一番私が興味を持てないだろうなぁ~と読む前には思っていた、緑里とシーラが冬のデナリ登攀をはじめるところからは、読む手が止まりませんでした。冬のデナリ登攀は命の危機と隣り合わせ…そこまでしてなぜ山頂を目指すのか、全ては「完全なる白銀」のためなんですねぇ…。ホント、その景色をこの作品を読めたことで見た気持ちにさせられました。 ※ところで、「登攀」って漢字難しいですよね…、読み方は「とうはん」、意味は高い山・崖などによじ登ることらしいです。

Posted byブクログ

2024/10/01

マウント・デナリ 標高6190mの北米最高峰 冬季の登頂成功者は数えるほどしかいない 2016年1月、リタ・ウルラクは冬季デナリの単独登頂を成功させ、「完全なる白銀」という言葉を最後に消息を絶った。 しかしその後 〝彼女は大半の山で、頂上まで到達していない〟〝詐称の女王だ〟...

マウント・デナリ 標高6190mの北米最高峰 冬季の登頂成功者は数えるほどしかいない 2016年1月、リタ・ウルラクは冬季デナリの単独登頂を成功させ、「完全なる白銀」という言葉を最後に消息を絶った。 しかしその後 〝彼女は大半の山で、頂上まで到達していない〟〝詐称の女王だ〟 という記事が出て、世間から疑われてしまう。 リタは本当に登頂に成功したのか… 物語は2023年1月のアラスカから始まり、過去と現在を行き来しながら進んでいく。 藤谷緑里とシーラ・エトゥアンガの女性二人は、デナリ登頂を目指す。 7年前この山で消えた親友リタ・ウルラクの登頂を証明する為に… 死と背中合わせの冬山にたった二人きり。 強制的に自分をさらけ出すことになるだろう。 そんな彼女らの感情のぶつかり合いや葛藤、そして成長を描いた物語だ。 雪と氷の中でのそれは緊張感にあふれ、読みごたえがあった。 それに加え、緑里、シーラ、リタを見守る男性たちの存在が良いなぁ、と思った。 登場場面は多くないが印象に残る。 シーラの兄・カナックは、場を和ませ潤滑油のような存在。 カメラマン緑里の師匠である柏木は、無愛想だがとても信頼感がある。 ブッシュパイロットのダニエルは、いつでも冷静沈着で心強い。 魅力的な登場人物たちと、美しくも厳しい自然のアラスカの描写。 やっぱり岩井圭也さんの描く世界は好きだ。

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2024/09/11

山の本。面白いことは面白かったが、初読みなのにどこかで読んだことのあるような感じで今一つ入り込めませんでした。アラスカ、温暖化、少数民族、写真家という並べ方のせいかな。

Posted byブクログ

2024/09/10

 この一冊についても、また、同じ賛辞を贈るしかないだろう。現在、日本で最も多方面にわたって作品世界を広げ、かつ、それらが極めて高いレベルで揃っている。、  まさか、女性登山家の話を読むことができるとは。最初の頃の作品と比べると、ずいぶんゴツゴツしなくなったな。

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2024/08/27

 本書は、山岳小説というより、人間ドラマ呼称が相応しい気がします。ミステリーを絡めた女性カメラマン・緑里の成長譚と受け止めました。  「ザ・男」のイメージが強い登山や写真の世界で、若い女性たちを中心に据え、とても新鮮でした。  女性初の冬季デナリ単独登頂を成功させ、温暖化の影響...

 本書は、山岳小説というより、人間ドラマ呼称が相応しい気がします。ミステリーを絡めた女性カメラマン・緑里の成長譚と受け止めました。  「ザ・男」のイメージが強い登山や写真の世界で、若い女性たちを中心に据え、とても新鮮でした。  女性初の冬季デナリ単独登頂を成功させ、温暖化の影響で水没が進む故郷アラスカの小島・サウニケの現状を訴えようとしていたリタは、登頂後に消息を絶ちます。  7年後、親友の緑里とシーラは、リタのデナリ登頂の証を見つけるため、冬季デナリ登頂を目指すという展開です。  リタの最後の交信記録、山岳ジャーナリストのゴシップ記事、リタを信じるシーラと疑念を抱く緑里の間の摩擦‥。危機感・違和感を生みつつ、物語は現在と回想の過去を行き来しながら展開します。つかみは最高に面白く、のめり込みました。  加えて、登攀描写も迫力と臨場感たっぷりです。ブリザード、クレバス、高山病や極低温による凍傷など、凄絶さと恐怖はリアリティがあり、五感に訴えるものがありました。  とても面白かったのですが、惜しむらくは、結末がほぼ見通せたこと、北米最高峰への挑戦が簡単なことなどが綺麗過ぎるあたりに、少し熱が冷めていく感覚になったのも事実で‥。    夢や理想と現実とのギャップ、友情と信頼、女性や人種への差別、広くは温暖化など、様々なテーマを内包した物語に、きっと自分自身の生き方を投影してみる人も多いのではないでしょうか? 3人の女性たちの絆、彼女たちの生きざまは、きっと読み手に勇気と希望を与えてくれると思いました。

Posted byブクログ

2024/05/28

北米最高峰の山デナリの冬季単独登頂を女性で初めて果たしたリタ・ウルラクは登頂直後に消息を絶つ。その後、リタに登頂詐称疑惑が囁かれるようになる。リタは本当に登頂に成功したのか──? リタの幼馴染のシーラと友人である写真家の緑里は2人でデナリの冬季登頂に挑む。 山岳小説ではあるが、...

北米最高峰の山デナリの冬季単独登頂を女性で初めて果たしたリタ・ウルラクは登頂直後に消息を絶つ。その後、リタに登頂詐称疑惑が囁かれるようになる。リタは本当に登頂に成功したのか──? リタの幼馴染のシーラと友人である写真家の緑里は2人でデナリの冬季登頂に挑む。 山岳小説ではあるが、地球温暖化、女性差別、民族差別など…様々な事情が絡み合いもつれ合う。 リタの故郷のアラスカ西部のサウニケは温暖化によって徐々に侵食され面積が小さくなっていく。そんな島を救うため、多くの人にサウニケの現状を知ってもらうために、リタは有名になろうとする。難しい冬季の登頂に次々と成功したリタは夢見た通りに有名人になる。サウニケについても多くの人々に知られていくのだが、それでも温暖化は止まらない …リタの思いが届かないのが辛く苦しい。三人の女性の友情も、次第にヒビが入り始める。 ミステリ要素は正直薄めかな、と思うがとデナリ登頂の苦しさ緊迫感にはドキドキしたし、ラストの場面では思わず涙ぐんでしまった。三人の女性の友情が良い。

Posted byブクログ

2024/02/17

終盤の登攀の描写には息苦しさを感じた。とんでもなく面白いとかストーリーが最高とかではないが、個人的にすごくお気に入り。自分が今登山にとても興味があるというのも影響していると思う。登山を感じてみたい人にはぜひ読んでほしい。岩井圭也さんに興味を持ついいきっかけになった。

Posted byブクログ

2024/01/29

まずページをめくって驚いた。紙が真っ白! 今までの本はちょっと黄ばんでた?という位、完全なる白銀ならぬ、完全なる白!そこから気に入った。 高山病、凍傷、氷の絶壁、クレバスの恐怖。 何故に人はそこまでして登頂を目指すのだろうか。登山の話だからゴールは予想できたけれど、そこまでのス...

まずページをめくって驚いた。紙が真っ白! 今までの本はちょっと黄ばんでた?という位、完全なる白銀ならぬ、完全なる白!そこから気に入った。 高山病、凍傷、氷の絶壁、クレバスの恐怖。 何故に人はそこまでして登頂を目指すのだろうか。登山の話だからゴールは予想できたけれど、そこまでのストーリー展開は先が気になって寝れない程でなく、かといって淡々としすぎでもなく、自分も同伴しているかの様な面白い読書生活を過ごせた本だった。

Posted byブクログ

2023/12/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読書YouTuberがおすすめしてたので。 山頂で消息を絶った友人の疑惑を晴らすために、主人公と友人の妹でマッキンリーに挑む。今はデナリと言うのね。自分の小さい頃は植村直己のこと書いた本でマッキンリーを知ったくらいだったが、山の名前も時代で変わっていくのか。 過去と現在を交えた形で、少しずつ山頂に近づく。それにつれて、主人公のバックボーンや友人との出会い、別れが明らかになり、登るまでの間に何が起きたのかがハッキリとしていく、ミステリー。 台詞が所々印象的で、シンプルな物語だけど最後はやっぱりそうなるかぁ、と納得できる内容だった。著者の他の作品も読んでみようかと思う。

Posted byブクログ

2023/11/26

登山家になる、という意気込みを実現するのに、どれくらいの障壁があるのか、と気になりました。43才説も気になりましたが、そこは過ぎたか、、

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